2009.10.14
祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす・・・
・・・とは、中学校で習う平家物語の冒頭だが、まさに京急1000形がこの状態にある。最大で356両が在籍した1000形も、気がつけば4連2本と6連3本の計26両が残るのみとなっている。毎年度の新1000形の導入実績からすると、新造車両による玉突きで引退秒読みと言っても過言ではないだろう。
個人的には古くて渋い車両が好きなので、京急1000形も十分に趣味の範疇であった。カメラを持ち出したのが比較的最近なので、流石に全盛期の頃の写真はないのだが、晩年のラッシュ時に見られた優等列車は機会があれば狙いに出かけたものだった。ここでは、優等運用の思ひ出として、今では見られなくなってしまった優等運用の写真を中心にアップしてみる。
まずは2004年頃の平日夕方に運転されていた63Hをば。この頃の夕方の1000形の優等運用は他にも5C→5Aや時々充当される87Hがあったのだが、夕方の1000形の優等運用、都営線直通の運用と言えば、63Hであった。久里浜を三崎口行の1562SHで出庫すると、快特押上~特急三崎口~快特印旛日本医大~特急三浦海岸という2往復の運用だったのだが、最遠で印旛日本医大まで顔を出し、さらには特急三浦海岸行という終車を含む2本でしか見られない珍列車も担当するものであった。2001年9月のダイヤ改正で日中のSH快特の120km/h運転が開始されると日中の快特から撤退していた1000形であったが、この63Hは運用の広さからも1000形の健在ぶりを見せてくれた運用であった。
2006年12月のダイヤ改正にて63Hは増解結を伴う運用となったため車両が変更された。以後、夕方における1000形8連は、2008年に最後の浅草線直通運用となる81Hで運用されることになる。
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