2012.02.03
このシリーズでは数々の珍列車を取り上げてきたが、今回は50回記念ということで、本当に珍しい列車を取り上げてみよう。

京成3300形 3312編成
2009.6.9/ユーカリが丘〜うすい

京成3300形 3312編成
2010.10.7/四ツ木
- [平日]S73 試運転
- 始発:宗吾参道---- → 終着:宗吾参道----
- ダイヤ:ー
- 備考:不定期列車
S73はいわゆる動揺測定と呼ばれる不定期スジである。概ね2ヶ月に1度運転され、1日をかけて京成本線や千葉・千原線、押上線、金町線1)、東成田線を走破するというものである。動揺測定という名の通り、列車の動揺を測定するための列車で、列車には多数の測定員が同乗している。測定を担当しているのは保線課のようで、オレンジ色の作業服を着たおっちゃんたちが車内で何やら色々している光景が見られる。先頭車両の乗務員室内から放たれる保線マンたちの鋭い眼光は、動揺測定のひとつの見どころと言えよう。
この列車の最大の特徴は、やはり4両編成が使用されるという点にあろう。必ずというわけではないが、2010年ごろまでは3312編成が、その後は3304編成が使用されている。そして、その4両編成が京成全線を闊歩する。現行ダイヤでは4両編成の定期列車の設定のない押上線や京成本線駒井野信号所〜成田空港間に4両編成が入線するという貴重なシーンが見られるわけである。成田空港駅では、ほとんど3050形とアクセス運用対応の京急車しか使用しない成田スカイアクセス線アクセス特急専用の1番線で折返すのも見どころのひとつ。また、現在では見られなくなってしまったが、金町線末端の単線区間に「試」を表示した列車が入っていくのも面白かった。

京成3500形 3596編成
2007.8.1/高砂〜柴又
なお、前述のように現在は金町線が行路から外されている。これは、2010年7月の金町線高砂駅付近の高架化に伴って日中時間帯の金町線の運行が15分間隔での運転となり、営業列車2本が常に柴又で行き違いをするようになったためである。また、同じく2010年7月に成田スカイアクセス線高砂〜成田空港間が開業しているが、こちらは初めから行路に組み込まれていない。
- 1)記事中にも記したように、金町線は2010年まで。
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