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エトセトラ

2012.03.14

震災後の運行状況その7は、京急線における臨時ダイヤを見てみよう。

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京急新1000形 1413編成
2011.9.15/花月園前

▲4連で運転されるエアポート急行

京急電鉄は、11日の震災発生以後終日にわたり全線で運転を中止していたが、翌12日の始発より泉岳寺〜品川間を除いて運転を再開している。その後は東京電力の輪番停電実施に伴う混乱を経て、3月23日より土休日ダイヤをベースとした臨時ダイヤを実施、4月4日より直通各線と合わせる形で平日ダイヤベースの臨時ダイヤとされ、日中の京急川崎〜金沢文庫系統の普通列車や京急ウィング号などが運休とされた(5月9日に普通列車の待避パターンなどを変更)。さらに、7月1日より節電対応の夏季臨時ダイヤとして5月9日からの臨時ダイヤに加えて、日中の京急久里浜〜三崎口間の快特列車の運転本数の削減(20分間隔化)および一部の横浜方面エアポート急行列車の4連化が追加された。

ここでは主に4連での運転となったエアポート急行を見てみよう。京急の6月22日付のプレスリリースにおいては概ね1時間あたり1本の横浜方面直通エアポート急行が4連での運転である旨が公表されていたが、実際には3D、59D、83Dが4連での運転となっており、40分・40分・60分の間隔で4連のエアポート急行が運転された。3D、59D、83Dはその行路全てが4連になったわけではなく、いずれも午前中に8連からの車両交換により4連となっている。3Dは902D、59Dは1058D、83Dは1082Dのいずれも金沢文庫において8連から車両交換を実施、それぞれ4連での運転となった。4連となった3Dは1602Dまで、59Dは1659Dまで走って入庫しそれぞれ運用そのものを終えたが、83Dだけは夕方以降の混雑を考慮して1482DXの金沢文庫で再度8連に車両交換をし、1482DXの運行途中で4連としての83Dを終えている。

車両は4連であれば何でも使用されていたようで、本数の多い新1000形のほか2000形、時折1500形アルミ車、600形の充当が見られた。

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京急1500形 1525編成
2011.8.16/京急鶴見

▲比較的本数の少ない1500形アルミ4連も充当

なお、京急電鉄は9月23日にダイヤ改正を実施している。このダイヤ改正では震災対応の臨時ダイヤの内容を一部盛り込んでおり、言わば臨時ダイヤが正式なダイヤになったことで京急の震災対応ダイヤは終わりとなった。

◆ ◆ ◆

以上、4直各線の東日本大震災後の状況をひと通り見てきたつもりだが、かなり断片的な記録になってしまった感が大きいのは不徳の致すところである。

(完)

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