2014.05.24
3月のある数日間、お隣の国、韓国に行ってきたので、韓国の、特に首都ソウル周辺の交通事情について適当に記しておきたいと思う。
ソウルの空の玄関口、仁川(インチョン)国際空港を降り立った私は、空港鉄道でソウル駅へ向かう。その足で、ソウル駅を小一時間ばかり観察してみた。お目当ては韓国高速鉄道KTXである。

韓国高速鉄道KTX
2014.3.5/서 울

ソウル駅 ホーム
2014.3.5/**
ソウル駅は名実とともにソウルの中心駅である。KTXの開業に合わせたリニューアルで設けられた大きな屋根に包まれたホームは、まるでヨーロッパの駅のよう。ホームの高さが低いのと、改札がないのもそれっぽさを感じさせる。改札は、以前は自動改札機が設置されていたそうなのだが、60億ウォン(約6.2億円)を投じて開発された自国製の自動改札機は故障が頻発、使い物にならないために程なくして撤去されてしまったそうだ。流石である。自動改札がダメなら車内改札をすればいいじゃない(マリー・アントワネット風)ってことで、現在は車内改札を中心とした信用乗車制で運用しているとのこと。いずれにせよ改札が無いのは観察には都合が良い。KTXが発着するホームへと立ち入らせてもらうことにしよう。
韓国の鉄道のフラッグシップは何と言ってもKTXだろう。KTXはフランスTGVの技術を導入して作られたもので、2004年に運行を開始した高速鉄道である。TGVがそうであるように動力集中方式を採用しており、日本の新幹線とは構造が大きく異なっている。軌間は韓国の在来線と同じ1467mm(標準軌)で、郊外ではKTX専用の高速線を走行、都市近郊から在来線に乗入れてそれぞれの都市の中央駅を発着するという、ヨーロッパの高速鉄道と同じ方法を採る。近々、空港鉄道にも乗入れて仁川国際空港まで直通する列車もお目見えするとかで、ここらへんは在来線と同じ軌間であるという利点を最大限に活かしている。
KTXはどうせTGVのパ○もんだろとたかをくくっていたのだが、実物を目の当たりにしてみるとなるほどこれはカッコイイ。角ばった車体から流線型の造形がスーっと線路の方へ向かって流れていく前面の形状、やや中央寄りの位置に設けられたライトケースが作る表情は、もはやTGVそのものという感じである。TGVがカッコイイのだからKTXがカッコイイのは道理であろうか。前面の脇に書かれているKTXのロゴがあって、これはTGVでなくて韓国のKTXだと感じさせられる。

韓国高速鉄道KTX
2014.3.5/서 울
前述のように、KTXはソウル近郊では在来線と線路を共用しており、首都圏電鉄と呼ばれるソウル近郊の通勤電車と同じ線路を走る。首都圏電鉄の車両は日本の通勤型車両が始祖となっているので、言わばフランスのTGVと日本の通勤電車が肩を並べて走るという実に不思議な光景がここソウルでは展開されているのだ。
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