2014.09.14
これまで、「快速」表示の「快特」や、「(飛)快特」表示の「(飛)快速」の話題を取り上げたが、今回は「快速特急」表示の「快特」である。

京成3000形 3026編成
2014.8.19/大森海岸
「快速特急」表示の「快特」・・・いやいや、「快特」は「快速特急」を略したものだし、何ら問題が無いのでは・・・と思われるかもしれないが、京急の快特は1999年7月ダイヤ改正より正式に「快特」としており、"京急電鉄"となってしまった今となっては、「快速特急」は「快特」とは異なる別の何かとしか言えない。ゆえに、「快速特急」表示の「快特」は、大げさかもしれないが、間違った種別を表示して走っているということになってしまっている。
問題となっているのは京成車で、2010年7月ダイヤ改正で京成線内の京急とは逆に「快特」を「快速特急」と改称した1)のがことの始まり。この時に種別幕も「快特」を「快速特急」にしたため、京急線内においても「快特」を「快速特急」で代用せざるを得なくなってしまった。別に何も「快特」を「快速特急」に書き換えずとも単純に「快速特急」を追加すればよいのではと思われるかもしれないが、2010年7月ダイヤ改正における京成車の種別幕は以前の記事で示した通り、その時点でコマは満杯であったため、新規に種別を追加するのは不可能であった2)。

京成3400形 3418編成
2012.9.23/大森海岸
そんな「快速特急」表示の「快特」も、2010年7月時点では早朝の数本のみで、目立たぬ存在のはずだった。ところが、京急蒲田駅における大田区との一件もあり、2011年9月ダイヤ改正で京成車が多く使われる高砂〜羽田空港系統の京急線内エアポート快特が快特に格下げされてしまい、「快速特急」表示の「快特」が大量に走るようになってしまった。加えて、2012年10月ダイヤ改正で日中に北総車の快特が設定されるようになったが、子分であるはずの北総車はきちんと「快特」表示をしており、京成車にとってはますます肩身が狭い思いである。
なお、京成における2013年10月ダイヤ修正で「(飛)快速」幕が使われなくなったので、「快特」幕を入れる余地ができたものの、現在のところ特に動きはない。手間もお金もかかるし・・・といったところだろうか、現在も「快速特急」表示の「快特」は走っている。
- 1)京成線には「快速」も存在しており、発音上の問題で「快特」との混同が指摘されていた。
- 2)LEDの行先表示なら可能かもしれないが、乗務員が行なう種別設定の取扱いを同一にするという観点から、LEDも方向幕の挙動に合わせているものとみられる。
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