2015.06.03
4月8日、成田国際空港において格安航空会社(LCC)専用の第3ターミナルが新しく開業した。これに伴い、同空港への輸送を担う京成電鉄では新ターミナル開業に対する各種案内類への対応を実施している。本稿では、この第3ターミナルへの対応を(大ざっぱに)見てみよう。
駅名に併記されているターミナル名の変更
成田空港直下に位置する空港第2ビル駅と成田空港駅では、利用者に対する案内のため駅名にターミナル名を併記している。今回新しく開業した成田空港第3ターミナルは最寄りが空港第2ビル駅になることから、併記されているターミナル名が変更されることになった。変更前と変更後の駅名・ターミナル名の変更1)は次の通りである。
- 成田空港(第1旅客ターミナル)→成田空港(成田第1ターミナル)
- 空港第2ビル(第2旅客ターミナル)→空港第2ビル(成田第2・第3ターミナル)
駅名標の交換
併記されているターミナル名の変更に伴い、空港第2ビル駅と成田空港駅の駅名標が新しくなった。新しい駅名標は写真の通り。京成線の駅名標は2013年の曳舟駅より新しいデザインのものが採用されているが、今回の空港第2ビル駅と成田空港駅の駅名標はどういうわけか古いデザインがベースとなり、それにもかかわらず新デザイン駅名標に準じたフォント2)を使用するという、新旧デザインを足して2で割ったようなよくわからない仕様になっているのが特徴である。
ターミナル名の併記は駅名標のほかにも駅や車内に掲示してある停車駅案内やLCD案内表示器等にも記載されていることから、これらについても掲示物の交換やROMの更新が実施されている。
ICレコーダーによる多言語案内放送
京成線では成田空港を発着する優等列車においてICレコーダーによる英語での案内放送3)を実施しているが、案内の内容に空港ターミナルに関係するものを含んでいることから、更新が行なわれた。更新は乗務員が携帯するICレコーダーごと行なわれたようで、従来のパナソニック製からオリンパス製の機種が新しく使われるようになっている。この更新に合わせて従来は英語のみの案内だったものに中国語と韓国語が加えられ、多言語による案内の拡充が図られた。
ICレコーダーによる多言語案内放送(ファイル1。成田空港行、船橋→京成津田沼にて)
ICレコーダーによる多言語案内放送(ファイル3。上野行、京成津田沼→船橋にて)
- 1)欧文表記は、成田空港駅はNarita Airport Terminal 1のまま変更なし、空港第2ビル駅はNarita Airport Terminal 2からNarita Airport Terminal 2・3となった。
- 2)和文フォント:イワタUDゴシック、欧文フォント:DIN
- 3)3000形の一部と3050形では車両に搭載されている自動放送を使用している。
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