2015.07.07
というわけで、バンコクの路線バスに乗ってみよう。
バンコクで最初に乗ったのは48番のバスであった。48番は、スクンヴィット通りからBTS2線が交わるサイアム駅を経由して、観光地として定番のワット・ポーへと向かう路線。事前に入手したバス路線図を手がかりにバス停で待つが、いかんせんバス停には何も情報が無いので不安になる一方である。バスがいつ来るんだかも分からん状態なのだが、しばらくすると目的の48番のバスはやってきた。よかった。
バンコクの路線バスだが、基本的に車掌が乗務するいわゆるツーマン運行となっている。車掌は乗客からの運賃収受を主な業務とするほか、運転手に対してバスの円滑な運行をサポートする役割を持っているようだ。そういえば、車掌が乗務するバスに乗るなんて初めての体験かもしれない。
したがって、運賃は車掌に支払うシステムとなっている。つまり、いくら運賃が複雑な体系になっていようが、結局のところ運賃は車掌に支払うので、車掌が言うがままにお金を出しておけば問題ないので安心だ。乗車距離によって運賃の異なるエアコンバスでは、車掌に行先を告げてから運賃を支払う。昨年に訪れた韓国ではIC乗車券という文明の利器に助けてもらったが、ここバンコクでは逆にアナログもアナログな車掌に助けてもらうのだから面白いものである。
乗車した48番のバスはエアコンの付いていないボロバス(褒め言葉)。エアコンが付いていないだけあって、窓という窓を全開にして走っている。暑季にさしかかっている2月のバンコクでエアコンが無いのはちょっとキツいかなと思いきや、走り始めれば車内を風が通り抜けて、それがとても心地よい。まさしくバンコクという異国の都市の空気を味わっている感じがこの上ない。
そして何より驚いたのが、この車両、フロントエンジンなのである。バンコクのバスには最前部に扉がなく、中途半端な位置に扉が設けられているのはなぜだろうと疑問に思っていたが、それはエンジンが最前部に積まれているからであった。いわゆるキャブオーバーというやつで、運転席の横にエンジンの出っ張りがあるがゆえ、最前部に扉が設けられないわけだ。そんな日本じゃ骨董品のようなバスが、バンコクではゴロゴロ走ってるんだからすごい。バスはエンジンをガーガー言わせながら走って行く。
さて、バスに乗ったら目的の場所で降りなければならないが、これがまた大変である。なんせ、バンコクではバス停ひとつひとつに名前が付いていない(もしかしたらあるのかもしれないけど,バス停にバス停名称の掲示がない)ようで、したがって車内の放送による次のバス停の案内もない。つまり、自分で周りの景色を見て判断して、それっぽいところで降りなければならないわけだ。
不安であれば、あらかじめ車掌に行先を伝えておくのが良いだろう。行先によって運賃の異なるエアコンバスでは行先を伝えるのはもちろんだが、そうでなくても行先を伝えておけばいざという時になんとかなるはず・・・である。そしてこれは強調しておかねばならないが、車掌がすごく親切! もっとも車掌だけでなくタイ人全般が親切なのだが(もちろんあやしいのもいるけど)、我々をバスに不慣れな観光客と見るや色々と気を使っていただいて、親切にもここで降りろだとか○○はあっちの方だだとか、バスの車掌には(&乗客にも)何度も助けてもらった。
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