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エトセトラ

2016.04.10

2月の上旬にポルトガルに行ってきましたよっ。周遊ってほどではないけれど、ポルトガルの首都リスボンから入ってポルト→コインブラ→リスボン→シントラ(ロカ岬)→リスボンという具合にポルトガル国内をうろうろ、例によっていろいろなものを見てきたので、備忘録を兼ねてあれこれ記しておきたいと思う。

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ポルトガル鉄道 Alfa Pendular
2016.2.10/Santa Apolónia

▲ポルトガル鉄道の特急列車Alfa Pendular

ポルトガルへは首都リスボンのポルテラ空港から入国。リスボンの観光もそこそこにさっそくポルトへGOってわけで、鉄道でポルトへ向かうこととなった。ポルトはポルトガル北部に位置するポルトガル第2の都市ということもあって、首都リスボンとポルトとを結ぶ鉄路はポルトガル鉄道網の中でも1番の大動脈。ポルトガル鉄道で最上位種別となる高速特急列車Alfa Pendular(アルファ・ペンドゥラール)が1〜2時間おき、特急列車Intercidades(インテル・シダーデス)が2時間おきに走っている。今回はポルトまで乗り通すということで速いほうのAlfa Pendularをチョイス、1等車に乗ってきた。

Alfa Pendularは、その列車名がが示すようにイタリアのFIAT社1)が開発した特急型車両Pendolino(ペンドリーノ)を使用した特急列車である。車体傾斜機構を持つPendolinoは、その機構により特に在来線でのスピードアップを可能としているのが特徴で、高速新線の建設を伴わずにスピードアップを実現できることから、ヨーロッパ各国で採用されている車両である。要するにAlfa PendularはPendolinoのポルトガル鉄道向け広軌バージョン2)といったところだろうか。Pendolinoは高速性能に優れており、ポルトガル鉄道のAlfa Pendularは最高速度220km/hで駆け抜ける。車両のデザインはイタリアの工業デザイナーの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによるもの。Alfa Pendularの車体にはGiugiaroの文字を見ることができるが、国を代表する鉄道車両に名前を入れられるジウジアーロってやっぱすげえ。

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ポルトガル鉄道 Alfa Pendular
2016.2.10/Santa Apolónia

▲Giugiaroの名前が入った車体
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Alfa Pendular 車内(Conforte Classe)
2016.2.10/**

▲1等車(Conforte Classe)の車内

編成は6両で、リスボン方2両が1等車(Conforte Classe)、ポルト方4両が2等車(Turistica Classe)となっている。座席は集団見合式で、1等車が2+1の3列、2等車が2+2の4列という構成。方向が転換できない座席はいかにもヨーロッパらしい残念仕様なのだが、座席は概ね進行方向を向いているものから埋まっていくようだった。Alfa Pendularは1等車も2等車も全席指定なので、確実に進行方向を向いて座りたいならばチケットは早めに購入したほうがよさそう。

かくいう我々は早々にネットからチケットを手配、乗車したのが朝早い列車ということもあってそこそこの混雑であったのでこれは正解であった。チケットはポルトガル鉄道の公式Webサイトから直接購入することが可能となっている。購入が確定したチケットはPDFファイルにて発行されるので、それをプリントして持っていけばOKという仕組み。感覚的には飛行機のチケットを取るのに近いかもしれない。ポルトガル鉄道はしばしばバーゲン価格のチケットを列車限定&座席数限定で販売しているらしく、今回のAlfa Pendularの1等車乗車は通常料金44ユーロのところ、半額に近い25.5ユーロで購入することができた。ラッキーである。

最高速度220km/hの高速列車ということだが、実際に220km/hのトップスピードで走れる区間はかなり限られていた印象。もともとカーブの多い在来線を走るということもあって(だからこそ車体傾斜機構を持つPendolinoなのだが)、160〜180km/hで巡航している方が長かったように思う。乗り心地も、高速列車と言えども所詮は在来線を改良して走らせているだけなので、お世辞にも良いとは言えない。それでも、踏切や何の変哲もない相対式ホームの駅を高速で通過するのは日本ではなかなかあり得ないことなので新鮮であった。ポルトガルでできるんだから、日本の京成スカイライナーだって高砂から160km/h運転したっていいじゃん〜と思ったが、通過駅の利用者数の違いを考えるとそうもいかんか。

乗車したのがリスボン7時ちょうど発というわりと朝早い列車だったので、せっかくの1等車だしここは1等車でしか受けられないケータリングサービス3)で優雅な朝食にしてやろうといかにも貧乏人の発想で息巻いていた。・・・のだが、朝の特急ってのはビジネスでの利用が多いというのはポルトガルでも変わりなく、まわりの乗客が新聞を読んだりパソコンで作業している中、呑気にご飯を食べているのは我々だけ。我々だけ明らかにテンションが違う。ただでさえわけのわからんアジア人ってことで周りから浮いてるのに、こうなってしまってはもはや奇異な目で見られていたに違いない・・・。

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Alfa Pendular 朝食のケータリングサービス
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▲朝食のケータリングサービス、うまうま
  • 1)現在はAlstomが製造・販売を行なっている。
  • 2)歴史的経緯によりポルトガル鉄道ではスペイン鉄道(Renfe)とともに軌間1668mmの広軌が採用されている。
  • 3)予約が必要で、朝食5ユーロ、ランチ12ユーロ。メニューは乗車日により異なる。

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