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エトセトラ

2016.08.02

ポルトガルの中部の都市、コインブラをブラブラ・・・(ぉ

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SMTUC 55号車
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▲コインブラの街を走るトロリーバス

ポルトガルの中部に位置する都市、コインブラ。丘の上にあるコインブラ大学を中心に発展し、ポルトガル中央部を代表する都市である。コインブラ大学は1290年に設立されたというヨーロッパでは有数の古い歴史を持つ大学で、その建築群は世界遺産にも登録されているほどのもの。それにしてもリスボンといいポルトといい、丘の上に都市を築いてしまうのがポルトガル人の性なんだろうか。ジブリ映画『魔女の宅急便』で描かれたような坂の多い街は傍から見るとすごく魅力的に映るが、実際に歩いてみたりするとすごくキツいぞこれ・・・。こういうところで生活するのは大変なんじゃないかと思う。

さて、そんなコインブラの街をふらふらしているとトロリーバスに遭遇。トロリーバスっていうと何となく東欧の乗り物っていうイメージがあったので少し驚いたのだが、後ほど調べてみると西欧のほうでもフツーに走っているみたいなので、これは私の勝手な思い込みだったようだ。トロリーバスは現在2路線(4番、103番)ほど営業運転を行なっており、一般の路線バスに紛れるようにして走っている。

コインブラ市内のバス事業はトロリーバスを含めてSMTUCという市営の事業体によって運営されている。市内にはかつては路面電車も走っていたそうで、トロリーバスは1940年代に路面電車の置換えとして走り始めたものとのこと。そのトロリーバスも路線縮小がなされていく中で、たまたま現在まで生き残ったのが4番と103番の路線ということらしい。

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SMTUC 53号車
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▲Caetanoというポルトガルのメーカーの車両が使われるコインブラのトロリーバス。車両は一般の路線バスと比べてちょっと小ぶりなサイズ

トロリーバスの2路線はいずれの路線もコインブラ駅を発着している。103番の方は駅から丘の上の大学正門前まで連れて行ってくれるので、コインブラを観光するにはちょうどいい路線となっている。トロリーバスは日本じゃめったに乗れないので、こういうところでそういうチャンスに巡りあうのは嬉しいところだ。実際に乗ってみたが、旧市街の狭隘な道路に入って行ったり16世紀に建造された水道橋の下を通ったりして、けっこう面白かった。

車両はCaetanoというポルトガルのメーカーのものが使われている。1984年または1986年製ということで見た目も少し古臭いのだが、まだまだ現役である。1台だけポーランドSolaris製の新型車両が走っているそうだが、残念ながら見かけることができなかった。

◆ ◆ ◆

このほか、一般の路線バスも合わせて掲載しておこう。ポルトガル中央部の主要都市ではあるものの、バスのラインナップは首都リスボンや第2の都市ポルトと比較すると少し古め。少し小さな街に行くと古いバス率が高くなるのは、日本の状況とあまりかわらずという印象である。

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SMTUC 211号車
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▲ちょっと古めのVOLVO製バス。ボディはどこかのコーチビルダーのものと思われるが詳細わからず
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SMTUC 214号車
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▲同じVOLVO製でもこちらはバリアフリー対応のノンステップ車両
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SMTUC 258号車
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▲Mercedes Benz製のCitaroも走る

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