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2016.09.09

山梨方面に用事があったついでに南アルプス市を走る元東洋バスの様子を見てきたので、そのレポートをば。

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山梨交通 C822号車
2016.8.20/南アルプス市沢登

▲南アルプス市のコミュニティバスとして使用される山梨交通C822号車。ラッピングのおかげで見た目はだいぶ変わったが、特に車内は東洋バス時代の面影を強く残している
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山梨交通 C822号車
2016.8.20/南アルプス市沢登

▲うしろ側

山梨交通C822号車は、1998年式の日産ディーゼルKC-RN210CSN(富士重工8Eボディ)である。もとは東洋バスに在籍していた小型車両で、2015年10月より運行を開始した南アルプス市コミュニティバス"南ぷすバス"の専用車として山梨交通に導入された。コミュニティバス専用車ということで、外観にはかつてこの地を走っていたという山梨交通の電車(地元では"ボロ電"と呼ばれているそう)を模したラッピングがなされている。

ラッピングのおかげで見た目こそだいぶ変化があるものの、車内に目を向けてみると運賃箱等の電装品が一部交換されているだけで、全体としてはほぼ東洋バス時代のままという印象。東洋バスでは同型の車両が全部で3台在籍していた1)が、C822号車はその3台のうちの習志野22を3198だった車両とのこと。東洋バス在籍時は八千代市公共施設循環バス2)として使用されていたもので、奇しくも再び自治体のコミュニティバスとして走ることとなった。

山梨交通では南アルプス市コミュニティバス専用車としてこのC822号車のほかにC789号車(元京王バス、日デKC-RN210CSN、富士8Eの特注マスク)、C824号車(元国際興業バス、いすゞKK-LR233E1)の2台が在籍しており、バラエティに富んだ布陣でコミュニティバスの全3コースを担当している。各コースには「南ぷすバス北岳らいちょうライン」、「南ぷすバスさくらんぼライン」、「南ぷすバスすももライン」という地域の特色が反映された愛称が付けられているが、3台の専用車のラッピングの中にそれぞれの車両が担当するコース名が入れられているので、各車両がそれぞれのコースの専属で運用されているようだ。C789号車が「すももライン」、C822号車が「さくらんぼライン」、C824号車が「北岳らいちょうライン」の担当となっており、そのおかげで今回のC822号車も難なく再会することができた。

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東洋バス 3198号車
2015.6.30/八千代台市萱田町

▲東洋バス在籍時の姿。1998年から2014年まで八千代市施設循環バス→八千代市コミュニティバス試行運行の後、末期は同市内小学校のスクールバスとして使用された

(注)上2枚の写真については許可を得て撮影

  • 1)現在は全車両除籍済。
  • 2)2012年9月より八千代市コミュニティバス試行運行。

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