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2016.09.13

西武バスが幕張の街を走る。

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京成バス A2-875号車
2016.9.4/海浜幕張駅

▲京成バスとして走る西武バス立川営業所のA2-875号車

千葉ロッテマリーンズのお膝元である幕張を走る京成バスと、グループ企業に埼玉西武ライオンズを擁する西武バスでは、プロ野球リーグの「埼玉vs.千葉シリーズ」開催時において、所属している球団ラッピングバスを互いに貸出し、それぞれ敵地球場へのシャトルバスで走らせるというユニークな企画を行なっている。同シリーズが始まった2013年より行なわれているもので、4年目となった今年も西武ライオンズのラッピングをまとった西武バスの車両1台が幕張にやってきた。西武バス立川営業所所属のA2-875号車(2012年式、三菱ふそうQKG-MP35FM)である。

前述のように西武バスが京成バスに車両を貸出する格好となっており、運行は京成バスが行なっている1)。このため、登録の変更(ナンバープレートを西武バス立川(営)の多摩ナンバーから京成バス習志野(出)の習志野ナンバーに)、車体に記されている社名を京成バスに書き換え、行先表示にQVCマリンフィールド直通バス関連のものを追加、運賃箱の交換などが実施され、見た目は西武バスながら貸出運行中は完全に京成バスとして走る。細かいところでは回送の表示も京成バス独特の「回送車/SORRY, OUT OF SERVICE」となっており2)、これには思わずニヤリとしてしまうところだ。

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京成バス A2-875号車
2016.9.4/海浜幕張駅

▲QVCマリンフィールド行の直通バスとして出動!

今回京成バスにやってきたA2-875号車だが、この企画の始まった2013年を除く2014年から3年連続でやってきており、幕張の街を走るのもずいぶんと慣れた様子。ただし、西武バスでは行先表示のフルカラーLED化が進捗しており、このA2-875号車もこの1年のあいだに通常のオレンジ色LEDからフルカラーLEDとなった。他方、京成バスは行先表示における英語表記の見直しや車内アナウンスへの英語放送追加、バス停の多言語表示化など先進的な取組みは行なっているものの、フルカラーLEDの導入に対しては今のところ消極的なようで、その結果このA2-875号車が京成バスで初めてのフルカラーLED搭載車3)となってしまった。・・・それは半分冗談だとしても、はたして京成バスに真のフルカラーLEDがやってくるのはいつになるだろうか・・・。

  • 1)2014年、2015年は京成バス子会社のちばシティバスに貸出、同社が運行を担当した。
  • 2)ちなみに西武バスでの回送表示は「回送/Not In Service」である。
  • 3)京成バスグループとしては京成トランジットバスでフルカラーLEDの導入例がある。

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