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2016.11.03

北総9200形、登場から早くも3年半が経過。

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北総9200形 9201編成
2016.11.1/佐倉〜大佐倉

▲京成線内で試運転を行なう9201編成
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北総9200形 9201編成
2016.11.2/実 籾

▲ダイヤ乱れの影響で通常とは異なるスジで印旛車両基地へ回送される9201編成

11月1日、宗吾工場に入場していた北総9200形9201編成が同所を出場し、試運転を行なった。登場から早3年半、9200形にとっては初めての重要部検査である。なお、京成電鉄では2014年度より重要部検査において、3700形の一部と3000形を対象に新重検と呼ばれる通常の重検よりも検査工程を簡略化した検査1)を実施しているが、3000形と同型である9200形は通常の重検出場となった。北総鉄道が管理する車両については、今のところ新重検の対象外ということのようである。

9201編成は翌2日に北総車の所定の臨時回送で印旛車両基地へ戻ることになっていたが、ダイヤ乱れの影響で宗吾車両基地に足止め。当日夜間に21S90→2291Nという臨時回送が突発のような形で設定され、印旛車両基地に戻った。

◆ ◆ ◆

さて、9201編成が初めての重要部検査ということは、9000形9018編成の検査期限が迫ってきているということでもある2)。9000形の今後については、北総鉄道が9月に発行した2016年度版の安全報告書に興味深い記載が見られる。それによれば、全編成への設置を進めている転落防止用の外幌について、現段階で12編成中11編成への設置が完了しており、残りは2017年度に対応予定とのこと。9000形に対する直接的な言及ではないものの、転落防止用の外幌が設置されていないのは9018編成だけなので、ここから9000形に対する処遇が読み取れそうである。

もちろん単純に9018編成に転落防止用の外幌を設置するという可能性もあるが、既に9008編成が廃車になっていることや、外幌を設置するのならもっと早い段階で取り付けているだろうということ、さらに前述のように検査期限が迫ってきていることを踏まえれば、9018編成を廃車にすると考えたほうが順当であろう。9000形は今年度末での引退が見込まれる。そして代替となる車両だが、当の千葉ニュータウン鉄道(北総鉄道も)が事業計画を発表するような事業者ではないので何とも不透明なのだが、9200形の第2編成がいよいよ登場するのか、それとも・・・?

  • 1)JR東日本の事例だと、209系以降の車両における新保全体系下で実施される検査に相当する。
  • 2)9018編成は2013年5月に重要部検査を実施している。したがって、走行距離の規定に引っかからなければ2017年5月に検査期限を迎えることになる。

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