2016.12.01
ここからはポルトガルの首都リスボンの公共交通について取り上げていこうと思う。
リスボン地下鉄の車両
2016.02.13/Oriente
まずは地下鉄をば。リスボン地下鉄は2016年現在、4つの路線を運行している。以前の記事でご紹介したポルトメトロはどちらかというとLRTに近い乗りものであったが、こちらはちゃんとした(?)地下鉄である。その開業は1959年で、他の都市に比べるとちょいと遅めという印象。だが、各駅は大きく余裕のある作りとなっており、特に駅の空間をパブリックなものと位置づけてアートを積極的に取り入れているのが特徴で、ともすれば似たような空間の連続となってしまいがちな地下鉄の駅に華やかさを持たせている。後発の地下鉄である強みを活かしている格好だ。リスボン地下鉄の駅はどの駅も個性的なものに仕上がっており、それを見て回るだけでも楽しい。
リスボン地下鉄空港駅 ホーム
2016.02.08/**
リスボン地下鉄レスタウラドーレス広場駅 ホーム
2016.02.09/**
リスボン地下鉄オリエンテ駅 ホーム
2016.02.13/**
リスボン地下鉄 路線図
2016.02.09/**
リスボン地下鉄の4つの路線は、青線、黄線、緑線、赤線という名称で、それがそのまま路線図上のラインカラーになっている。それに加えて各線には愛称が設定されており、青線はかもめ線(Linha de Gaivota)、黄線はひまわり線(Linha de Girassol)、緑線はキャラベル船線(Linha de Caravela)、赤線はオリエンテ線(Linha de Oriente)というふうになっている。なんてシャレオツ! さらに面白いのが、各線には愛称に基づいたロゴマークもそれぞれに作られている点で、それらは路線図や案内サインで実際に使用されている。1つ1つの路線がロゴマークを持つ地下鉄なんてあまり見かけないない気がするが、他にはあるのだろうか。
車両は4種類ほど走っているようだが、見た目は全部同じ。ラインカラーにかかわらず、前面が赤色、扉が青色のステンレス車両である。3両編成が1つのユニットになっており、乗客の少ない早朝と深夜は3両編成、ラッシュ時間帯と日中はユニットを2つ繋げた6両編成で運行される。1日の中でユニットをいちいち連結したり切り離したりするのは面倒臭いはずなのだが、そこらへんはやけに合理的である。ちなみに6両編成の列車でも3両編成の列車でも駅における列車の停車位置は一律に一番前と定まっているようで、早朝と深夜の3両編成では列車に向かって駆け込んでいく人たちをよく見る。さすがにそれは停車位置を変えるとか何とかしたほうがいいんじゃないかい・・・。
運賃は1回の乗車でどこまで乗っても1.4ユーロという謎のどんぶり勘定。逆に1駅の移動でも1.4ユーロということを意味するが、ヨーロッパの物価を考えるとこれは破格の安さと言えるだろう。IC乗車券「Viva Viagem」ならば1回乗車あたり0.15ユーロが割り引かれて1.25ユーロになる。1日乗車券(24時間パス)は6ユーロで、これは地下鉄だけでなく路面電車やバス、ケーブルカーでも使えるのでかなりお得だと思う。1日乗車券は「Viva Viagem」に情報を入れる格好となるが、前回の記事でご紹介したように「Viva Viagem」がなかなかポンコツなIC乗車券なので、券売機から弾かれたとしても冷静な対処が求められる(ぉ
リスボン地下鉄 自動券売機
2016.02.08/Aeroporto
関連記事
ポルトガル周遊の記 12 - リスボン市バスあれこれ
リスボンの公共交通あれこれ、地下鉄に続いては市バスを取り上げよう。リスボンの市バスはCarrisという公営企業体によって運営されている。車体は同じくCarrisによって運営されている路面電車と...
ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス
シントラからヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ向かう。シントラからロカ岬へは路線バスを利用する。以前の記事でも記したように、ロカ岬へ向かう路線バスがシントラ〜ロカ岬〜カスカイスというふうに走っている...
ポルトガル周遊の記 9 - リスボン首都圏の近郊列車に乗る
ってなわけで、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬にレッツラゴ〜〜(死語) 前回の記事でご紹介したように、ロカ岬への行き方は2通り。ロカ岬へ向かう路線バスの都合上、シントラを経由するかカスカイスを...
ポルトガル周遊の記 8 - リスボン首都圏の近郊列車
せっかくポルトガルまで来たのだから、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬にレッツラゴ〜〜(死語) ってなわけで、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ。ヨーロッパ大陸最西端っていうと果てしなく壮大なイメージだが...
ポルトガル周遊の記 7 - リスボン=オリエンテ駅
ポルトからコインブラと回って、いったんリスボンへ帰還。以前の記事でポルト=サン・ベント駅を取り上げたが、今回はリスボンを代表してリスボン=オリエンテ駅を紹介しよう。オリエンテ駅は比較的新しい駅で...
最新記事
2025.11.12
東洋バス 起終点の風景 4 - 阿宗橋
東洋バスの起終点を訪ねる。その4は、「阿宗橋」。八千代市の北東端に位置する「阿宗橋」。勝田台駅北口を発着する阿宗橋線[67]と[68]の起終点である。現在、県道の脇につくられた小さな折返し場に...
2025.11.06
京急本線 子安駅の1番線が消えた件
子安駅の1番線が消えた件について。子安駅は横浜市にある京急本線の駅である。京急線の運行上の拠点のひとつである神奈川新町の隣の、普通列車しか停まらない小駅というイメージだが、実際に1日の乗降者数は...
2025.10.31
京成3500形・3600形 ワンマン運転用の方向幕に小変化
京成3500形と3600形のワンマン運転用の方向幕に小変化。京成金町線と千原線、東成田線、芝山鉄道線で実施しているワンマン運転は、2022年11年ダイヤ改正での実施開始よりまもなく3年を迎えよう...
2025.10.25
京成松戸線 新京成線からのビフォー・アフター 駅施設編
京成松戸線、新京成線からのビフォー・アフター。駅施設編。京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併し、新京成線が京成松戸線として改めて開業してから早くも半年を迎えた。新京成線が京成松戸線となったことで生じた...
2025.10.19
京成松戸線 新京成線からのビフォー・アフター 車両編
京成松戸線、新京成線からのビフォー・アフター。車両編。京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併し、新京成線が京成松戸線として改めて開業してから早くも半年を迎えた。新京成線が京成松戸線となったことで生じた...
- 京成
- タグはありません









