2016.12.28
リスボンの公共交通あれこれ、地下鉄に続いては市バスを取り上げよう。
リスボンの市バスはCarrisという公営企業体によって運営されている。車体は同じくCarrisによって運営されている路面電車と同じ黄色いカラーリングで、市内の至るところで見かけることができる。路線は市内を網羅しており、2016年2月現在で約80もの路線があるそう。歴史のあるリスボン市内には狭隘な道路がところどころに存在するが、そんな場所にも小型車両を用いて路線を走らせており、かゆいところに手の届く頼もしい存在。リスボンのだいたいの観光地は地下鉄と路面電車で行くことができるが、バスを使うことでショートカットできたりするので、やはり使いこなせば便利な存在である。
運賃は均一料金で、1回の乗車で1.80ユーロである。IC乗車券だと1.40ユーロになる。バスの車体に掲示がある通り前乗り中降りで、運賃は乗車時に支払う。乗り方は東京23区内のバスとほぼほぼ同じ。
さて、リスボン市バスを観察していると、前面の窓に赤や青などの色の付いた円盤を掲出していることに気づく。気になって調べてみると、リスボン市バスではエリアごとに独自のエリアカラーを定めており、市内中心部からその方面へ向かうバスにエリアカラーを掲出させているとのことである。つまり、バスの前面に掲出されている円盤の色を見れば、そのバスが概ねどの方面に向かうかということが分かるようになっているということ。なかなか面白い試みである。そういや、これと同じような取り組みをどこかで見たな、、、と思ったら西鉄バスである。西鉄バスでも、福岡地区と北九州地区において方面別に色を設定し、行先LEDの脇に表示させている。まさかこんな日本から遠く離れたヨーロッパの地で、西鉄バスと同じことをしているバス事業者があったとは。バスの路線をわかりやすく案内するにはどうしたらいいかというのは万国共通の悩みのようだ。最近ではフルカラーLEDの導入で系統番号そのものをエリアカラーで表示させているようで、よりスマートなやり方に進化している。
車両はMAN、Mercedes Benz、Volvo製のものを確認できたが、他にもあるかもしれない。ボディは純正のものも走るが、ポルトガル国内のボディビルダーで製造された車両も多数走る。MANのLion's cityという車両があるが、これと全く見た目は同じながらCaetanoというメーカーのCity Goldというブランドの車両だったりするのが謎。このほか、Marcopoloというブラジルのメーカーの車両が走るのも特徴のひとつであろう。ブラジルと同じくポルトガル語圏のポルトガルならではと言えそう。
- ツイート
- #
- 海外のバス
- 海外
関連記事
ポルトガル周遊の記 13 - リスボンのケーブルカー ビッカ線
リスボンを走るケーブルカー、ビッカ線に乗る。ケーブルカーというと山の中を走っていて、山麓から山の中のある程度のところまで運んでくれる楽ちんな乗りものという印象があるが、リスボンのケーブルカーは...
ポルトガル周遊の記 11 - アートな世界のリスボン地下鉄
ここからはポルトガルの首都リスボンの公共交通について取り上げていこうと思う。まずは地下鉄をば。リスボン地下鉄は2016年現在、4つの路線を運行している。以前の記事でご紹介したポルトメトロは...
ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス
シントラからヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ向かう。シントラからロカ岬へは路線バスを利用する。以前の記事でも記したように、ロカ岬へ向かう路線バスがシントラ〜ロカ岬〜カスカイスというふうに走っている...
ポルトガル周遊の記 9 - リスボン首都圏の近郊列車に乗る
ってなわけで、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬にレッツラゴ〜〜(死語) 前回の記事でご紹介したように、ロカ岬への行き方は2通り。ロカ岬へ向かう路線バスの都合上、シントラを経由するかカスカイスを...
ポルトガル周遊の記 8 - リスボン首都圏の近郊列車
せっかくポルトガルまで来たのだから、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬にレッツラゴ〜〜(死語) ってなわけで、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ。ヨーロッパ大陸最西端っていうと果てしなく壮大なイメージだが...
最新記事
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正
新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...
京成3700形 機器更新車が登場
京成3700形に機器更新車が登場。デビューから今年で33年を迎える京成3700形。ここ最近は、車体改修工事の実施や脱線事故とそれに伴う廃車、北総鉄道へのリース・返却など何かと話題に事欠かない車両...
四直珍列車研究 132 - 平日 2300
押上線の6両編成、しれっと復活してしれっと消える。平日2300レは、かつて運転されていた普通押上行である。2022年2月ダイヤ改正で設定された、押上線を走る唯一の6両編成の列車であった。押上線の...
国鉄型車両を訪ねて 26 - JR東日本201系 通勤快速成東・勝浦行
さようなら、「なるかつ」。「へー、京葉線なのに勝浦まで行くヤツがあるんだ。」ある時に時刻表の京葉線のページを眺めていて「発見」した勝浦という文字は、私の中で驚きとともにやけに魅力的に映った...
北総線 タブレット端末を活用した自動放送を導入
北総線で自動放送始まる。北総鉄道では、2月16日より列車内における自動放送の使用を開始した。対象となるのは、他社局線からの直通車両を含む北総線の全ての列車となっている。京成線と京急線で実施して...