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エトセトラ

2017.01.29

まだまだ頑張る京急2000形。

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京急2000形 2051編成
2016.6.18/生 麦

▲エアポート急行として走る京急2000形
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京急2000形 2061編成
2011.9.24/糀 谷

▲横浜方面のエアポート急行は京急蒲田で進行方向が変わるのが特徴となっている。そのような列車を10分に1本も走らせるあたりが京急らしさの1つ

​早いもので、京急2000形に3ドア、ロングシートの車両が現れてからもうすぐ20年が経とうとしている。2000形の登場が1982〜87年、3ドア化+ロングシート化改造が1998〜2000年のことなので、改造後の姿の方が長いという車両も増えてきた。後継の2100形にその役目を譲り、京急のフラッグシップトレインから縁の下の力持ち的存在への転向であったが、2000形にとってこの格下げ改造はいささか不運だったようにも思える。

特に8両編成である。京急において8両編成の3ドア車両というのは都営線への直通運用が中心であり、2000形のように都営線に直通できないことはおのずと活躍の幅を狭めざるを得ない。特に2002年10月ダイヤ改正で日中時間帯のA快特が泉岳寺発着になると、泉岳寺に入線できない2000形は日中時間帯に入れる運用がないという異常とも言える事態が生じていた。もっとも2ドア時代に京急線内を走りまくった2000形にとってはそれくらいがちょうどいいとも言えなくはないが、やはり日の当たる時間帯に車庫で並んでいる姿はなんとなく残念なものがあった。

​そんな2000形の事態が好転するのは2010年のこと。2010年5月ダイヤ改正で羽田空港〜新逗子間に横浜方面のエアポート急行が新設され、これが京急線内で完結する運用であることから日中時間帯を走る2000形が再び見られるようになった。エアポート急行は2012年10月ダイヤ改正で増発され、現在は日によって異なるものの概ね2〜3編成の2000形が他の車両に混ざってエアポート急行として走る。2000形については元特急車ということで今でも特急や快特として走る姿の人気が根強いように思われるが、3ドアだし・・・側面の白帯は細いし・・・ってなことを考えると、エアポート急行あたりが第一線を退いた2000形にとっては最も似合ってるポジションなんじゃないかなと思う。そんなこともあって私としてはエアポート急行として走る2000形がお気に入り。エアポート急行が日中時間帯に走れなかった2000形のために設けられた種別なんじゃないかとすら思ってしまうのである。

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京急2000形 2011編成&2051編成
2015.2.8/京急川崎

▲リバイバルカラーになっている2011編成ももちろん混ざって走る

​さて、2000形については既報のとおり昨年10月に4両編成が全廃、8両編成にも既に廃車が発生している。今年度は新1000形26両の新造が予定され、これに8両編成が2本含まれていることから、ますます2000形の淘汰が進むことが予想される。一方、2051編成と2061編成が昨年の春ごろに相次いで検査を通っており、リバイバルカラーとなっている2011編成も当初の運行予定を大幅に超えた上に現在検査入場中(しかもリバイバルカラーのまま出場予定)ということで、明るい話題も出てきている。2000形にとっては明暗が分かれる格好だが、もうしばらくは頑張る姿が見られそうだ。

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