KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2017.01.19

リスボンを走るケーブルカー、ビッカ線に乗る。

X59491.jpg

リスボン ビッカ線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲小ぶりな車体が特徴のビッカ線のケーブルカー

ケーブルカーというと山の中を走っていて、山麓から山の中のある程度のところまで運んでくれる楽ちんな乗りものという印象があるが、リスボンのケーブルカーは市街地の中を走る。"7つの丘の都"と言われるほどとにかく坂の多いリスボンでは、市街地の中をビッカ線、グロリア線、ラヴラ線という3つのケーブルカーが営業を行なっており、それぞれが観光スポットとなっている。その中でも観光客に特に人気なのが、サンパウロ通りとコンブロ通りの高低差280mを約250mほどの距離で登るビッカ線のケーブルカー。かわいらしい小ぶりな車体のケーブルカーが狭い路地の中をトコトコと走っていく様子は、裏路地のケーブルカーといったところ。乗車時間は3分くらいだが、坂が急な狭い路地を走るビッカ線はリスボンをぎゅっと詰め込んだかのような乗りものである。

ケーブルカーは2台の車両が互いに行ったり来たりしている。このケーブルカーが面白いのは言わば路面ケーブルカーとなっている点。ケーブルカーというくせに、ケーブルが見当たらないことにお気づきだろうか。通常のケーブルカーでは、2本のレールの間に車体を引っ張るケーブルが露出していることが多いが、リスボンのケーブルカーは地面の下にケーブルを通している。レールの間には溝が掘ってあり、そこで車体とケーブルとが繋がっているというわけである。したがって、ケーブルカーが走るところはフツーの道路にもなっており、ケーブルカーの線路上を歩くことだって可能。急な坂道を楽するためにケーブルカーがあるのに、ケーブルカーの写真を撮るために気づいたら急な坂道を何往復もしているのだからわけがわからない。

X59471.jpg

リスボン ビッカ線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲上の駅は絶好の撮影ポイント。奥にはテージョ川も見える。これがリスボンを代表する風景のひとつ・・・らしい
X59475.jpg

リスボン ビッカ線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲ケーブルカーの車内。車体はほとんど木製のようで、車内は木のいい匂いがしている。車内は馬車鉄道のような構成で、ボックスシート1つに対して乗降扉が1つ設けられているスタイル
X59512.jpg

リスボン ビッカ線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲パンタグラフも小さくて可愛らしいものが屋根上に載る。架線との接触部分には一般的なスリ板ではなくホイールが使われている

運賃は車両にも掲示されているとおり1回の乗車で3.60ユーロ。3分ちょっとの乗車時間のわりにちょいと高い気がしないでもないが、Viva Viagemの1日乗車券(24時間券)の適用範囲内なのでやはり1日乗車券で乗るのがお得だと思う。以前の記事でもご紹介したように1日乗車券は6ユーロなので、ケーブルカーであれば2回乗るだけで元が取れてしまう。ダイヤは特に設定されていないようで、人が集まり次第発車するというずいぶんとお気楽な方式。これではいつ発車してくれるのか不安になってしまうが、ケーブルカーそのものが見どころのひとつになっているだけあって絶えず人が乗ってくるので、結果的に大して待たずとも乗車が可能になっている。

X59508.jpg

リスボン ビッカ線のケーブルカー
2016.2.9/**

▲線路の構造も興味深い。2本のレールどうしが交わるようで交わらない"ガントレット"というもの。レールとレールの間に溝が掘ってあり、その下に動力たるケーブルが張ってある

関連記事

ポルトガル周遊の記 14 - リスボンのケーブルカー グロリア線

リスボンを走るケーブルカー、ビッカ線に続いてグロリア線をば。リスボンの中心に位置するレスタウラドーレス広場の脇から、丘の上のバイロ・アルト地区へとあがっていくのがグロリア線のケーブルカーである...

ポルトガル周遊の記 14 - リスボンのケーブルカー グロリア線
ポルトガル周遊の記 12 - リスボン市バスあれこれ

リスボンの公共交通あれこれ、地下鉄に続いては市バスを取り上げよう。リスボンの市バスはCarrisという公営企業体によって運営されている。車体は同じくCarrisによって運営されている路面電車と...

ポルトガル周遊の記 12 - リスボン市バスあれこれ
ポルトガル周遊の記 11 - アートな世界のリスボン地下鉄

ここからはポルトガルの首都リスボンの公共交通について取り上げていこうと思う。まずは地下鉄をば。リスボン地下鉄は2016年現在、4つの路線を運行している。以前の記事でご紹介したポルトメトロは...

ポルトガル周遊の記 11 - アートな世界のリスボン地下鉄
ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス

シントラからヨーロッパ大陸最西端のロカ岬へ向かう。シントラからロカ岬へは路線バスを利用する。以前の記事でも記したように、ロカ岬へ向かう路線バスがシントラ〜ロカ岬〜カスカイスというふうに走っている...

ポルトガル周遊の記 10 - シントラ&ロカ岬へのバス
ポルトガル周遊の記 9 - リスボン首都圏の近郊列車に乗る

ってなわけで、ヨーロッパ大陸最西端のロカ岬にレッツラゴ〜〜(死語) 前回の記事でご紹介したように、ロカ岬への行き方は2通り。ロカ岬へ向かう路線バスの都合上、シントラを経由するかカスカイスを...

ポルトガル周遊の記 9 - リスボン首都圏の近郊列車に乗る

最新記事

京成電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも17日の夕方に発表があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。まず、この...

京成電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京急電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

5月11日、京急電鉄は2022年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。まず車両について見てみよう。最も気になる車両の新造については、プレスリリース内を...

京急電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京急1000形1890番台 愛称「Le Ciel(ル・シエル)」を付与

L/C座席にトイレ付という仕様で2021年5月に導入された1000形1890番台。11月からは2021年度導入の3編成も順次加わり、計5編成となって活躍の場を拡げている。2022年3月、そんな...

京急1000形1890番台 愛称「Le Ciel(ル・シエル)」を付与
京急1000形 20年間の軌跡 2 - 変革、そして安定

2002年4月15日、ある車両がデビューした。その名は1000形。それから20年、1000形は驚くべきことにいまだ導入が続けられている。そんな1000形という車両に敬意を表して、1000形の...

京急1000形 20年間の軌跡 2 - 変革、そして安定
京成電鉄 新京成電鉄を完全子会社化

京成電鉄、新京成電鉄を完全子会社化へ。4月28日、京成電鉄はグループ関連企業の新京成電鉄を完全子会社化すると発表した。京成は3月末現在において新京成の株式を44.64%保有、同社を持分法適用...

京成電鉄 新京成電鉄を完全子会社化

海外の鉄道ケーブルカー