2017.01.03
京成3000形3003編成に異変。
12月下旬より、3000形3003編成が制御装置を新型のVVVFインバーターに交換して運用に入っている。今回は試験搭載ということのようで、交換されたのは3003編成の上野方ユニットにあたる3003-7号車のものだけ。成田方ユニットは従来のままである。3003-7号車に搭載されたのは半導体素子にSiC(炭化ケイ素)を適用した新型のVVVFインバーターとなっており、東洋電機製のVVVFインバーターとしてSiC素子を用いたものは京成以外の鉄道事業者を含めても初めての事例。SiC素子のVVVFインバーターは三菱電機や東芝が先行していたが、東洋電機もここにきてようやく他の電機メーカーに追いついたといった感じである。
制御装置が新しくなったということで、走行音にも変化が生じている。さっそく走行音を収録できたので、以下に掲載する。
京成3000形3003-8 海神→西船
京成3000形3003-8 鬼越→八幡
起動時と停車時の非同期の部分の音程が従来の3000形より低くなっているのが特徴。また、VVVFインバーターの交換に合わせてフィルタリアクトルのほかにユニット内の主電動機も全閉型のものに交換されている模様で、高速域のうなり音にも変化があるように感じられる。
新型のVVVFインバーターが搭載された3003編成は、走行機器に変更が生じているということから運用に制限がかけられている。運転台には「3003-7号車VVVF制御装置供試中」とともに「京成線・新京成線内限定運用」と書かれたテプラ1)が貼り付けられており、今のところ都営浅草線と京急線、北総線、芝山鉄道線には入線不可の状態となっているようである。
現在は試験段階となっている新型のVVVFインバーターだが、将来的には3000形の増備車に採用されるのか、はたまた新形式車両の登場の布石なのか、今後の展開がどうなるか楽しみだ。
- 1)テプラに見られる"新京成線"という文字列が何とも意味深だが、この場合は京成津田沼駅の5番線を指しているものとみられる。京成と新京成は新京成の京成千葉線への片乗入れと見せかけて、実は京成も新京成線にほんの少しだけ直通しているという相互直通だったという事実がうかがえる。
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