KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2017.02.26

さようなら、京成3500形未更新車。

D28082.jpg

京成3500形 3588編成
2017.2.26/町屋〜千住大橋

▲「卒業」と書かれたヘッドマークを掲出して走る3588編成
D28103.jpg

京成3500形 3588編成
2017.2.26/船橋競馬場〜谷津

▲走り慣れた京成本線を下る

2月25、26日、3500形未更新車のさよなら運転にあたる「さよなら3500形未更新車記念ツアー」が催行された。3500形の未更新車として最後の1編成となっていた3588編成の引退に合わせて企画されたもので、昨年に実施されたAE100形のさよなら運転と同じく京成トラベルツアーの団体専用列車として運転された。この列車の運転にあたっては3588号車に「感謝」、3585号車に「卒業」と書かれたヘッドマークを掲出。これらは3500形未更新車が種別板を使用する最後の車両ということで種別板の位置にそれぞれ掲出され、未更新車のラストランに華を添えている。

さよなら運転は、これもAE100形の時と同じように当日のお楽しみというかたちでミステリーツアーとされ、その行路は上野始発宗吾車両基地着とだけ発表されたほかは詳細が伏せられていたが、実際には次のようであった。

  • ​25日:宗吾参道→(回送)→上野→柴又→押上→ちはら台→京成津田沼→宗吾参道
  • 26日:宗吾参道→(回送)→上野→柴又→押上→東成田(留置線)→成田→成田空港(アクセス特急専用ホーム)→宗吾参道

​運用番号は両日ともS39として設定され、Thank youとかけてここにも感謝の意味が込められたものになっていた。

D27948.jpg

京成3500形 3588編成
2017.2.25/立石〜青砥

▲3588号車は「感謝」を掲出。まもなく本格的に高架化工事が動き出そうとしている押上線立石付近を走る
D28000.jpg

京成3500形 3588編成
2017.2.25/稲毛〜みどり台

▲最後の千葉・千原線への入線

​臨時列車は臨時シティライナー用の不定期回送スジで宗吾参道から上野まで回送され、ツアー参加者を乗せて上野を9時2分に出発。その後は柴又、押上へと走り、25日はちはら台、26日は東成田と成田空港までそれぞれ入線して宗吾参道へ入庫という行路となった。

特筆すべきは金町線柴又への入線。日中時間帯の金町線は2本の編成が行き来しているので、単線区間で常に在線のある柴又〜金町への入線こそ叶わなかったが、2本の編成が高砂と金町にいる隙をついて柴又まで乱入する格好で金町線入線が実現した。高砂の地上ホーム〜柴又における営業運転は、2010年7月の金町線分離以降で初めてのことである。柴又での折返し運転も通常では行われていない。このほか、26日の運転では東成田は留置線側で、成田空港はアクセス特急専用ホームである1番線でそれぞれ折返しをした。

両日あわせて成田スカイアクセス線を除くほぼ京成全線を走り回った今回のさよなら運転は、4両編成の通勤型車両である3500形未更新車の最後にふさわしい行路だったように思う。

​3500未更新車はこれにて「卒業」となるが、3500形には卒業できなかった更新車が56両在籍している。3500形は更新工事が途中で打ち切られたばっかりに車齢の若い車両が先に淘汰される結果となったが、3500形としては更新車が今後も走るので、こちらの方の活躍も見守っていきたいところである。

関連記事

京成グループ 車両の動き(2016年度)

年度末ということで、京成グループにおける2016年度の車両の動きをまとめてみよう。今年度の新造車両は3000形8両編成2本(3033編成、3035編成)、6両編成1本(3034編成)の計26両...

京成グループ 車両の動き(2016年度)
京成3500形未更新車 成田空港に現る

京成3500形未更新車、約9年半ぶりに成田空港へ。12月14日、概ね2ヶ月に1回運転される動揺測定S73運行に3500形3588編成が充当した。動揺測定については、既報のとおり3300形の引退...

京成3500形未更新車 成田空港に現る
京成3500形3576編成 営業運転終了

長い間おつかれさまでした。3000形3032編成の導入により、3500形3576編成が廃車となった。最後の営業運転は7日のB51→51運行であった。15日現在、3576編成は宗吾車両基地にて...

京成3500形3576編成 営業運転終了
京成3500形3592編成・3596編成 営業運転終了

長い間おつかれさん。3000形3031編成の導入により、3500形の未更新車4連2本が廃車となった。廃車となったのは3592編成と3596編成で、3592編成は2月15日のB53→53運行...

京成3500形3592編成・3596編成 営業運転終了
京成3500形未更新車 都営浅草線を走る

11月14日に開催された「都営フェスタ2015 in 浅草線」。京成からはAE100形と3500形未更新車が展示されたが、3500未更新車が都営浅草線を走る機会はもうあまりないだろうということで...

京成3500形未更新車 都営浅草線を走る

最新記事

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)

今年も春がやってきた。4月21日、北総鉄道が主催する「ほくそう春まつり」の開催に合わせて臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。昨年、京成本線の八千代台始発として5年ぶりに運転された当列車...

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)
千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版

当Webサイトでは、2023年3月の「千葉シーサイドバス路線図 2023年3月1日版」と題する記事にて千葉シーサイドバスの路線図を公開していたところであるが、約1年ぶりに改訂版を発行する。千葉...

千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版
京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在