2017.03.21
北総9000形が引退へ。
北総鉄道(千葉ニュータウン鉄道)9000形が営業運転を終了した。定期列車としての最終運行は17日の35N運行における2334Nレ(2035Nbレ特急印旛日本医大行からの折返しとなる印旛日本医大→印西牧の原の入庫回送)であった。また、20日には京成トラベルサービスによる「ありがとう9000形引退記念ツアー」と題したツアーが開催されている。このツアーの一環として矢切〜印旛日本医大間で運転された団体臨時列車が9000形のさよなら運転になった。これにて9000形は引退、形式消滅になる。1984年のデビューから33年、その生涯に幕を閉じることになった。
9000形は公団線1)の小室〜千葉ニュータウン中央間開業に合わせて登場した車両である。登場時は住宅・都市整備公団所属の車両として、2000形を名乗っていた。その後、公団の改組により1999年に都市基盤整備公団の所属になり、さらに2004年には公団による鉄道事業廃止に伴い京成電鉄によって設立された千葉ニュータウン鉄道に移籍。また、当初は6両だった編成も中間車両を増備して8両編成になり(1990年)、形式も京急2000形との重複のため9000形へと改番(1994年)。振り返ってみれば、地味なわりにとても変化の多い、波乱万丈な車両であった。
所属の変更や改造などで車両にさまざまな変化がありながら、33年間変わらなかったのは赤色と黄緑色とグレーのカラーリングである。最近ではトマトサラダなどと形容されるその独特なカラーリングは、そもそも公団線が本八幡から新鎌ヶ谷を経て千葉ニュータウンへと至る千葉県営鉄道北千葉線として計画されていたものだったことを踏まえると、実は都営浅草線の朱色と都営新宿線の黄緑色を表していたのではないかとも思えてくる。このカラーリングが9100形、9200形へと引き継がれなかったのは残念だ。9000形は、北総鉄道の車両としては公団線開業当時を知る最後の車両であり、そうした千葉ニュータウンに至る壮大な鉄道計画があったことを今に伝える存在だったのかもしれない。
9018編成の代替は、9008編成を置換えた9200形の増備車ではなく、京成3700形をリースした9800形とされた。3738編成が北総仕様への改造の上、9808編成に改番されている。9808編成は宗吾車両基地にて転属に伴う整備の後、19日へ印旛車両基地へ回送。まさに9018編成と入れ替わるようにして21日の2130Nレ普通西馬込行より運用に入った。9000形の引退と9800形の登場で、北総鉄道が管理する車両としては全編成がVVVFインバータ制御になったほか、北総線および都営浅草線、京急線ではツーハンドルの車両が全廃したものとみられる1)。
- 1)住宅・都市整備公団では千葉ニュータウン線と称した。
- 2)ツーハンドルの車両としては京成3500形が存在するが、最近では8両編成になった場合でも京成線内のみを走る運用で使われており、3500形は事実上直通運用から撤退したものとみられる。(いまのところ、3500形の最後の都営浅草線入線は2016年9月16日である)
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