2017.07.17
さて、ポルトガル旅行の様子をだらだらと書き綴ってきたが、これには少しばかりの続きがござる。リスボンへの飛行機がオランダのアムステルダムで乗換えだったので、ついでにアムステルダムにも行ってきましたよっ。滞在時間わずか5時間半、マッハな観光の中で見てきたものをあれこれ記しておこう。
アムステルダム中央駅 正面
2016.2.14/**
アムステルダム中央駅 ホーム
2016.2.14/**
さっそくスキポール空港から移動して市内中心部へ。アムステルダム中央駅である。いわずもがなアムステルダムにおける鉄道の玄関口で、オランダ鉄道(NS)のほか、アムステルダム交通局(GVB)の地下鉄や路面電車、バスも乗入れるアムステルダムの交通結節点としての役割も担っている。駅は運河の張り巡らされたアムステルダムの旧市街の中心に位置しており、まさしく中央駅の名前にふさわしい。新市街にも大きな駅はあるけれど、中央駅の地位は譲っておらず、現在もアムステルダム中央駅は中央駅として営業を行っている。周辺国からの高速鉄道も発着しており、ドイツからICEが、フランスからタリスが乗入れてきている。年末にはロンドンからのユーロスターがブリュッセル発着の便を延長する格好でアムステルダムまでやってくるということで、ただいま試運転の真っ最中なんだとか。
駅はいわゆる頭端式ではなく東京駅のような通過式になっている。ホームにはアーチ状の大屋根が架けてあって、いかにもヨーロッパの鉄道駅らしい雰囲気。ホームは6面11線だが、この数だけを見ると国際列車が発着するような中央駅にしてはちょいと小規模のような気がしないでもない。ところが、駅の構内をうろついてみると、ホーム1つ1つがやけに長い気がするぞこれ・・・。気になったのでグーグルマップでホームの長さを測ってみると、一番長いところで640mほどもある。日本で一番長いという京都駅の0番のりば+30番のりばでも558mだから、アムステルダム中央駅のホームはいかにデタラメな長さということか。
これはどうやら各ホームで縦列停車を前提にした配線になっているからのよう。ホームの中央付近には隣接する2線をつなぐシーサスクロッシングも設けられている。仮に進行方向に縦列停車の列車が停まっていたとしても、転線を繰り返すことで前に進めるというわけだ。ホームの多さではなくてホームの長さでたくさんの列車をさばくのがオランダ鉄道の流儀ということらしい。
ドイツ鉄道406形電車
2016.2.14/Amsterdam CS
アムステルダム中央駅 縦列停車の様子
2016.2.14/**
アムステルダム中央駅 コンコース
2016.2.14/**
高架になっているホームから階段を下って南側に出ると、煉瓦造の駅舎がどーんと鎮座。1889年の開業時から使われているという立派な駅舎が今も現役である。同じくアムステルダムにある国立博物館を設計した建築家によるもののようで、国立博物館とともにアムステルダムで重要な建築の1つになっている。ちなみに、東京駅の駅舎はこのアムステルダム中央駅をモデルにしたものであるとされることもあるようだが、これは専門家によって明確に否定されている。しかし、シンボリックな駅舎の後ろ側に高架式のホームが並ぶという構成が同じなので、実際に訪れてみるとちょっとだけ東京駅っぽいなと感じるところもあった。同じ中央駅ということもあって似てるっちゃ似てるので、アムステルダム中央駅が東京駅のモデルと思ってしまいたくなる気持ちは分からないでもないところ。
◆ ◆ ◆
スキポール空港からアムステルダム中央駅へは列車で移動。オランダ鉄道がスキポール空港へ乗入れている。スキポール空港駅は、成田空港駅や新千歳空港駅のような盲腸線で繋がっているのではなく、アムステルダムとともにランドスタット1)を構成するハーグやロッテルダムへと通じる本線上に存在しているので、列車は頻繁にやってくる。おまけにスキポール空港〜アムステルダム中央駅はインターシティで約20分という近さ。たいへん便利である。
今回の旅行で訪れたポルトガルとオランダはともにシェンゲン協定の域内なので、両国間の移動では煩わしい出入国審査が免除されている。なおかつ、今回は形式的にはトランジットだから預け入れ荷物の受取りもなし。ってことで、飛行機を降りる否やあっという間に空港を脱出、着陸から1時間足らずでアムステルダム中央駅にたどり着くことができた。シェンゲン協定とスキポール空港の便の良さがなければ"少しだけアムステルダム"は成立していなかったと思う。
オランダ鉄道 乗車券
オランダ鉄道 ICカードリーダー/2017.2.14
- 1)オランダ西部のアムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒトを中心とした都市群の総称で、人口の約半分が集まるオランダの中心的地域
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