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エトセトラ

2017.09.13

​京成金町線を走る3500形。一見すると何ら変哲のないごく普通の日常のように映るけれども、よく見たら番号が3540だし、車体の側面には緑色のプレートやら成田空港の広告やらがチラチラ見えとるし・・・、さては芝山鉄道だなオメー

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芝山鉄道3500形 3540編成
2017.7.16/高砂〜柴又

▲金町線を走る芝山鉄道の3500形

東成田〜芝山千代田間の2.2kmにおいて営業運転を行なう芝山鉄道は、自他共に認める日本一短い鉄道ではあるが、鉄道施設や車両を自ら保有して鉄道事業を行なう第一種鉄道事業者である。運転業務を京成電鉄に委託しているものの、芝山鉄道としては京成からリースされている3500形でもって、京成線と相互直通運転を実施しているということになっている。ところが、京成が芝山鉄道以外と実施している相互直通運転では車両運用が社局ごとで明確に分けられているのに対し、芝山鉄道と京成の相互直通運転では車両運用が共通になっている1)のが特徴。2002年10月の芝山鉄道線開業時から芝山鉄道の車両として走っていた3600形3618編成が、自社線である芝山千代田にはそっちのけで成田空港にばかり出入りしていたのは記憶に新しいところであろう。

芝山鉄道の所属車両は2013年4月に3600形3618編成から3500形3540編成にバトンタッチしているが、引き続きこの3540編成も京成車と共通運用で動いている2)。3540編成は4両編成なので、京成の4両編成が走るところであれば3540編成も走るということになる。現行ダイヤにおける京成車4両編成の運用範囲は、京成本線上野〜成田間および東成田線、芝山鉄道線、千葉・千原線、金町線なので、必然的におおよそ芝山鉄道とは縁がなさそうな金町線にも芝山鉄道の車両たる3540編成が入っていく。こうして、写真のような光景が展開されるというわけだ。3540編成は金町線の日常の一部になっている。

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芝山鉄道3500形 3540編成
2017.7.16/高砂〜柴又

▲何食わぬ顔をして金町線を往復する3540編成

理屈としては共通運用だからということで納得していただくにしても、それでもやはり芝山鉄道の車両が金町線を走るという光景はちょっと面白おかしくある。金町線の大多数の乗客は、よもやいま自分が乗っている電車が実は成田の方の小さな鉄道会社のものとは思うまい。芝山鉄道は日本一短い2.2kmの鉄道ながら、 百花繚乱・複雑怪奇と言われる1号線の直通系統において、いい意味でのスパイスになってくれている。

  • 1)同様の形態の相互直通運転としては、横浜高速鉄道みなとみらい線がある。また、過去に京成線と相互直通運転を実施していた千葉急行電鉄も同様の運行形態であった。
  • 2)ただし、3540編成は平日の朝に宗吾参道〜芝山千代田だけを走る81運行への充当率が高いようで、都内まで出てくる機会は京成の4両編成と比べると若干少ないように思われる。

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