KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2017.09.04

​「29年ありがとう赤バス」。

X66468.jpg

船橋新京成バス M68号車
2017.9.4/津田沼駅

▲最後の「赤バス」として走るM68号車。8月下旬からは引退を記念した特別装飾を実施
X66478.jpg

船橋新京成バス M68号車
2017.9.4/二宮神社前

▲反対側にも大きく「29年ありがとう赤バス」の文字とイラストが貼り付けられている

​​9月4日、新京成バスで「赤バス」として親しまれてきた新京成電鉄自動車部時代のカラーリングをまとった車両が運行を終了した。最後の「赤バス」だったのは、船橋新京成バス習志野営業所に所属するM68号車で、2003年の新京成バスの分社化直前に導入された車両である(日デKK-RM252GAN改)。

M68号車は分社化に伴い習志野新京成バスの所属となっていたが、2014年に習志野新京成バスが船橋新京成バスに吸収合併されると、以降は船橋新京成バスの車両として走った。経年により全体的にくたびれた塗装の中で、社名の周りだけが不自然に綺麗なのはこのためである。分社化で誕生した3社の新京成バスはそれぞれオリジナルの塗装を採用することになったため、自動車部時代に導入した「赤バス」は時代が進むにつれ徐々に減少。そして、このM68号車の引退とともに「赤バス」は29年の歴史に幕を閉じることになった。

「赤バス」が登場したのは1988年のこと。当時の新京成バスは京成バスに似た「青バス」のカラーリングであったが、自動車部の35周年を機にデザインを一新し、新京成バスのイメージアップが図られることになった。デザイン案は社内公募とされ、300近くの応募の中から自動車部に所属する2名の案を採用。アルファベットのSが重なったように見えるデザインは、安全(Safety)・迅速(Speed)・奉仕(Service)の3つのSを図案化したものという。これにはもちろん新京成の頭文字であるSにもかかっている。

ちなみに新京成バスが「赤バス」を採用したタイミングは、ちょうど富士重工の5Eボディから7Eボディに移行したタイミングにバッチリと重なっている。古き時代のゴツさを残す5E「青バス」が隆盛を極める中で、スマートな7Eが「赤バス」として登場した時の衝撃たるや、さぞ凄かったことに違いない。

X66490.jpg

船橋新京成バス 「ありがとう赤バス」特別装飾
2017.9.4/**

▲M68号車の後部の装飾。これは7月末よりM67号車とともに取り付けられていた前掛けである
X66458.jpg

船橋新京成バス M68号車
2017.9.4/津田沼駅

▲津田沼駅を後にするM68号車。日常だった風景も過去のものになる

文字通り新京成バスのオリジナルカラーということで愛着もあったのだろう、7月末より「赤バス」として残っていたM67号車とM68号車に引退を記念した前掛けの装着を実施。8月下旬にM67号車が一足先に引退すると、「赤バス」最後の1台となったM68号車によりしっかりした引退記念の装飾がなされた。

最終日となった9月4日のM68号車は三山線に充当。朝から津田沼駅〜二宮神社前を数往復した後、津田沼駅19時48分発の習志野車庫行をもって「赤バス」の運行は終了となった。

  • 京成バス
  • タグはありません

関連記事

京成バス0800号車 高速バス仕様のリエッセ

京成バスに1台だけ在籍する、高速バス仕様のリエッセという世にも珍しい車両をご紹介しよう。京成バス習志野出張所に在籍していた0800号車である。ただの貸切用車両のように見えるが、実は高速バス仕様の...

京成バス0800号車 高速バス仕様のリエッセ
ちばレインボーバス307号車 京成トランジットバスカラーのエルガミオ

京成トランジットバスだと思ったでしょう? ちばレインボーバスだよー。ちばレインボーバス307号車は、京成トランジットバス塗装をまとういすゞエルガミオである。​もとは印西市に本社を置く北総交通と...

ちばレインボーバス307号車 京成トランジットバスカラーのエルガミオ
京成バスH504号車 リフト付き高速バスの実証実験

京成バスH504号者は、新習志野高速営業所に所属するリフト付きの高速バス車両である。一見すると普通の高速バス車両のようだが、乗降側の窓割りが一般的な車両と異なっていることが外観上の特徴である...

京成バスH504号車 リフト付き高速バスの実証実験
京成バスN130号車 千葉中央バスカラーの京成バス

千葉中央バスだと思ったでしょう? 京成バスだよー。京成バスほどの大きな事業者ともなれば変な車両の1台や2台が在籍しているものと思うのだが、これはまさしく変な1台。長沼(営)に所属するN130号車...

京成バスN130号車 千葉中央バスカラーの京成バス
千葉内陸バス1185号車 京成カラーの富士7Eノンステップ車両

千葉内陸バスに突如やってきた富士7Eボディのノンステップ車両。千葉内陸バスの1185号車である。見ての通り京成カラーをまとった富士重工7Eボディのノンステップ車両で、京成バスからの移籍車両...

千葉内陸バス1185号車 京成カラーの富士7Eノンステップ車両

最新記事

京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在
京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月上旬より3400形3448編成において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行っている。佐倉市において毎年この時期に実施している観光キャン...

京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正

新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...

新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正