KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2017.12.21

11月末より都営浅草線の大門駅にホームドアが出現。新技術を用いた検証実験が実施されている。

X68605.jpg

都営浅草線大門駅 ホームドア
2017.12.13/**

▲大門駅の1番線、押上方に出現したドア1枚分だけのホームドア

ホームドアが設置されたのは大門駅の1番線、押上方の最後尾車両ドア1枚分。東京都交通局とデンソーウェーブが共同で実施している、QRコードを用いたホームドアの開閉連動技術の開発の一環によるものとなっている。車両のドアに貼り付けたQRコードを駅に設置されたカメラで読み取ることによりホームドアを開閉連動させるというもので、デンソーウェーブによれば8月までの検証によりその有用性が実証されたという1)。その上で、今回の大門駅のホームドア試験により、実車を用いた最適な設定値の検証を行なうということの模様。

前述のように、QRコードを読み取ってホームドアを開閉連動させるものであることから、駅にはホームドア本体のほかに読み取り用のカメラが設置されている。車両側のQRコードは都営浅草線を走る8両編成のうち、4号車、5号車、6号車のそれぞれ押上方のドア、計3ヶ所に貼付。このQRコードにより、車両の動きからドアの開閉状態まで判別できるということのよう。さらに、このQRコードそのものに車両に関するデータが格納されており、編成の長さやドア数が異なる車両が混在した場合でも対応可能とのこと。

X68610.jpg

都営浅草線大門駅 ホームドア
2017.12.13/**

▲ホームドアの動作の様子。車両のドア開閉にワンテンポ遅れてホームドアが動作するが、乗務員は車両のドアスイッチを操作するだけである
X68601.jpg

ホームドア連動用のQRコードと読み取り用カメラ
2017.12.13/**

▲車両側のドアに貼り付けられたQRコードと天井に設置された読み取り用カメラ

◆ ◆ ◆

ホームドアの設置においては、車両のドア開閉に合わせてホームドアも開閉しなければならないのは言わずもがなである。一部の駅ではホームドアの開閉を乗務員や駅係員が直接行なう方式も採用されているが、乗務員に対する負担の増大や駅係員を常時ホームに置かなければならないことから、通常はホームドアと車両のドアを連動して開閉させる方式が主流になっている。

ただし、ホームドアと車両のドアを連動させる方式は、車両側において大規模な改修が必要というデメリットがある。東京都交通局では三田線と新宿線、大江戸線でホームドアの設置が進んでいるが、浅草線ではこれまで1駅もホームドアが設置されていない。これは、浅草線に乗入れる車両が形式としても編成数としても広範囲に及び、車両側の改修に係る負担が大きすぎるためとみられる。都営浅草線では直通各社より実に多種多様な車両が入線してきているが、ホームドアに対してはこれが逆に不利に働いてしまっている格好だ。

今回実験が行なわれているQRコードを用いた技術が確立すれば、車両にQRコードを貼り付けるだけでよいので、前述の車両側において大規模な改修を行なわなければならないというデメリットは解消されるものとみてよいだろう。ホームドアを整備する際の負担軽減となる画期的な方式である。東京都交通局によれば、この技術を用いて2020年までに新橋、大門、三田、泉岳寺の4駅にホームドアを整備するとしている2)

関連記事

京成線 日暮里駅ホームドアの動作状況を見る

2018年2月より使用している日暮里駅のホームドア。京成線としては初めてとなるホームドアだが、先日同駅を利用した際にその動作状況を少しばかり見てきたので、レポートしよう。昨今、特に利用者の多い...

京成線 日暮里駅ホームドアの動作状況を見る
「都営フェスタ2017 in 浅草線」開催

新型車両5500形が初登場。12月7日、東京都交通局の馬込車両検修場で「都営フェスタ2017 in 浅草線」が開催された。2年に1回となる同所の公開イベントだが、何と言っても今回の目玉は浅草線の...

「都営フェスタ2017 in 浅草線」開催
都営5300形 行先表示LEDシミュレーター

JavaScriptというプログラミング言語の勉強を兼ねて、都営5300形の行先表示LEDを模したシミュレーターを作ってみましたよっ。5300形が表示可能な種別行先を網羅しておりますので...

都営5300形 行先表示LEDシミュレーター
都営5300形「&TOKYO」東京ブランドロゴ貼付

「TOEI SUBWAY & TOKYO」。5月ごろより、都営5300形の一部編成に「&TOKYO」の東京ブランドロゴが貼付されてている。「&TOKYO」ロゴは東京都が2015年3月に策定した...

都営5300形「&TOKYO」東京ブランドロゴ貼付

最新記事

京成電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも17日の夕方に発表があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。まず、この...

京成電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京急電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

5月11日、京急電鉄は2022年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。まず車両について見てみよう。最も気になる車両の新造については、プレスリリース内を...

京急電鉄「2022年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京急1000形1890番台 愛称「Le Ciel(ル・シエル)」を付与

L/C座席にトイレ付という仕様で2021年5月に導入された1000形1890番台。11月からは2021年度導入の3編成も順次加わり、計5編成となって活躍の場を拡げている。2022年3月、そんな...

京急1000形1890番台 愛称「Le Ciel(ル・シエル)」を付与
京急1000形 20年間の軌跡 2 - 変革、そして安定

2002年4月15日、ある車両がデビューした。その名は1000形。それから20年、1000形は驚くべきことにいまだ導入が続けられている。そんな1000形という車両に敬意を表して、1000形の...

京急1000形 20年間の軌跡 2 - 変革、そして安定
京成電鉄 新京成電鉄を完全子会社化

京成電鉄、新京成電鉄を完全子会社化へ。4月28日、京成電鉄はグループ関連企業の新京成電鉄を完全子会社化すると発表した。京成は3月末現在において新京成の株式を44.64%保有、同社を持分法適用...

京成電鉄 新京成電鉄を完全子会社化

東京都交通局駅施設