KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2018.03.23

泰緬鉄道を訪ねてみようってことでバンコクからの1dayトリップ。バンコクのトンブリー駅から客車に揺られて3時間弱、泰緬鉄道観光の要所カンチャナブリーに着いた。ここからさらに4時間ほど列車に乗り、ナムトック支線の終点ナムトックまで往復する。

X62905.jpg

タイ国鉄 ナムトック支線の車窓から
2016.10.23/**

▲カンチャナブリーより観光列車を併結し、機関車+客車11両という長大編成でナムトック方面に進んでいく

前回の記事でも記したように、カンチャナブリーからの区間が泰緬鉄道の本丸である。クウェー川鉄橋やチョンカイの切通し、アルヒル桟道橋などの見どころが続いてることから、ここから大量の観光客が乗車。車内は軽く通勤ラッシュかよという様相を呈するようになった。国鉄のローカル列車というより観光地のアトラクションである。さらに、257レはカンチャナブリーでナムトック方に915レを名乗る5両の観光列車を併結。機関車+客車11両という大所帯で支線の末端部へ入っていく。

泰緬鉄道の見どころは後回しにするとして、とりあえずナムトックまで乗り通し。ナムトックには定刻より25分遅れ、13時に着いた。ナムトックからの戻りの列車の時刻を確認すると12時55分発・・・、って間に合わねーじゃねーかああぁ!! と思ったら、ナムトック12時55分発のバンコク行は、私がバンコクから乗ってきた列車がそのまま折返すという運用になっているようだった。泰緬鉄道を1日で見て回るためには、ナムトック12時55分発の列車に乗ってカンチャナブリー方面に戻ることが必須となるが、バンコク7時50分発の列車がどれだけ遅れようともナムトック12時55分発の列車に乗れる仕組みになっているので安心である。

そんなわけなので、ナムトック12時55分発のバンコク行は既に5分ほど遅れている。少しでも遅れを取り戻そうと、列車は機関車を前方に付け替えてすぐにでも発車しようといわんばかりの雰囲気。んなもんで、わざわざナムトックまで来てやったことといえば、復路のきっぷを買ったということだけ。大急ぎできっぷを買って、列車に乗り込んで、わちゃわちゃしている間に列車は出発と相成った。前述のようにこの列車に乗り遅れるわけにはいかないので、写真は1枚も撮れずに終了。というわけでナムトックの写真はない(泣)

ちなみに、運賃はバンコク→ナムトックもナムトック→カンチャナブリーも100バーツとなっている。なんともガバガバな設定のように思えるが、泰緬鉄道のカンチャナブリーを含む区間を乗る場合、外国人旅行者は乗車区間にかかわらず自動的に100バーツということになっているようだ。いわゆる外国人料金というやつである。正規の運賃だとバンコク→ナムトックが39バーツ、ナムトック→カンチャナブリーが17バーツとなるが、現在タイ国民は政府の政策により3等運賃が無料になっているので、この列車については誰も正規の運賃で乗っていないという不思議な状況になる。

◆ ◆ ◆

さて、泰緬鉄道の見どころは往路で予習したので復路は撮影をメインにしながら乗ってみることにした。どこからどのようにして撮ろうかなと列車内を見回しているうちに、私はあることに気づいてしまったのである。よく見ると乗車口のドアが走行中でも開けっ放しやないかーい。

写真を撮りたいのはみな同じ。アルヒル桟道橋やチョンカイの切通しの見どころなどは、車内からの顔出しやカメラの砲列を浴びるはず。それならば、乗車口のデッキから身を乗り出して写真を撮れば勝つる! ってことで、復路はデッキに陣取って風を浴びながら行くことにした。途中、車掌がやってきて通りすがりに私に何か話しかけてきた。さすがに危ないしNGが出るかな? と思って移動しかけると、そのままでいいから、と言う。列車から落ちなければいいってことらしい。いいのかよ。

チョンカイの切通し
X62941.jpg

タイ国鉄 ナムトック支線の車窓から
2016.10.23/**

▲線路際スレスレのところにある切り立った岩の壁、チョンカイの切通しである
X62943.jpg

タイ国鉄 ナムトック支線の車窓から
2016.10.23/**

▲凹凸のある岩肌が工事の生々しさを今に伝えている

クウェー川鉄橋のほど近くにあるチョンカイの切通し。いちおう泰緬鉄道の三大見どころ(?)のひとつとされていてガイドブックにも載っている遺構だが、地味(っていうと怒られてしまうかもだが)なので言われないと気がつかないまま通りすぎてしまうかも(実際に私も往路ではよくわからなかった)。

硬い岩盤を突貫工事で掘削したものということのよう。列車はそのスレスレを通過するが、線路に面した側の岩肌の凸凹は突貫工事の生々しさを今に伝えている。列車だと一瞬で通りすぎてしまうが、その一瞬は大変な工事に従事した労働者のおかげによるものと認識を新たにするのである。

アルヒル桟道橋(タムクラセー橋)
X62929.jpg

タイ国鉄 ナムトック支線の車窓から
2016.10.23/**

▲木造のアルヒル桟道橋を進んでいく列車。沿線からは多数のギャラリーが列車の通過を見守っている
X62932.jpg

タイ国鉄 ナムトック支線の車窓から
2016.10.23/**

▲列車は最徐行で進んでいくが、橋からはギシギシという音がしてなかなかスリリング

泰緬鉄道の工事の難しさの象徴にもなっているのが、全長300mの木造橋であるアルヒル桟道橋である。川と崖に挟まれた箇所に線路を通すため、このような線形になったという。木で組まれた橋脚は重たい鉄道車両が走るのにはあまりに頼りなさげ。しかし、レールが敷いてある以上、列車はこの上を進んでいく。

列車はこの区間を最徐行で進んでいくが、それははたして観光客のためにわざとスピードを落としているのか、それとも木造の橋を渡るための必然なのか、よくわからない。このあたりはちょっとしたリゾート地にもなっているようで、沿線から列車が木造橋を通過していく様子を見ている人たちも多く、互いに写真を撮りあっている謎の状態に。泰緬鉄道の見どころのひとつだけあって、周辺は遊歩道などがそれっぽく整備されている。ぶっちゃけナムトックまで行ってもただ慌ただしく折返すだけだったので、橋近傍のタムクラセー駅で降りて、木造の橋を間近で見学してみてもよかったのかなと思う。

関連記事

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 4 - 『戦場にかける橋』クウェー川鉄橋

タイ国鉄ナムトック支線をナムトックまで乗り通し、カンチャナブリーまで戻ってきた。カンチャナブリーの1つ手前、クウェー川鉄橋駅で列車を降りる。泰緬鉄道のハイライトとも言えるのが、タイ国鉄...

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 4 - 『戦場にかける橋』クウェー川鉄橋
タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 2 - ナムトック行鈍行257レ

さて、泰緬鉄道を訪ねてみようってことでバンコクからの1dayトリップ。バンコク=トンブリー駅からナムトック行の鈍行列車257レに乗る。列車は機関車+客車6両という構成。最後尾の1両が業務用を...

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 2 - ナムトック行鈍行257レ
タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 1 - 早朝のバンコク=トンブリー駅

タイ国鉄の列車に乗って1dayトリップ。2015年2月にタイを訪れた時はメークローン線の線路市場を見に行ったけど、今回はさらに足を延ばして泰緬鉄道を訪ねてみた。泰緬鉄道とは、字のごとくタイと...

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 1 - 早朝のバンコク=トンブリー駅
タイ バンコク交通見聞 2016年秋 6 - 14系・24系改造の豪華車両

バンコクのフアランポーン駅。14系・24系客車が留置されているホームにてさらに歩を進めると、なにやら凄い雰囲気の客車がいるではないかっ。14系・24系を改造した豪華車両である。JR西日本より...

タイ バンコク交通見聞 2016年秋 6 - 14系・24系改造の豪華車両
タイ バンコク交通見聞 2016年秋 5 - タイ国鉄の14系・24系

ところ変わってフアランポーン駅である。今回はホテルがフアランポーン駅の近くだったもんで、これ幸いにと駅の様子をちょくちょくと見に行くことができた。前回の記事にてバンスー新ターミナルをご紹介したが...

タイ バンコク交通見聞 2016年秋 5 - タイ国鉄の14系・24系

最新記事

四直珍列車研究 110 - 平日 1608K

京成車の京急久里浜行が初登場。平日1608Kレは、京成車によるアクセス特急京急久里浜行(押上から特急)である。2019年10月ダイヤ改正で登場した列車で、京成車による京急久里浜行が設定されるのは...

四直珍列車研究 110 - 平日 1608K
京急線 蒲田ローカルの運休状況

京急線で日中時間帯に運転されている品川〜京急蒲田間の普通列車、通称"蒲田ローカル"。新型コロナウイルス感染症の影響で運休とされているが、その状況をレポートしよう。世界中で猛威を振るっている...

京急線 蒲田ローカルの運休状況
京急新1000形1065編成 東京都所属になる??

京急新1000形1065編成が都営車になる??? 9月が始まって早10日、季節はまもなく夏から秋に移り変わろうとしている。今年の夏ほどイレギュラーな夏はなかった。例年通りのうだるような暑さとは...

京急新1000形1065編成 東京都所属になる??
京成3400形 成田スカイアクセス線を走る

京成3400形が成田スカイアクセス線を走る。9月5日、京成3400形が終電後に宗吾参道○→京成高砂→印旛日本医大△、印旛日本医大○→空港第2ビル→宗吾参道△という行路で試運転を実施した。試運転の...

京成3400形 成田スカイアクセス線を走る
船橋新京成バスF-132号車 さようなら船橋バス

さようなら、船橋バス。かつて船橋バスというバス事業者があったのを憶えているだろうか。船橋市高根町に本社を構えていた船橋バスは、船橋グリーンハイツの団地輸送のために設立されたバス会社であった...

船橋新京成バスF-132号車 さようなら船橋バス

海外の鉄道ローカル線 海外