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エトセトラ

2018.03.19

平和交通に在籍する古参車両、1028号車を紹介する。

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平和交通 1028号車
2017.9.27/千葉市美浜区中瀬

▲平和交通の最古参、1028号車。
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平和交通 1028号車
2018.3.15/千葉市花見川区朝日ヶ丘

▲うしろ側

千葉市稲毛区に本社を置く平和交通は、稲毛、幕張、四街道周辺で路線バスを走らせている事業者である。稲毛や幕張周辺は京成グループのバスが強い印象があるが、こちらは京成グループには属さない独立系。あすか交通と西岬観光とともにBE-TRANSSEグループを形成しており、平和交通はその筆頭となる事業者である。1970年代に団地輸送からスタートした事業者だが、近年では特に東京駅・銀座と成田空港・成田周辺のホテルを格安で結ぶ高速バス「THEアクセス成田」が大ヒット1)。都内や成田空港で、車体にBE-TRANSSEと書かれた高速バスを見かけたことがある人も多いかと思われる。

そんな平和交通で最古参となるのが1028号車である。見るからに年季の入った1台だが、それもその通りで1997年式。周辺の事業者の車両の代替ペースが比較的早いこともあって、ここらへんの地区における最古参でもある2)。海浜幕張駅を発着するベイタウン線開設時に導入された車両のうちの1台で、ひときわ目を引く黄色の"BAYTOWN BUS"カラーがその証3)。現在はベイタウン線の運用を退き、紆余曲折を経て予備車的な存在になっている模様だが、それなりに稼働しているようで、稲毛海岸駅や海浜幕張駅などで元気に走っている姿を見かけることができる。

そして、何より気になるのがその仕様。シャーシのKC-RR1JJAAという型式が示すようにエアサス車であるほか、車内はハイバックシートが並ぶ豪華な仕様になっている。メトロ窓であることやトランスミッションがオートマであることも特徴といえよう。黄色一色の"BAYTOWN BUS"カラーもグラフィックデザイナーである佐藤卓に手がけてもらったものというのだから凄い。運行距離が比較的短いベイタウン線では多少オーバースペックのような気もするが、海浜幕張地区への進出という挑戦に対する平和交通の当時の意気込みが存分に伝わってくるというものだ。

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平和交通 1028号車(車内)
2017.3.15/**

▲横向きの座席とともに1人がけのハイバックシートが並ぶ車内。写真の中央、運転席の裏側に「ありがとう!! 1028号車」という掲示がしてある

今年で21年目となるはずの1028号車だが、残念ながら3月末で引退となるようである。先日乗車する機会があったところ、車内にその旨の掲示がしてあった。やけに濃い仕様であることはもちろんのこと、海浜幕張での礎を築いたという意味でも平和交通の車両史に強く残る1台であることは間違いないだろう。

(※3月27日にナンバーが切られて除籍になった模様です)

  • 1)2018年3月現在142便(下り67便+上り75便)を運行。あすか交通、西岬観光、JRバス関東と共同運行。
  • 2)稲毛や幕張周辺を走る一般の路線バスにおいて。次点は千葉シーサイドバス1635号車(1998年式、ただし現在運用離脱中)。
  • 3)本文中に記載のとおり1028号車はベイタウン線の運用を外れていることから、現在は"BAYTOWN BUS"の「BAY」の部分を消して"TOWN BUS"としてある。"TOWN BUS"の表記が妙に偏ってるのはこのため。

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