2018.05.27
都営浅草線の大門〜泉岳寺間の開通からまもなく50年。すなわち、京成電鉄〜東京都交通局〜京急電鉄の3者直通運転が50周年を迎えようとしている。・・・というわけで、今回は京成線〜都営浅草線〜京急線を走り通していたロングランの珍列車を紹介しよう。
- [平日]1400T 快速三崎口行
- 始発:成田空港---- → 終着:三崎口1807
- ダイヤ:2002.10.12改正
- 備考:成田まで回送、押上から特急
京成〜都営〜京急のロングラン列車と言えば、2002年10月ダイヤ改正で登場した1647Tレが思い出されよう。三崎口始発成田空港行の1647Tレは、京急線の端から京成線の端まで141.8kmを走り通す1)という理由だけでダイヤ改正のプレスリリースにも記載されたほどの列車であった。ところが、同改正では実はもう1本、同様に端から端まで走り通す列車が登場していた。それが、本稿で取り上げる1400Tレである。しかし、1400Tレはプレスリリースに載らなかった。1647Tレはプレスリリースに掲載されて、なぜ1400Tレは漏れてしまったのか。1400Tレがあまりにかわいそうではないか。
その理由は簡単。1400Tレは成田空港始発の三崎口行ながら、表向きは成田始発だったためだ。車両の運用としては羽田空港始発エアポート快特成田空港行1201Tレの折返し列車なので成田空港始発であることには間違いないのだが、成田空港〜成田間を回送としていたため、市販の時刻表には成田からの時刻しか載らなかった。そのため、プレスリリースで紹介のしようがなかったのである。しかし、実際には確かに成田空港〜三崎口を1本の列車として走り通していた。1647Tレが表のロングラン列車なら、この1400Tレは陰のロングラン列車だった。
そして、京成線内の快速三崎口行というのも1400Tレが珍列車たらしめるものであった。2002年10月のこのダイヤ改正は、京成線内で現行の快速や通勤特急などが新設された大きなものだったが、平日に1本だけ設定された快速三崎口行は快速という新しい種別に彩りを添えてくれた。快速三崎口行が設定されるのはもちろんこの時が初めて。しかもそれが成田始発ときたものだから驚きだ。押上線では当たり前の存在の三崎口行だが、まさか京成本線で見られるとは思わなかったものである。
そんな1400Tレだが、翌2003年7月ダイヤ修正で行先が羽田空港に変更されてしまい、残念ながらロングラン列車でも珍列車でもなくなってしまった。快速三崎口行はこのあとも何度か設定され、現行ダイヤでも1680Hレとして設定があるが、それらはいずれも京急車の運用とされたので、都営車の快速三崎口行は今のところこの1400Tレが最初で最後の列車となっている。
- 1)当時は成田スカイアクセス線など存在しないので、もちろん京成本線経由である。
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