KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2018.08.09

バンコクを走るBTSスカイトレイン。交通渋滞の激しいバンコク中心部を移動するには大変便利な乗りものだが、既存市街地の中を高架で建設しただけあってところどころにちょっとこれ強引じゃね? と思ってしまいたくなるような箇所が存在する。そんなスカイトレインのちょっと強引な線形を見ていこう。

X63126.jpg

バンコクBTS
2016.10.24/**

▲チョン・ノンシー駅付近の急カーブを走るBTSスカイトレイン

その3は、シケイン。まずは、シケインという言葉を説明する必要があろう。シケインとは、自動車レースなどで強制的に減速させるためコースに設置される障害物である。半径の小さなS字カーブがこれに該当し、300km/hをゆうに超すF1マシンも低速での通過を強いられる。こうすることで、サーキットを走るマシンのスピードが抑制されて安全につながるとともに、レース中の1番の見どころであるマシンどうしの追い抜きが発生しやすいようになっているそうなのだ。

自動車レースには有用なシケインだが、そんなものが鉄道に適しているわけがないのは自明の里であろう。大量高速輸送機関は、なるべくスムーズに走ることに越したことはないのである。ところが、道路の上を高架で走るバンコクのスカイトレインは、構造物を道路の直上の空間に収めなければならない都合で、シケインとも言える線形が出現してしまっている。シーロム線、チョン・ノンシー駅付近の連続急カーブがそれだ。

Z00002.jpg

チョン・ノンシー駅付近の航空写真

▲チョン・ノンシー駅付近の航空写真。豪快にS字を描いているのがBTSの高架線。中央にあるのがチョン・ノンシー駅
X63121.jpg

バンコクBTS
2016.10.24/**

▲ビルの隙間からヌッと現れて・・・
X63122.jpg

バンコクBTS
2016.10.24/**

▲電車はチョン・ノンシー駅に滑りこんでくる

そのえげつない線形は航空写真を見ていただければ一目瞭然。見事なS字急カーブを描いた高架の軌道はまさしくシケインだ。しかも、曲線半径をかせぐため本カーブに入る前にいったん反対方向に振っているというのも見どころである。サイアムのジャンクションでスクンヴィット線から分岐したシーロム線の軌道は、 ラーチャダムリ通りを南下した後、サラデーンの交差点からシーロム通りを西向きに走る。ところが、この先シーロム通りは行き止まり、チャオプラヤ川を渡る橋は1本南のサートン通りにある。そこで、幅員に余裕のあるナラティワート・ラチャナカリン通りを利用して、走る通りを南に1本ずらしているというわけ。

繰り返しになるが、やはりこれもスカイトレインが高架を走る鉄道だからこその事象であろう。これが地下鉄だったなら、建物の下にトンネルを構築するなどしてもっとマシな線形にできた可能性がある。とは言え、ビル群のはざまを右に左に抜けていくスカイトレインの姿は、まさしく都市の中を走る鉄道ならではの光景になっている。

関連記事

バンコクBTSのちょっと強引な線形 4 - ボトルネックなサパーン・タクシン駅

バンコクを走るBTSスカイトレイン。交通渋滞の激しいバンコク中心部を移動するには大変便利な乗りものだが、既存市街地の中を高架で建設しただけあってところどころにちょっとこれ強引じゃね? と思って...

バンコクBTSのちょっと強引な線形 4 - ボトルネックなサパーン・タクシン駅
バンコクBTSのちょっと強引な線形 2 - サイアム要塞

バンコクを走るBTSスカイトレイン。交通渋滞の激しいバンコク中心部を移動するには大変便利な乗りものだが、既存市街地の中を高架で建設しただけあってところどころにちょっとこれ強引じゃね? と思って...

バンコクBTSのちょっと強引な線形 2 - サイアム要塞
バンコクBTSのちょっと強引な線形 1 - 戦勝記念塔のΩカーブ

バンコクを走るBTSスカイトレイン。交通渋滞の激しいバンコク中心部を移動するには大変便利な乗りものだが、既存市街地の中を高架で建設しただけあってところどころにちょっとこれ強引じゃね? と思って...

バンコクBTSのちょっと強引な線形 1 - 戦勝記念塔のΩカーブ
タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 4 - 『戦場にかける橋』クウェー川鉄橋

タイ国鉄ナムトック支線をナムトックまで乗り通し、カンチャナブリーまで戻ってきた。カンチャナブリーの1つ手前、クウェー川鉄橋駅で列車を降りる。泰緬鉄道のハイライトとも言えるのが、タイ国鉄...

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 4 - 『戦場にかける橋』クウェー川鉄橋
タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 3 - ナムトック支線を行く

泰緬鉄道を訪ねてみようってことでバンコクからの1dayトリップ。バンコクのトンブリー駅から客車に揺られて3時間弱、泰緬鉄道観光の要所カンチャナブリーに着いた。ここからさらに4時間ほど列車に乗り...

タイ国鉄 泰緬鉄道の旅 3 - ナムトック支線を行く

最新記事

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)

今年も春がやってきた。4月21日、北総鉄道が主催する「ほくそう春まつり」の開催に合わせて臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。昨年、八千代台始発として5年ぶりに運転された当列車だが、今年は...

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)
千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版

当Webサイトでは、2023年3月の「千葉シーサイドバス路線図 2023年3月1日版」と題する記事にて千葉シーサイドバスの路線図を公開していたところであるが、約1年ぶりに改訂版を発行する。千葉...

千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版
京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在