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2018.09.11

8月上旬より、新京成N800形の5次車にあたるN858編成がお目見えしている。

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新京成N800形 N858編成
2018.9.10/千葉中央

▲行先表示がフルカラーLEDとなったN858編成

N858編成の仕様は、2015年度に新造されたN848編成から大きく変わっている。特に車内については、2016年度より実施されている8800形のリニューアル車に準じたものになり、新京成のコーポレートカラーであるピンク色を基調としたデザインに改められた。車外ではフルカラーLEDの行先表示器が採用され、視認性の向上が図られている。8800形のLED行先表示器と同様に、行先と経由の交互表示が可能になった。N858編成では運行番号もフルカラーLEDによる白色での表示となっているのが特徴で、これは京成3000形をはじめとした京成グループ標準車両では初めての事例。京成グループ標準車両ながら新京成の独自仕様にますます磨きがかかっており、N800形は5次車にして完成形といった印象だ。

車両が製作された日本車両からくぬぎ山車両基地までの搬入経路だが、これまでのN800形と同様に豊川から千葉貨物まで甲種輸送の後、北総鉄道の印旛車両基地へ陸送、そこから北総線および京成本線を経由して新京成に入線となった。甲種輸送は8月4日発、陸送は6〜8日の未明に、くぬぎ山車両基地への回送は9日の終電後にそれぞれ実施されている。試運転は20日と21日に行われ、翌22日より営業運転に入った。

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新京成N800形 N858編成の車内
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▲N858編成の車内。8800形のリニューアル車に準じたデザインになっている
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新京成N800形 行先表示「普通松 戸」
2018.9.10/**

▲フルカラーLEDの行先表示。交互表示が可能な仕様で、京成千葉線への直通列車で活用される。「普通」の部分にグレーの色付けがなされているのが特徴で、京成3000形とは似て非なる表示になっている
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新京成8000形 8514編成
2018.2.8/三咲〜滝不動

▲N858編成の導入により廃車となった8514編成

他方、N858編成の導入により8000形8514編成が廃車になった。すでに全6両の搬出が完了している模様である。8514編成は、京成千葉線への乗入れ対応を示すストライプ帯を巻いた最後の編成であった。また、リバイバルカラーとして走っている8512編成を除いて、最後の旧塗装でもあった。これにより、2014年度より実施してきたジェントルピンクへの新塗装化が完了。N858編成の導入とそれに伴う8518編成の廃車によって、新京成はひとつの区切りを迎えることになった。

また、親会社の京成では3000形に代わる新型車両の導入を発表しており、同型の車両を導入している新京成においても次の新車で新形式の車両に移行する可能性が出てきている。したがって、N800形の新造は今回のN858編成が最後という可能性がある。

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