KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2018.11.04

京成電鉄において、車両事情が怪しくなってくると登場する3500形の8両編成。10月末から11月頭にかけて車両不足が続いたため、3500形の8両編成が見られた。3500形の8両編成が出現すること自体はそれほど珍しいことではないが、今回はなんと2本同時に走るという近年では珍しい事態に至っている。これらを備忘録的にまとめておこう。

D30853.jpg

京成3500形 3548編成
2018.11.3/うすい〜佐倉

▲10月末より走っている3500形の8両編成。写真は11月3日の965K快速佐倉行
D30857.jpg

京成3500形 3512編成
2018.11.3/うすい〜佐倉

▲上の写真の佐倉行の続行でやってきた9A13特急成田空港行。久々に3500形の8両編成が2本同時に走った
10月23日

[3548-47+[3512-11-10-09]
[3504-03-02-01]+18-17]

[3512-11+[3504-03-02-01]+18-17]
[3548-47-
-3510-09]

まず最初に3500形の8両編成が登場したのは10月23日のことで、3512-11+3504+18-17という編成がA15運行に入った。車両のやりくりに窮すると出現する3500形の8両編成だが、この時も例外ではなかった。検査等で8両編成の運用離脱が重なっている状況の中、3400形3448編成が京急線内で不具合を起こしたため、その代替で組成されたようだ。

この3512編成が運用されたのはこの日のみとなり、3500形の8両編成は早々に終了した・・・かのように思われた。

10月25日

[3512-11+[3504-03-02-01]+18-17]
[3548-47-
-3510-09]

[3548-47+[3504-03-02-01]+18-17]
[3512-11-10-09]

続いて現れたのは、3548-47+3504+18-17という8両編成である。引き続き8両編成の検査等が重なったことから組成された模様。8両編成が現れたといっても、23日に走った3512編成の上野方2両を付け替えただけという奇妙な編成組み換えで組成されたものとなっているが、これはただ単に3548-47が検査等の都合で23日に動かせなかった事情があったものとみられる。

余った3512編成は単独で4両編成となったが、この編成が運用に入ることはなかった。

11月1日

[3512-11-10-09]
[3536-35-34-33]

[3512-11+[3536-35-34-33]+10-09]

そして、11月1日に出現したのが3512-11+3536+10-09の8両編成である。3548編成が8両編成で運用に入る中、2本目の8両編成が登場する事態となった。3700形3848編成が京急線内で不具合を起こした模様で、その代替での組成となっている。2015年3月に3500形の8両編成が消滅して以降、3500形の8両編成を臨時的に組成することはあれど、それが2本同時に出現するというのは初めて。3500形の8両編成が2本同時に走るのは、約4年ぶりのことになる。

3500形8両編成の2本同時出現を可能にしたのは、現在の京成の車両事情にあるように思われる。無線更新工事のための予備車となる8両編成2本分1)を除いても、来たる12月のダイヤ修正に備えて車両が普段より多い状況2)となっており、これが幸いしたと言える。そうでなければ、これだけ8両編成が離脱するという事態はなかなかヤバかったような気がしないでもない。

3512編成と3548編成はともに11月3日をもって8両編成としての運用を終了。3500形は先日にも3532編成が廃車となっているが、まだまだ存在感を見せつけたのであった。

  • 1)昨年度、3000形を導入したのに廃車が発生しなかった分。
  • 2)今年度、3000形の6両編成を2本導入しているが、現時点で廃車となっているのは4両編成1本のみ。差し引きで8両多くなっている。
  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成3500形3532編成 営業運転終了

3500形更新車に初の廃車が発生。京成3000形3039編成・3040編成の導入により、3500形3532編成が営業運転を終了した。廃車とされたのは9月末だった模様だが、9月11日に3039編成...

京成3500形3532編成 営業運転終了
芝山鉄道3500形 重検出場

4年に1度の一大イベントである。3月27日、芝山鉄道3500形の重要部検査に伴う試運転が八千代台〜芝山千代田間で実施された。3540編成が入場したのは3月上旬のこと。平日朝の宗吾参道〜芝山千代田...

芝山鉄道3500形 重検出場
京成3500形の8両編成(2017年秋)

京成電鉄において、車両事情が怪しくなってくると登場する3500形の8両編成。8月末から10月中旬にかけて車両不足が続いたため、3500形の8両編成が断続的に見られた。それらを備忘録的にまとめて...

京成3500形の8両編成(2017年秋)
芝山鉄道3500形 京成金町線を走る

京成金町線を走る3500形。一見すると何ら変哲のないごく普通の日常のように映るけれども、よく見たら番号が3540だし、車体の側面には緑色のプレートと成田空港の広告がチラチラ見えとるし...

芝山鉄道3500形 京成金町線を走る
京成3500形 4+2+2組成の8両編成ふたたび

超珍事、約10ヶ月ぶりにふたたび。12月12日、京成3500形において4+2+2組成の8両編成が走った。上野方より3544+46-45+18-17という8連で、編成中に成田向きの先頭車両が3両も...

京成3500形 4+2+2組成の8両編成ふたたび

最新記事

京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在
京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月上旬より3400形3448編成において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行っている。佐倉市において毎年この時期に実施している観光キャン...

京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正

新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...

新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正