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エトセトラ

2018.12.07

さて、まもなくダイヤ修正が行なわれる。というわけで、例によってダイヤ修正で消えてしまう珍列車を取り上げてみよう。

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京成3600形 3668編成
2018.5.9/大神宮下

▲普通上野行きとして走る3600形3668編成。4両編成の上野行は2016年11月ダイヤ修正の時点で平日・土休日ともに1本のみという希少な存在となっていた
  • [平日]1050 普通上 野行
  • 始発:京成津田沼1017 → 終着:上 野1113
  • ダイヤ:2016.11.19修正
  • 備考:

今回の京成線のダイヤ修正は、修正ということで比較的おとなしい内容となっているが、その中でも大きなトピックと言えば金町線と京成本線末端部を除いた4両編成の廃止であろう。成田スカイアクセス線が開業した2010年7月ダイヤ改正の時点で11本あった4両編成の運用も2014年11月ダイヤ改正と2016年11月ダイヤ修正で3本ずつ削減され、5本にまで減少。そして、今回のダイヤ修正ではさらに2本の4両編成が減らされることになり、ここ数年における一連の4両編成削減の完成形とも言えるダイヤとなる。

そんな中、数少ない京成本線を走る4両編成として設定されていたのが1050普通上野行である。4両編成の運用が5本となった2016年11月ダイヤ修正で設定されたもので、平日では唯一上野まで入線する4両編成となっていた。4両編成の運用は5本となった2016年11月ダイヤ修正の時点でかなり単純化されており、その内訳は金町線を終日走るものが2本と宗吾参道〜芝山千代田間を走るものが1本、残りの2本が京成本線と千葉・千原線を走るものとされた。しかし、4両編成2本が京成本線と千葉・千原線を走ると言っても、これらは朝のラッシュ時に千葉・千原線を少しだけ参加して、午前中のうちに高砂あるいは宗吾参道に入庫するという必要最低限のもの。要するに、表題の1050を含めて、京成本線を走る4両編成はもはや金町線に使う車両の送り込みとして残されたのに過ぎなかったのである。

来たるダイヤ修正では、これら京成本線と千葉・千原線を走る4両編成2本分が丸ごと6両編成とされ、これにより前述の通り金町線と京成本線の一部を除いて4両編成の列車の廃止が達成されることになった。したがって、表題の1050も6両編成となり、4両編成の上野行も消滅になる。輸送力の増強は喜ばしいこととは言え、4両編成の列車が堂々と上野まで乗入れるというある意味では京成を象徴していた光景が見られなくなるのは、一抹の寂しさを感じるものである。

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芝山鉄道3500形 3540編成
2018.12.4/谷津〜京成津田沼

▲芝山鉄道所属の3540編成も上野まで走る機会があった。4両編成の上野入線は動揺測定などで引き続き見られることになろうが、動揺測定への使用実績がない芝山車が今後上野まで入ることはあるだろうか
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博物館動物園駅 時刻表?

▲おまけ:博物館動物園駅が現在も営業していたらという仮定で作ってみたポケット時刻表。4両編成までしか停車できない同駅に停まるのは、1050とその折返しの高砂行のみ。ダイヤ修正以降は上野線を走る4両編成そのものがないので、仮に博物館動物園駅が営業していたとしても停まる列車がなくなってしまう

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