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エトセトラ

2019.04.28

まもなく天皇陛下の退位と皇太子さまの即位が行なわれ、時代は平成から令和に移ろうとしている。そこで、京成電車の平成史と題して、平成31年の間に京成界隈で起こったさまざまなできごとを簡単に振り返ってみたい。趣味的な観点から特に印象に残っているものをピックアップしてみたので、平成という時代を回顧する際の一助となれば幸いである。(後編はこちら

成田空港ターミナル直接乗入れ(平成3年3月)
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成田空港ターミナル直接乗入れのチラシ

▲成田空港ターミナル直接乗入れを告知するチラシ。謳い文句が日暮里ではなく「上野から」となっているのが興味深い。既に日暮里はスカイライナー停車駅となっていたものの、その地位は今ほど高くなかったのである

京成にとって平成最初の大きなできごととなったのは、1991年3月の成田空港ターミナル直接乗入れであろう。京成はそれまで独自に成田空港駅を設けて空港輸送を行なっていたが、煩わしいバス連絡が必要なこともあってあまり振るわず、空港直下への乗入れは長らくの悲願であった。

合わせて、ダイヤ大改正を実施。日中時間帯の特急が20分間隔で運転されるようになったのはこの時からである。さらに、時をほぼ同じくして3700形がデビュー。前年6月より営業運転を開始していたAE100形"ニュースカイライナー"とともに、京成の新時代が始まったことを強く感じさせたのであった。

北総・公団線と相互直通運転を開始(平成3年3月)
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北総9000形 9018編成
2010.5.15/立会川

▲北総2期線の開通により晴れて都心方面に直通するようになった北総・公団線の車両群。車両のバリエーションが増えただけでなく、車両のリースといった細かな動きもあり、話題の提供に事欠かなかった

北総開発鉄道の高砂〜新鎌ヶ谷間が開業し、当時ではほかに類を見ない4者による相互直通運転が始まった。さまざまな車両が入り乱れる様子は百花繚乱と評され、複雑怪奇な車両運用は今でも趣味的に格好なネタになっている。上記の成田空港直下乗入れと北総・公団線がほぼ同時にやってきたのだから、1991年は大変革の年だったのだ。

電車の塗装変更(平成5年7月〜)
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京成3300形 3328編成
2006.9.26/ユーカリが丘〜うすい

▲おなじみ赤と青の帯を巻いた現行塗装。ファイアーオレンジの塗装だった車両も先に登場した3700形のデザインに合わせる格好で1993年より塗装変更が実施された

京成といえばオイルショックによる不況のあおりを受けて経営が傾き、長らく赤字続きだったのは広く知られているところだろう。しまいには電車の色までファイヤーしてしまったのだから笑えなかったのである。しかし、その後の経営再建により1989年9月には累積損失を一掃、翌90年には13年ぶりとなる復配を果たしている。

そんな中、1993年7月から電車の塗装変更が始まった。ファイアーオレンジから現行のグレーベースのカラーへの塗り替えは、まさに暗黒時代からの脱却を象徴するものであった。また、これに先立って実施された塗装試験も忘れられないできごと。今のようにインターネットが無い時代、情報がない中でとつぜん青色や緑色に塗られた3200形が目の前に現れるのだから、それはもうビックリするというレベルではないのである。試験塗装車両を初めて目にした時の衝撃は今でも強烈に覚えている。

千葉急行線が京成千原線になる(平成10年10月)
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京成千原線 ちはら台駅
2015.11.8/**

▲千葉急行線の譲受により京成の駅になったちはら台。京成線の最南端であるとともに市原市にある唯一の駅である

もとより1992年4月から相互直通運転を行なっていた千葉急行電鉄が債務超過により破綻したことから、同社の千葉中央〜ちはら台間は京成に引き継がれ、改めて千原線として運行されることになった。これにより京成の路線延長は初めて100kmを超えることになるが、経緯が経緯だけに素直に喜べなかっただろうと思う。今でも千原線の運賃は千葉中央で区切られる格好になっているなど、同線が千葉急行線だった名残をとどめている。

京急線羽田空港駅開業(平成10年11月)
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京急新1000形 1017編成
2010.1.8/うすい〜佐倉

▲京急線の羽田空港開業でより一層混迷を極めることになった四直の車両運用。京急車が京成本線内で定期的に営業運転を行なうようになったのはこの時から

直接的には京急のできごとだが、羽田空港駅の開業は京成方面にも大きな影響を及ぼしたということで挙げさせていただく。飛行機マーク付種別の新設などもさることながら、やはり趣味的に面白かったのはその車両運用。京成車が本格的に京急線に進出した1)ほか、逆に京急車が京成本線にやってくることになった。都営車や京急車が京成本線の特急として上野まで走るなんて、いま考えてもワクワクするものである。

2002年10月ダイヤ改正(平成14年10月)

平成の間に実施されたダイヤ改正の中で、群を抜いて大きかったのが2002年10月ダイヤ改正である。京成本線から急行が消えるとともに快速と通勤特急が登場。特に朝のラッシュ時間帯上り列車の運行パターンは一新され、20分あたり特急2・通勤特急1・普通3というダイヤになった。

この後、快特の新設(2006年12月、後に快速特急に改称)や成田スカイアクセス線の開業(2010年7月)などがあるものの、2018年10月実施の現行ダイヤも基本的にはこの2002年のダイヤがベースになっていると言える。また、ダイヤ改正から2週間遅れて芝山鉄道が開業、同線との相互直通運転が始まった。

京成3000形が登場(平成15年3月)
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京成3000形 3001編成
2008.6.26/実籾〜八千代台

▲2003年3月1日より営業運転を開始した3000形。その後16年にわたりほぼ同一仕様で導入が続けられるとは夢にも思わず・・・

2003年3月に京成3000形がデビューした。3000形は初年度から一挙5編成32両が導入され、2007年度までの6年間で25編成までが登場。爆発的な勢いで増えた。その後、3050形の導入を挟みつつつい最近2018年度まで製造は続けられ、気づけば326両という大所帯に。デビュー当初は、まさかここまで増え続けるとは思いもしなかったことである(しかも最初から最後まで大きなマイナーチェンジもなく・・・)。

京成では先日にも新型車両となる3100形の概要が発表され、大きな話題になった。それでは3000形の時はどうだったかというと、3001編成の日本車両からの甲種輸送で初めて3000形の存在とそのデザインが明らかになるというありさま2)だった。いまや京成パンダがTwitterで新型車両を発表するようになったんだから、時代は変わったものである。

京成バスが営業運行開始(平成15年10月)

もとより直営の自動車本部が営業していたバス事業を分社化し、新しく京成バスとして運行が始まった。バス事業はこれ以前から営業所あるいは車庫単位での分社化が段階的に実施されていたが、その総仕上げのような格好である。バス事業の分社化については、京成バスになったエリアと営業所・車庫単位で分社化されたエリアとで、車両の質や情報提供(公式Webサイトやバスロケの有無)などの点で格差が生まれてしまったことは否めない。このあたりについては少し残念に思っている。

(つづく)

  • 1)それ以前も定期的に乗入れてはいたが、1日数本など限定的なものだった。
  • 2)その年度の設備投資計画において、新造車両の形式名が書かれていなかったことから新型車両が登場するのではという雰囲気があった(前年度まではきちんと3700形を新造と明記されていた)。本当に新型車両が来るということが判明したのは、とれいん誌の甲種輸送情報欄で3000形という記載があったことだったかと思う。

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