KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2020.02.27

3月14日に予定されている京急線の駅名変更に伴い、京成3000形などで行先表示器の改修(ROM更新)が行なわれている。

X78920.jpg

京成3000形 3039編成・3023編成
2020.2.25/京成津田沼

▲京急線の駅名改称に合わせて行先表示が改修された京成3000形。京成線の行先についても正式名称の「京成xx」の表示に改められ、大きな変化が生じている

行先表示器の改修について、現時点で確認できている内容は以下のとおり。合わせて実施されている車内案内表示器の改修内容も記してある。

  • 行先表示「新逗子」を「逗子・葉山」に変更。車内の案内表示器も同様。
  • 車内案内表示器の「羽田空港国内線ターミナル」「羽田空港国際線ターミナル」「花月園前」「仲木戸」を「羽田空港第1・第2ターミナル」「羽田空港第3ターミナル」「花月総持寺」「京急東神奈川」にそれぞれ変更。
  • 行先表示「上野」「高砂」「小岩」「津田沼」「大和田」「うすい」「佐倉」「成田」「金町」を「京成上野」「京成高砂」「京成小岩」「京成津田沼」「京成臼井」「京成佐倉」「京成成田」「京成金町」にそれぞれ変更。車内の案内表示器も同様。
  • 行先表示「京急久里浜」を新規追加(3100形と3050形は2019年10月ダイヤ改正で実施済)。
  • 行先表示「蒲田」「川崎」を「京急蒲田」「京急川崎」にそれぞれ変更。
  • 車内案内表示器において、他社局線直通の案内を新規追加。
  • 車内案内表示器における案内の内容を最新版にアップデート。
  • 3400形は車内案内表示器のみ更新。
Z78636.jpg

京成3000形 行先表示「普通京成臼井」
2020.2.5/**

▲行先表示改修のビフォー・アフター。「うすい」がひらがななのは、1991年3月の北総・公団線(現・北総線)との直通運転開始で白井・西白井との混同を避けたためとされているが、このたび「京成臼井」表示に改められてひらがな表記が解消されることになった
A12216.jpg

京成3000形 LCD案内表示器(17インチ)
2020.2.25/**

▲車内のLCD案内表示器も改修。駅名の表記が行先表示と同様に「京成xx」に改められているほか、乗換先の路線に路線記号が追加されるなど内容がアップデートされている(改修前のLCD画面はこちらの記事を参照)
A12638.jpg

京成3000形 LCD案内表示器(15インチ)
2020.4.3/**

▲新規追加された直通列車の案内表示。写真は都営浅草線直通の表示で、次は押上のタイミングで表示される
A12641.jpg

京成3400形 LED案内表示器
2020.4.3/**

▲3400形のLED案内表示器もLCDに準じた内容の改修を実施。駅名表記がやはり「京成xx」となっている

改修は1月下旬に3000形6両編成から始まり、少し遅れて同8両編成や3100形、3700形でも改修が行なわれている。既に3000形6両編成は全編成が改修済、現在は8両編成で改修の作業が進んでいる。方向幕は今回の改修の対象外となっている模様で、今のところ何の変化も見られない。ただし、3400形の車内LED案内表示器はLCDに準じた内容に更新されている。

前述のとおり、今回の行先表示器と車内案内表示器のROM更新の主眼は京急線の駅名変更への対応となっている模様。しかし、そんなことよりも、京成線の駅名について「京成xx」という「京成」を冠した正式な駅名を表示するようになったのは大事件であろう。「上野」や「うすい」「成田」といった見慣れた行先表示が、「京成上野」「京成臼井」「京成成田」になったわけだから違和感が半端ないのである。

「京成xx」の行先表示は、昨年9月に実施されたAE形の行先表示改修に追随した格好になっている。AE形の記事でも記したように、京成では正式名称が「京成xx」の駅でも「京成」の冠称を省いたものを案内等で使用しており、行先表示も方向板の時代から一貫して省略表記としてきた。今回、AE形に続いて通勤型車両でも「京成xx」の行先表示を採用したことで、そうした慣例は大きな転換点を迎えることになった。

これまでの慣例を捨て、「京成xx」を使い始めた理由はなんだろうか。京成からの公式的なアナウンスは特にないが、ひとつあるとすれば情報化社会への対応が考えられる。例えば、乗り換え案内や経路検索では正式な駅名が使用される。交通機関を利用するときに、スマートホンなどで検索した経路を参照しながら行動する人も多いと思われるが、そうであるなら行先表示や案内サインには正式な駅名が表記されていたほうが混乱や間違いは少ない。スマホの画面には「京成臼井」と書かれているのに、行先表示や案内サインが「うすい」となっているのは、困る人には困るのだ。

そして、避けたいのは表記の揺れである。行先表示や車内の案内表示器で「京成xx」を採用し始めた以上、案内サインや発車案内、アナウンスにおいても「京成xx」とし、表記や表現を統一するべきであろう。これまで当たり前のように見ていた表記が変わってしまうことに一抹の寂しさも覚えるが、これもひとつの時代の流れというべきか。

4/12内容追加(LCD案内表示器の都営浅草線直通案内と3400形について)
4/28一部訂正

関連記事

京急線 さようなら新逗子行

さようなら、新逗子行。3月14日に予定されている京急線の駅名変更まで残すところ1週間。駅名変更は羽田空港国際線ターミナル(→羽田空港第3ターミナル)と同国内線ターミナル(→同第1・第2ターミナル...

京急線 さようなら新逗子行
京成AE形 行先表示に小変化

京成AE形の行先表示に小変化。9月中旬よりAE形の行先表示が改修され、その表示内容に変化が見られている。今回のAE形の行先表示改修でのポイントは、1.従来の経由表示に代わって「全席指定」という...

京成AE形 行先表示に小変化
京成3100形 行先表示LEDシミュレーター

JavaScriptというプログラミング言語の勉強を兼ねて、京成3100形の行先表示LEDを模したシミュレーターを作ってみましたよっ。お暇なときにでも遊んでみてくださいな。 ※実車が運用開始前...

京成3100形 行先表示LEDシミュレーター
京成電車 方向幕シミュレーター

JavaScriptというプログラミング言語の勉強を兼ねて、京成電車の方向幕を模したシミュレーターを作ってみましたよっ。やけに回転のスピードが速いのが特徴の行先表示器の挙動を再現してみたつもり...

京成電車 方向幕シミュレーター
京成3000形 行先表示LEDシミュレーター

JavaScriptというプログラミング言語の勉強を兼ねて、京成3000形の行先表示LEDを模したシミュレーターを作ってみましたよっ。京成車が表示可能な全ての種別行先を表示することが可能なので...

京成3000形 行先表示LEDシミュレーター

最新記事

京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在
京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)

今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月上旬より3400形3448編成において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行っている。佐倉市において毎年この時期に実施している観光キャン...

京成3400形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2024年)
新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正

新京成線、久しぶりにダイヤ改正を実施。新京成電鉄では、3月23日にダイヤ改正を実施した。平日朝における列車増発と夜間時間帯の運転間隔見直しが主な内容となっている。それぞれについて内容を見てみよう...

新京成線 2024年3月23日ダイヤ改正