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エトセトラ

2020.03.18

東洋バスの新時代が始まる。

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東洋バス 990号車・574号車
2020.3.15/村上車庫

▲3月15日からPASMOやSuicaなどの交通系ICカードが利用できるようになった東洋バス。車両には「バス利用特典サービス(バス特)」のバスマスクが装着され、交通系ICカードが導入されたことをPRしている

千葉市と八千代市を中心に運行する東洋バスと千葉シーサイドバスでは、3月15日より「PASMO」による交通系ICカードの利用サービスを開始した。これにより、「PASMO」「Suica」をはじめとした全国10種類の交通系ICカード1)で、両社の路線バスを利用することができるようになった。

東洋バスと千葉シーサイドバスは、首都圏では交通系ICカードが使えない稀有な事業者であった。そのことについてSNSなどをのぞいてみても、やれ面倒くさいだの、時代遅れだの、評判は散々なものばかり。1枚のカードをタッチするだけで全部やってくれるという便利さに慣れ切った現代人にとって、整理券を取って小銭を出してバスに乗るという行為は、服を着ずに南極大陸に放り出されるようなもの。しかし、それらはもはや過去のものになった。見てくださいよ、誇らしげに「バス特」のバスマスクを付けた東洋バス・千葉シーサイドバスの車両たちの立派な姿を!!

交通系ICカードが利用できるようになった15日、私は東洋バスのいくつかの路線を乗り回して様子を伺ってみたが、バス停で乗降があるたびに聞こえてくるのは交通系ICカードで決済したときのピッという電子音。導入初日にもかかわらず、既に多くの人が交通系ICカードで乗車しているようであった。そりゃあねえ、みなさんもうPASMOやSuicaの1枚くらいは持っているでしょう。誰もがこの日を待ち望んでいたのだ。

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東洋バス 344号車
2020.3.15/高津団地

▲ステッカー類をあまり貼らずに綺麗な車体を保っていたことに定評があった東洋バスだが、交通系ICカード導入に伴い前面に交通系ICカード全国相互利用サービスのICロゴを、側面中扉の手前に「バス利用特典サービス(バス特)」のステッカーを貼付
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東洋バス 高津団地バス停
2020.3.15/**

▲スカルプDのCM2)で一躍有名になった高津団地バス停の様子。主要バス停には交通系ICカードを案内する小さなポールが設置された
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東洋バス 運賃箱
2020.3.15/**

▲交通系ICカード導入のため、運賃箱を全取替え。小田原機器製の最新機種に交換されている
消費税率引き上げに伴う運賃の改定

東洋バスと千葉シーサイドでは、交通系ICカードの導入を予定していたことから、昨年10月1日に実施された消費税率引き上げにおいても運賃を据え置き、今回改めて消費税率10%に対応した運賃に改定した。交通系ICカード導入で1円単位で運賃が収受できるようになったことから、1円単位のIC運賃も設定されている。定期券は新たに金額式となり、利便性が大幅に上がった。

八千代中央駅〜東京女子医大八千代医療センターで設定されていた100円の現金運賃は廃止された。

回数券の廃止

交通系ICカード導入に伴い「バス利用特典サービス(バス特)」が利用できるようになったことから、従来の紙の回数券は廃止になった。

バス停名称の変更

以下、3ヶ所のバス停の名称が変更された。いずれもバス停名称としていた固有名詞が現存しなくなっていたものである。

  • 宝林閣前→黒沢台(東洋バス)
  • カルフール前→イオン幕張店(千葉シーサイドバス)
  • 県立幕張高校入口→ひび野一丁目(千葉シーサイドバス)
  • 1)交通系ICカード全国相互利用サービスとして「PASMO」「Suica」と相互利用が可能な「TOICA」「manaca」「ICOCA」「PiTaPa」「SUGOCA」「nimoca」「はやかけん」で計10種類。
  • 2)スカルプD メディカルミノキ5 バス停篇 30秒 - YouTube
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