KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2020.05.26

さようなら、千葉シーサイドバスのKC-MK219J。

X72695.jpg

千葉シーサイドバス 1592号車
2018.11.18/本社営業所

▲千葉シーサイドバス1592号車。1996年から導入されたエアロミディKC-MK219Jのうちの1台で、最後まで残っていた車両であった
X72745.jpg

千葉シーサイドバス 1592号車
2018.11.18/ZOZOマリンスタジアム

▲うしろ側

千葉シーサイドバスでラスト1台となっていたツーステップのエアロミディ、1592号車がこのほど除籍された。これにより、東洋バス・千葉シーサイドバスからKC-MK219Jの型式の車両が消滅した。

1592号車はもと東洋バスで、1996年から導入されたKC-MK219Jのうちの1台。同社でツーステップ車両最末期となる1999年に導入された車両となっている。千葉シーサイドバスに移籍したのは2006年のことであった。2015年ごろより同型の車両が次々と落ちる中、1592号車は幸運にも(しぶとく?)生き残り、晩年は習志野市茜浜の物流倉庫にて企業輸送用の車両として動いていた。

ツーステップ世代の東洋バスと言えば、1980年代後半から1990年代にかけての角目ヘッドライトやブルーガラスの引き違い窓(いわゆるメトロ窓)という、他の事業者とは一線を画したコテコテの仕様が思い出される。残念ながらそのこだわりは1998年式と1999年式の車両で薄らいでしまい、1592号車もメトロ窓ではないのだが、腰部に装着した側面方向幕や前後ドアという扉配置からは、一昔前の東洋バスの中型車の雰囲気を十分に残していた。よく令和の時代まで生き残ったものだと思う。

X72838.jpg

千葉シーサイドバス1592号車 車内
2018.11.18/**

▲車内も一昔前の雰囲気。この世代の車両の特徴であった淡い色のモケットの座席が並ぶ

1592号車で面白いのは、車体における千葉シーサイドバスの表記の多さだ。冒頭の写真、何ヶ所に千葉シーサイドバスと書いてあるでしょう?

答えは、9ヶ所。車体に大書きされた社名表記(側面・後面合わせて3ヶ所)のほか、LED行先表示器に1ヶ所ずつ(3ヶ所、側面のLEDはCHIBA SEASIDE BUSと表示してある)。そして、側面方向幕と前扉の上、運転席側引き違い窓の上に1ヶ所ずつで計9ヶ所である。側面方向幕は行先表示のLED化に伴い使わなくなったので千葉シーサイドバスの社名表示で固定したもの、ドア上と運転席上の表記は広告ラッピングをしていた際の名残となっている。さらに、前面に千葉シーサイドバスと書かれたサボを装着していたこともあったので、最大で10ヶ所もの社名表記が見られるという、やたらと愛社精神(?)に溢れた1台であった。

なお、先に除籍された同型車には、地方のバス事業者への移籍例がある。この車両も新天地での活躍はあるのだろうか。はたして・・・?

  • 東洋バス
  • タグはありません

関連記事

東洋バス2304号車 いすゞエルガ2RG-LV290Q4

​​東洋バスにいすゞエルガがやってきた。東洋バスでは、2023年5月から6月にかけて大型の路線バス4台を導入した。2021年導入の新車から適用されている「導入年の下2桁+導入順」を希望ナンバーと...

東洋バス2304号車 いすゞエルガ2RG-LV290Q4
東洋バス2095号車 いすゞエルガミオ2KG-LR290J3

東洋バスにいすゞエルガミオが初登場。当Webサイトでも再三にわたりお伝えしているように、東洋バスにおける2018年は特異な年であった。同社の創立70周年ということもあり、これを記念した路線バス...

東洋バス2095号車 いすゞエルガミオ2KG-LR290J3
東洋バス70号車 創立70周年記念の復刻塗装車両

祝・東洋バス創立70周年。今年で創立70周年を迎えた東洋バス。当Webサイトでもご報告したように、これを記念したツアーが東洋バスと千葉シーサイドバスで合わせて3回開催されてきたところである...

東洋バス70号車 創立70周年記念の復刻塗装車両
千葉シーサイドバス 車両一覧

本稿は千葉シーサイドバスに在籍している車両および過去に在籍していた車両を表にまとめたものである。2003年の設立からの全車両を掲載しているつもりである。千葉シーサイドバスではいわゆる社番が...

千葉シーサイドバス 車両一覧
東洋バス 車両一覧

東洋バスに在籍している車両および過去に在籍していた車両を表にまとめたものである。車両一覧というからには本来は創業時からの全車両を掲載すべきだが、過去にさかのぼればさかのぼるほどよくわからなく...

東洋バス 車両一覧

最新記事

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K

京成車の特急泉岳寺行が登場。平日1681Kレは、京成車で運転される特急泉岳寺行である。2023年11月ダイヤ改正で登場した列車となっている。京成車の泉岳寺行は都営浅草線西馬込始発のものは数多く...

四直珍列車研究 134 - 平日 1681K
京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)

空とあなたと夏詣。京急電鉄では、6月末より「京急夏詣キャンペーン2024」の実施に合わせて、「京急夏詣号」の運転を行っている。「夏詣」キャンペーンは同社が2019年度より毎年実施しているもので...

京急1000形 「京急夏詣号」運転(2024年)
都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える

都営浅草線の自動放送どうするの問題を考える。列車内における案内として重要なアナウンス。アナウンスでは列車の種別行先や次駅の案内が行われるが、昨今では自動放送が主流となっており、車掌が自らの肉声で...

都営浅草線 自動放送どうするの問題を考える
船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」

「ふなっしー」なバスが走る。船橋新京成バス2741号車が特別仕様「ふなっしー号」として走ってる。「ふなっしー」といえば千葉県船橋市を中心に暴れている同市で人気の非公認キャラクターだが、2023年...

船橋新京成バス2741号車 「ふなっしー号」
北総車の京急線内特急運転が復活

約19年ぶりに復活した北総車の京急線内特急運転を見る。京急線に大きな変化をもたらした2022年11月ダイヤ改正。京急自ら「23年ぶりの大改正」としたこのダイヤ改正では、特に日中時間帯の運行...

北総車の京急線内特急運転が復活