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エトセトラ

2020.07.17

祝・成田スカイアクセス線10周年。

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京成AE形 運行開始初日の花束贈呈
2010.7.17/京成上野

▲10年前の今日、成田スカイアクセス線が開業した。写真は開業1番列車となるスカイライナー1号京成上野発車前の花束贈呈

10年前の今日、私は成田スカイアクセス線の開業1番列車となるスカイライナー1号の乗客になっていた。10年ひと昔とはよく言ったものだが、今でもその時の雰囲気は昨日のことのように覚えている。それから10年、2020年7月17日に成田スカイアクセス線は開業から10周年を迎えた。この10周年というめでたき節目を記念して、本稿では成田スカイアクセス線のこれまでの歩みを簡単に振り返ることにする。さらに、同線が今後どのように発展していくのか、その展望を少しばかり占ってみたい。

都心〜成田空港を36分で結ぶスカイライナーが誕生

2010年7月17日に成田スカイアクセス線が開業した。それまで京成本線を走っていたスカイライナーは、全て成田スカイアクセス線経由に切り替えられた。同線を走るスカイライナーは在来線で最速となる160km/h運転を行い、日暮里〜空港第2ビル間を36分で結んでいる。まさに成田空港アクセス輸送の新時代が始まったのである。

それまでの成田空港と言えば、とにかく遠いというイメージが定着していた。空港第2ビルまで最速でも51分かかる京成本線経由のスカイライナーはツカエナイナーと揶揄される始末。それが一気に15分も短縮されたわけだから、革命が起きたといっても大げさではなかった。空港の近さはその都市の国際競争力にも影響する。成田スカイアクセス線の開業は首都圏にとっても大きなことであった。

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京成AE形 AE1編成
2011.3.11/大 町

▲成田スカイアクセス線の開業とともにデビューした2代目・AE形。印旛日本医大〜空港第2ビル間で在来線最速となる160km/h運転を行い、日暮里〜空港第2ビルを35分50秒で走り抜ける

成田スカイアクセス線の成否は、その後のスカイライナーの無双っぷりを見れば明らかであろう。2011年3月に発生した東日本大震災の影響でいったんはつまずいたものの、成田空港の拡張や政府のインバウンド政策により利用者数は順調に推移。ダイヤ改正が行われるごとに増発が繰り返された。2010年7月に1000円前後だった京成電鉄の株価は、2020年の新型コロナウイルス感染拡大前の時点で4000円まで上昇。まさしくスカイライナーが同社の好調を牽引してきたというわけである。

スカイライナーの増発の歴史

というわけで、成田スカイアクセス線の歴史はスカイライナーの増発の歴史でもある。簡単に振り返ってみよう。成田スカイアクセス線の開業以降、2019年までにスカイライナーが増発されたのは2014年10月ダイヤ改正、2016年11月ダイヤ修正、2017年10月ダイヤ改正の3回。合わせて2.5往復分が増発され、54本で始まったスカイライナーの本数は59本までになった。京成では、2015年5月に達成したスカイライナーの利用者数1500万人を皮切りに500万人刻みで記念のヘッドマーク掲出を行っているが、時間が経つにつれてこのヘッドマークを掲出のするまでの間隔が短くなっていった。

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京成AE形 AE4編成
2015.6.25/大 町

▲「ありがとう1500万人」ヘッドマークを掲出して走るAE形。1500万人達成から2000万人達成までが1年4ヶ月かかったのに対し、3000万人から3500万人までは1年足らずで達成している

しかし、2019年までに実施されたスカイライナー増発は、当時在籍していたAE形8編成でこなせる分だけであった。したがって、開業当初より2.5往復分を増発した時点で、AE形はギリギリの運用を強いられていたものと思われる。それでもインバウンドの増などの追い風を受けた利用者の増加や成田空港の運用時間の拡大を控え、抜本的な対策が求められていた。そうして、2019年10月ダイヤ改正を迎えるわけである。

2019年10月26日ダイヤ改正

2019年10月ダイヤ改正は、スカイライナーにとって成田スカイアクセス線開業以来の大きなダイヤ改正になった。同改正におけるスカイライナーの増発がそれまでと異なるのは、AE形の増備を伴っていたことだった。AE形として9年ぶりの新造車となるAE9編成を導入。これによりスカイライナーの本数は一挙4割増となり、終日にわたる20分間隔での運転が達成された。スカイライナーはいつでも待たずに気軽に乗れるという、空港アクセス列車としての理想型を手に入れたのだった。

このスカイライナーの大増発にあたっては、2017年度より検討を行っていたことが業界団体の広報誌1)で明らかになっている。AE形の増備だけで19億円という大規模な投資を伴うことから、その効果などを十分に見極めて上で増発に踏み切ったという。スカイライナーの終日20分間隔化は、成田スカイアクセス線の最初の10年間の総仕上げであるとともに、スカイライナーの地位をより確固たるものにしようとする京成の挑戦でもあったのだ。

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京成AE形 AE9編成
2019.10.2/小室〜千葉ニュータウン中央

▲2019年9月に増備されたAE9編成。この編成の増備により、スカイライナーの大増発、終日20分間隔化が実現された
新型コロナウイルス感染拡大の影響下で迎えた10周年

以上、満を持して2020年を迎えるはずだった。本来であれば今ごろは1週間後に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、20分間隔で走るスカイライナーは連日満席でウハウハ状態となるはずだった(たぶん)。しかし、中国・武漢を端に発する新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、人々の暮らしに大きな影を落とした。人々の移動は制限され、飛行機は飛ばなくなり、あれだけ多く見られたインバウンドもすっかりと姿を消した。

こうした影響をモロに受けた京成では、応急策としてスカイライナーの一部青砥停車と減便を実施。これらは現在も継続中である。以前の記事でレポートしたように、スカイライナーは目下ガラガラな状態で走っている。成田スカイアクセス線の10周年という節目が、このような情勢の下で迎えられることになってしまったのはきわめて残念に思われる。

しかし、一時期の緊急事態宣言発令という最悪な状況を脱し、社会が明るい方向へ向かっていく中で、成田スカイアクセス線10周年についての記念施策2)を実施することができたのは、大きな救いであろう。

(つづく)

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