2020.08.31
さようなら、船橋バス。
かつて船橋バスというバス事業者があったのを覚えているだろうか。船橋市高根町に本社を構えていた船橋バスは、船橋グリーンハイツの団地輸送のために設立されたバス会社であった。同社が運行していた路線は、船橋駅北口と船橋グリーンハイツを結ぶ路線のみ。いかにもローカルなバス会社といった趣きだが、新京成バスのエリアにあって、このような形態になったのは当時のさまざまな事情が絡んだ結果らしい。赤色の新京成バスが集う船橋駅北口に突っ込んでいく緑帯のバスが印象的だった。
船橋バスは2007年10月に船橋新京成バスに吸収され、同社が運行していた路線は船橋新京成バスの船橋グリーンハイツ線になった。在籍していた車両も全て船橋新京成バスに移籍となったが、車両についてはF-131号車1)を除いて社番や塗装はそのままに運行されたため、そこには消滅したはずの船橋バスがあたかも存続しているかのような雰囲気があった。
さて、その「かつて船橋バスだった車両」も月日とともに数を減らしていった。2019年度末の時点で残っていたのは、表題のF-132号車と前述の1400号車(←F-131号車)の2台。そして、船橋バスの塗装を残していた最後の1台だったF-132号車が7月中旬をもって引退したようである。F-132号車は2006年式のいすゞエルガPJ-LV234N1で、船橋バスが最後に導入した車両のうちの1台であった。船橋バスの消滅から13年、その名残だった塗装の車両も引退を迎え、名実ともに船橋バスは記憶の中のものになった。さようなら、船橋バス。
- 1)船橋新京成バスの標準塗装に変更の上、1400号車に改番。
- ツイート
- #
- 京成バス
- タグはありません
関連記事
京成バス1009号車 いすゞエルガデュオLX525Z1
初物づくしの1台。2020年10月、東京都心と臨海副都心を結ぶ新しい交通機関として東京BRTが開業した。開業時より9台の車両で運行していることは以前の記事でご紹介したとおりだが、ここでは特に...
東京ベイシティ交通6301号車 日野ポンチョ研修車
東京ベイシティ交通6301号車は、研修車として使用している日野ポンチョである。浦安市を走る「おさんぽバス」。2002年4月に運行開始したこのコミュニティバスは、市民病院線(現・医療センター線)を...
ちばグリーンバスCG-762号車 凄い経歴を持つレインボーHR
ちばグリーンバスCG-762号車の凄い経歴をご紹介しよう。ちばグリーンバスCG-762号車は、2003年式の日野レインボーである。2019年10月に発生した豪雨災害に対する復旧支援で関東鉄道から...
ちばグリーンバスCG-302号車 奇跡の復活を遂げたV8エルガ
ちばグリーンバスCG-302号車、奇跡の復活劇。ちばグリーンバスCG-302号車は、2003年式のいすゞエルガ(KL-LV280N1)である。ちばグリーンバスオリジナルのカラーではなく京成バス...
松戸新京成バス3307号車 創立15周年記念特別塗装車両
新京成バスの分社化から15年。松戸新京成バスでは、昨年12月よりこれを記念した特別塗装の車両を走らせている。2018年10月1日に創立15周年を迎えた松戸新京成バスでは、同年12月よりこれを...
最新記事
四直珍列車研究 132 - 平日 2300
押上線の6両編成、しれっと復活してしれっと消える。平日2300レは、かつて運転されていた普通押上行である。2022年2月ダイヤ改正で設定された、押上線を走る唯一の6両編成の列車であった。押上線の...
国鉄型車両を訪ねて 26 - JR東日本201系 通勤快速成東・勝浦行
さようなら、「なるかつ」。「へー、京葉線なのに勝浦まで行くヤツがあるんだ。」ある時に時刻表の京葉線のページを眺めていて「発見」した勝浦という文字は、私の中で驚きとともにやけに魅力的に映った...
北総線 タブレット端末を活用した自動放送を導入
北総線で自動放送始まる。北総鉄道では、2月16日より列車内における自動放送の使用を開始した。対象となるのは、他社局線からの直通車両を含む北総線の全ての列車となっている。京成線と京急線で実施して...
新潟交通新潟駅万代口バスターミナル 最後の勇姿
本州における日本海側で最大の都市、新潟。新潟で見るべきもの言えば、重要文化財に指定されている萬代橋でも越後一宮・彌彦神社でもなく、新潟駅万代口のバスターミナルである。2月末に新潟に行く機会が...
京成AE形 「スカイライナー運行開始50周年記念」ヘッドマーク
祝、運行開始50周年。京成電鉄では、12月末よりAE形において「スカイライナー運行開始50周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。これは2023年12月30日にスカイライナーが運行を開始して...