KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2020.09.30

私たちの頭上でやさしく微笑む彼らのお話。

X70762.jpg

京成線 座席定員表示シール(8人がけ)
2018.6.21/**

▲京成線の一部の車両に貼られている座席定員を示す着席ステッカー。タマゴのようなキャラクターが描かれている

世の中にはさまざまなキャラクターが溢れているが、京成線におけるキャラクターをひとつご紹介しよう。キャラクターと言っても、現在進行形で調子こいてるパンダや、2010年ごろから行方がわからなくなっているスカイくんとライナちゃんではないぞ。私たちの頭上でやさしく微笑んでいる彼らである。

京成線の一部の車両には、座席定員を示す着席ステッカーが貼られている。そこに描かれているタマゴのようなキャラクターが彼らである。長らく京成線を利用されている方であれば必ず目にしているであろうこのキャラクターたちだが、正式な名前があるのかないのかなど、その正体は謎につつまれている。ここでは勝手に"タマゴくん"と呼ぶことにしよう。

「京成電鉄85年の歩み」によれば、この着席ステッカーが車両に貼られたのは1985年とのこと。京成パンダが2006年生まれ、スカイくんとライナちゃんが1990年度に登場したAE100形をモチーフにしていることを考えると、彼らの先輩にあたる。タマゴくんはキャラクターとして制作されたわけではなく、座席定員を明示するためのイラストにすぎないのだが、そのふんわりとした雰囲気は実に印象的。昨今のキャラクターにありがちなデジタルなイラストではなく、手書きで丁寧に描かれた感じもよい。そんな彼らに思いやりヨロシクとやさしく語りかけられたら、気持よく定員を守って座る気分にもなるものだ。

現存しているステッカーは、8人がけ用、6人がけ用、5人がけ用、3人がけ用の4種類。かつては4人がけ用のものもあったらしい。タマゴくんのイラストは使い回しをせずに、それぞれのステッカーでオリジナルのものが描かれている。

X70768.jpg

京成線 座席定員表示シール(3人がけ)
2018.6.21/**

▲先頭車両最前部に貼られている3人がけバージョン。3500形更新車では2人がけ座席があるが、2人がけ用のステッカーは制作されなかった
X79232.jpg

京成線 座席定員表示シール(5人がけ)
2020.3.30/**

▲5人がけ用のもの。イラストは使い回さずにオリジナルのものが描かれている
X80886.jpg

京成線 座席定員表示シール(6人がけ)
2020.11.20/**

▲6人がけ用

そんなタマゴくんの着席ステッカーだが、残念ながら徐々に数を減らしている。特に2000年代に入ってからは新規で貼られる機会が減少しており、2002年度に登場した3000形以降の車両では最初から着席ステッカーは貼られていない。また、着席ステッカーが貼られていた車両でも、3500形や3700形では検査や車体改修を機に剥がされてしまったものもある。その原因のひとつにバケットシートの普及があろう。バケットシートはそれ自体で着席区分が明確なため、着席定員を改めて表示する必要がなくなっている。

現在、タマゴくんの着席ステッカーが見られるのは3500形の一部と3600形、3400形となっている。しかし、これらの車両はいずれも廃車が進んでおり、これらの車両の淘汰とともに着席ステッカーも自然消滅するものと思われる。タマゴくんたちは消え行く運命にある。

電車内以外の"タマゴくん"たち
A14354.jpg

京成津田沼駅 配布用時刻表

▲京成津田沼駅の配布用時刻表。タマゴくんのイラストが余白を埋めるのに使われている

着席ステッカーのタマゴくんだが、少しだけ電車の外でも見ることができた。一部の駅の配布用時刻表では、余白の部分にタマゴくんのイラストがあった。上の写真は京成津田沼駅のものだが、5人がけ用のイラストをそのまま転載する格好で掲載されている。このほか、2000年ごろに制作されたマナーポスターでは、明らかにタマゴくんを意識したイラスト1)がデザインされたことがある。

面白いところでは、京成バスの車内でもタマゴくんを見かけることができた。バスの一番うしろの5人がけ座席のところに、電車で使われている着席ステッカーが貼られている車両が存在した。

X78386.jpg

京成線 座席定員表示シール
2019.12.26/**

▲京成バスの一部にタマゴくんの着席ステッカーが貼られている車両があった
  • 1)京成時刻表Vol.21、P94、P177。

関連記事

京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる

2021年3月に運用開始を予定している京成線のデジタルSR列車無線の導入について、このほど新しい動きがあったので見てみよう。2017年度より進められている京成線の列車無線更新。これに関連して...

京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる
京成線 タブレット端末を活用した自動放送始まる

京成線に自動放送がやってきた。3月29日より、京成線で自動放送の使用が始まった。対象となるのは従来より自動放送を実施している成田スカイアクセス線のアクセス特急を除く京成本線や千葉・千原線など...

京成線 タブレット端末を活用した自動放送始まる
京成線 新しくなった路線図を見る

京成線の新しくなった路線図を見てみよう。3月14日。JRをはじめとした全国一斉のダイヤ改正日となった今日は、新駅開業や路線の復活、運行系統の改変、車両の世代交代などがあり、喜びと悲しみが交錯する...

京成線 新しくなった路線図を見る
京成3000形「京成パンダ号」ヘッドマーク&ラッピング電車

京成電鉄では、12月26日より「京成パンダ号」ヘッドマーク&ラッピング電車の運転を行なっている。​上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン(香香)」。2017年6月に誕生してからその...

京成3000形「京成パンダ号」ヘッドマーク&ラッピング電車
京成パンダ de ドアにご注意! Ver. 2017

京成パンダのドアステッカーにまたまた新しいバージョンが登場。​2月ごろより、京成パンダのドアステッカーに新しいバージョンがお目見えしている。京成パンダのドアステッカーは昨年にも北総鉄道で新しい...

京成パンダ de ドアにご注意! Ver. 2017

最新記事

京葉線 幕張豊砂駅で勝手にE231系・209系撮影会

3月18日に開業した京葉線幕張豊砂駅。先日、訪れる機会があったのでレポートしてみたいと思う。幕張豊砂駅の最遅レビュー。京葉線新習志野~海浜幕張間に開業した幕張豊砂駅。駅は幕張新都心の西側、千葉市...

京葉線 幕張豊砂駅で勝手にE231系・209系撮影会
都営5300形 四直各線を走り回った日々 その2

都営5300形の活躍を振り返る。その2。都営5300形の2月23日の営業運転終了から早くも半年。本稿では、そんな5300形の長年の功績を讃えて同車が走り回った日々を簡単に振り返ってみたい。第2回...

都営5300形 四直各線を走り回った日々 その2
東洋バス路線図 2023年9月1日版

当Webサイトでは、2022年10月の「東洋バス路線図 2022年10月1日版」と題する記事にて東洋バスの路線図を公開していたところであるが、約11ヶ月ぶりに改訂版を発行する。東洋バスでは9月...

東洋バス路線図 2023年9月1日版
京急1000形1001編成 6年半ぶりの直通運用

京急1000形、1001編成が6年半ぶりに直通運転に復帰。2002年4月に営業開始した京急1000形。導入開始から21年を経て今なお製造が続けられ、先ごろには今年度導入の22次車となる1500...

京急1000形1001編成 6年半ぶりの直通運用
京急線 普通列車の走り方の変化

京急線の普通列車の走り方を見る。京急線で2022年11月26日に実施されたダイヤ改正。日中時間帯の運行パターンの刷新は、京急自ら「23年ぶりの大幅ダイヤ改正」と表現するほど大きなものであった...

京急線 普通列車の走り方の変化