2020.09.17
京急線で日中時間帯に運転されている品川〜京急蒲田間の普通列車、通称"蒲田ローカル"。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で運休とされているが、その状況をレポートしよう。

京急新1000形 1065編成
2018.7.1/大森海岸
世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、特に運輸業界に暗い影を落としている。京急線でも4月中より運行計画を変更し、5月の大型連休から品川〜京急蒲田間の普通列車、通称"蒲田ローカル"のほぼ全ての列車が運休になるなどの大きな影響が出ている。
蒲田ローカルで運休となっているのは、平日下り:品川11時14分発〜15時34分発、平日上り:京急蒲田10時46分発〜15時6分発、土休日下り:品川10時14分発〜18時54分発、土休日上り:京急蒲田9時46分発〜18時26分発の各列車(平日28本、土休日54本)。通常であれば日中時間帯の品川〜京急蒲田間では毎時9本の普通列車が運転されているが、蒲田ローカルが運休しているため同区間の普通列車は浦賀などを発着する運行系統のみ10分間隔での運転となっている。
平日に3本のみ運転される蒲田ローカル
さて、蒲田ローカルが運休になっている日中時間帯、京急蒲田駅を訪れてみると、切り欠きホームの2番線と5番線に蒲田ローカルの回送車が停まっているではないですかい。お前ら、運休になったはずでは・・・?

京急新1000形 1417編成
2020.7.21/京急蒲田

京急新1000形 1481編成
2020.7.21/京急蒲田
蒲田ローカルが全て運休になっているかというと、そうではない。平日の品川10時54分発京急蒲田行(1070レ)と京急蒲田15時36発・同56分発品川行(1577レ・1571レ)の3本のみが運休とならずに運転されている。これらの列車が生き残っている理由は前後の運用の都合による。1070レは金沢文庫始発普通からの折返し、1577レと1571レは品川で折返し浦賀行あるいは神奈川新町行になるため、運休したくてもできないのだ。
これに伴い、蒲田ローカルの充当車両は平日に限り京急蒲田2番線と5番線で長時間の待機を行っている。2番線で待機するのは71運行。71運行は1070レで京急蒲田2番線に到着した後、そのまま15時台まで待機。京急川崎行の回送1470レから再び動き出し、折返し1571レに充当する。5番線で待機するのは77運行で、神奈川新町を出庫した1177レ回送車が京急蒲田5番線に到着の後、1577レ普通品川行になるまで待機となる。日中時間帯の営業中のホームに車両が延々と停車しっぱなしという光景は少し異様だが、車庫に戻しても邪魔になるだけだろうし、余計な回送を運転しないためにも都合のよいやり方なのだろう。
土休日ダイヤの蒲田ローカルは全列車が運休となるため、平日のような光景は見られない。土休日ダイヤの蒲田ローカルは813Aレ〜903Aレの金沢文庫からの増結車が充当される運用となっているが、京急川崎で分割の後、そのまま折り返して神奈川新町まで回送、新町検車区に入庫する。
京急線におけるそのほかの運行計画変更
京急線では蒲田ローカルの運休のほかにも運行計画の変更を実施した。時系列の順に記す。
- 4月11日より、土休日ダイヤの一部快特で実施している「ウィング・シート」を休止。
- 4月18日、25日、上り特急および下り快特の増結を中止(813Aレ〜903Aレを除く)。
- 5月2日〜6日、上り特急および下り快特の増結を中止(813Aレ〜903Aレを含む)。蒲田ローカル運休。
- 5月9日より、蒲田ローカルを運休(現在も運休中)。土休日ダイヤにおいては上り特急および下り快特の増結を中止(813Aレ〜903Aレを含む)。
- 6月6日、土休日ダイヤの増結を再開。
- 7月18日、「ウィング・シート」再開。なお、この時より座席指定券(Wing Ticket)が車内にて現金で購入できるようになった。
- 7月20日、平日ダイヤを一部変更。887SHレと976SHレの品川〜金沢文庫間を12両編成化。これに伴い、871レの車両交換を金沢文庫から神奈川新町に、915レの車両交換を神奈川新町から金沢文庫にそれぞれ変更。
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