KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2020.11.16

11月10日、京成電鉄より2020年度の鉄道事業設備投資計画1)が発表された。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。

D34349.jpg

京成3100形 3153編成
2020.7.17/京成臼井〜京成佐倉

▲今年度の新造車、3150形3153編成。すでに営業運転を開始しており、投資計画では事後報告という形になった
例年より半年遅れの計画発表

例年は5月中旬頃に発表されている京成の鉄道事業設備投資計画だが、今年度は大幅に遅れて異例の11月中の発表となった。世界的に猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症の影響であることは言わずもがなである。最も酷かった時期で有料特急の運賃収入が前年度比で90%減、2021年3月期の連結最終損益も262億円の赤字を予想2)するなど、散々な状態である。今年度の投資額は176億円となっており、2018年度(201億)や昨年度(227億)と比べると大幅な減額。当初計画の見直しを迫られたことは想像に難くない。

車両関連 - 3100形を導入 ほか

車両についての内容は以下のとおりである。

  • 3100形を導入(8両編成2本、実施済)
  • 車内照明のLED化(AE形2本、3000形6本)
  • 通勤型車両に防犯カメラを設置

車両については、今年度は3100形8両編成2本を導入する。既に3153編成と3154編成がともに7月中旬より営業運転を開始しており、設備投資計画では事後報告という形になっている。

なお、京成が6月に開示した有価証券報告書3)によれば、来年度も16両の鉄道車両を新造する予定とのこと。引き続き成田スカイアクセス線仕様の3100形を導入するものとみられ、3155編成と3156編成が製造される見込みである。

このほか、設備投資計画には記載がないものの、3700形の車体改修工事が終盤を迎えている。2011年度の3708編成から始まった車体改修工事は今年7月に3868編成まで完了し、未改修で残るのは北総鉄道にリースしている編成のみ。3700形の車体改修工事が終わり次第、3000形の車体改修工事が実施されていくものと思われる。また、今年でデビューから10年を迎えたAE形についてもそろそろリニューアルのタイミングが近づいていると思われ、来年度あたりからそこらへんの動きがあるのかどうか気になるところ。

駅・設備関連 - 京成西船駅と千葉中央駅をリニューアル ほか

続いて駅・設備関連を見てみよう。

  • 駅施設リニューアル(京成西船、千葉中央)
  • 耐震改修(京成大久保駅舎、千葉中央〜千葉寺間高架)
  • 成田空港駅にホームドアを設置
  • 駅構内の行先表示器の多言語化(青砥、京成高砂)
  • LCD型行先表示設備の設置(堀切菖蒲園、国府台、志津)
  • 多機能トイレ設置(みどり台、千葉寺、おゆみ野)
  • デジタル方式の列車無線装置への更新
  • 京成立石駅付近の連続立体交差化工事の推進
  • など
A12635.jpg

ユーカリが丘駅 LCD行先表示設備
2020.4.3/**

▲昨年度から設置が進められている液晶ディスプレイ型の行先表示設備。列車の在線位置も表示されてたいへん便利なのだが、本線に出ていない列車が案内されないという欠点がある(写真の例だと9時56分発快速京成上野行の次の10時7分発普通京成上野行が空欄になっている。※当該の列車は写真の時点で京成臼井の折返し線にいるため)

駅舎のリニューアルについては京成西船が夏ごろに完了しているほか、千葉中央が西口ビルの建替えに合わせて2021年度完了の予定で工事が進められている。京成大久保の駅舎の耐震改修は駅舎丸ごと建替えとなる模様で、現在は仮駅舎の建設が進められている段階。こちらは2022年度完了予定。

成田空港駅にホームドアを設置した。これにより、2020年度までに整備するとしていた日暮里、空港第2ビル、成田空港の3駅へのホームドア設置が完了した。このほか、ホームドアについては東京都「鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方」に基づく整備計画4)において、押上(2021〜2023年度予定)と京成立石(未定)の駅名が挙がっている。京成立石は連続立体交差化の最中だが、高架新駅へのホームドア設置が計画されているようだ。

初出なのは液晶ディスプレイ(LCD)型の行先表示設備の設置。今年度は堀切菖蒲園、国府台、志津の3駅に設置される予定となっているが、実は昨年度より登場しており実籾やユーカリが丘では既に稼動しているものが見られる。

2017年度より進められている列車無線更新は、いよいよ2021年3月より運用開始予定。今年度に入ってからSRアンテナを本設した車両がお目見えしているほか、基地局の設置、無線関連とみられる試運転が実施されているなど、準備はたけなわになっている。

関連記事

京成線 印旛日本医大始発「臨時ライナー」運転開始

印旛日本医大始発「臨時ライナー」が登場。京成電鉄では、10月1日よりAE形を使用した印旛日本医大始発「臨時ライナー」の運転を開始した。停車駅は印旛日本医大、千葉ニュータウン中央、青砥、日暮里...

京成線 印旛日本医大始発「臨時ライナー」運転開始
京成3100形3153編成・3154編成 登場

7月上旬より、京成3100形の2次車にあたる3153編成と3154編成がお目見えしている。京成電鉄では、2020年度の予定として3100形8両編成2本の新造を計画していたが、3153編成と...

京成3100形3153編成・3154編成 登場
京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる

2021年3月の運用開始を予定している京成線のデジタルSR列車無線の導入について、このほど新しい動きがあったので見てみよう。2017年度より進められている京成線の列車無線更新。これに関連して...

京成3000形・3700形 デジタルSR無線アンテナの本設始まる
京成グループ 車両の動き(2019年度)

年度末ということで、京成グループにおける2019年度の車両の動きをまとめてみよう。2019年度、京成電鉄は3100形8両編成2本(3151編成・3152編成)とAE形8両編成1本(AE9編成)を...

京成グループ 車両の動き(2019年度)
京成電鉄「2019年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から今年度における設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも13日の夕方に発表があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。今年度は...

京成電鉄「2019年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

最新記事

京成線の終電繰り上げと始発繰り下げ 新ダイヤを予想する

新型コロナウイルス感染症の流行による深夜の鉄道利用の減少と、夜間の保守作業の時間確保を目的に、JR東日本を始めとした首都圏の各鉄道事業者では終電の繰り上げがひとつのトレンドになっている。このほど...

京成線の終電繰り上げと始発繰り下げ 新ダイヤを予想する
京成AE形「成田スカイアクセス線開業10周年」ヘッドマーク

祝・成田スカイアクセス線開業10周年。7月に開業10周年を迎えた成田スカイアクセス線。京成電鉄ではこれを記念したさまざまな施策が実施されているところであるが、この一環としてAE形がヘッドマークを...

京成AE形「成田スカイアクセス線開業10周年」ヘッドマーク
京成電鉄「2020年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

11月10日、京成電鉄より2020年度の鉄道事業設備投資計画が発表された。これを読んで、同社の今後の動きを探ってみよう。例年は5月中旬頃に発表されている京成の鉄道事業設備投資計画だが、今年度は...

京成電鉄「2020年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
四直珍列車研究 111 - 平日 1111T

ある列車で起こったミラクルな話。平日1111Tレはかつて運転されていた羽田空港国内線ターミナル発印旛日本医大行である。日中時間帯に設定されている羽田空港〜北総線系統の一列車にすぎず、見た目的には...

四直珍列車研究 111 - 平日 1111T
山万ユーカリが丘線 路線バス事業の概要

山万ユーカリが丘線、路線バスの運行が始まる。不動産業を営む山万は、自社で開発したニュータウンの中に住民の利便のため鉄道を敷設してしまうという稀有な事業者であることが広く知られている。京成線の...

山万ユーカリが丘線 路線バス事業の概要

京成駅施設