2020.12.27
E217系、終焉へのカウントダウンが始まる。
12月21日、E235系が横須賀・総武快速線で営業運転を開始した。同線はE235系にとって山手線に続く第2の投入線区となり、分割・併合を伴う15両編成で運転する初めての事例となる。デビューの翌22日にドア故障が発生して山手線のデビュー時のことが頭をよぎったが、そのほかに大きなトラブルはなく、順調な滑り出しを見せている。
E235系の運転開始について、まずはおめでとうございますと言っておこう(何様)。総武線の快速を利用する機会が多い私としても、新型車両の登場は素直に嬉しいことである。何せ、E217系は209系と同じくJR東日本が「寿命半分」をコンセプトに車両をつくっていた時代の産物。2007年より実施された更新工事ではVVVFインバーター装置をはじめとした床下主要機器類が一新されたものの、車体は基本的に製造時のままを保つ。経年劣化で床がベコベコになっている車両も存在し、コスト重視で設計が簡略化された薄暗い内装は、お世辞にも快適な車内空間を提供してもらっているとは言えない。それだけに、横須賀・総武快速線が山手線に続くE235系の投入先となることが発表された際は小躍りしたものである。
E217系はJR東日本の中でもまれに見る専用形式である。黎明期の湘南新宿ラインでは新宿まで走ったり、一部の編成が一時的に東海道線に転属したりしたことがあったものの、基本的には横須賀・総武快速線のみで見られる車両という認識で間違いあるまい。その総数、実に745両。同車はまさに横須賀・総武快速線にひとつの帝国を築いたと言っても過言ではない。E235系がデビューしたということは、E217系の終焉へのカウントダウンが始まったということ。帝国の崩壊が始まったのだ。
JR東日本と言えば、車両の置換えスピードのえげつなさが広く知られているところである。グループ傘下の鉄道車両メーカーである総合車両製作所(J-TREC)を使って、古い車両をゴリゴリと淘汰していく。古くは中央線の201系や京浜東北線の209系、最近では山手線のE231系500番台などなど、あれだけたくさんいたはずの車両があっという間に数を減らしていった。E217系も例外ではない。数年後、E217系が残りわずかとなったときに慌てることがないように、やれることは今のうちにやっておきたい。
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