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エトセトラ

2021.03.05

祝・東京BRTプレ運行開始。

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京成バス 1009号車
2020.11.7/港区東新橋

▲昨年10月よりプレ運行(1次)を開始した東京BRT。運行は京成バス奥戸営業所東雲車庫が担当する

2020年10月1日、東京BRTが開業した。まずはプレ運行(1次)ということで虎ノ門ヒルズ~新橋~晴海BRTターミナルの1系統のみの運行となっているが、11月のある日に様子を見に行ってみたので、遅ればせながら東京BRTの概要に触れつつ運行の模様を紹介したい。

都心と臨海地域を結ぶ東京BRT

東京BRT・・・それは、都心と臨海地域を結ぶ新たな交通機関である。タワーマンションが林立する勝どきや晴海、オフィスやエンターテイメントが集積する臨海副都心。これらは都心から比較的近いながらその結びつきが弱い鉄道空白地域であった。そこで、東京都では環状2号線の開通を契機として鉄道空白地域を補うとともに、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う選手村の整備が進む臨海部の公共交通に対する需要増に対応する新たな公共交通機関の導入計画を策定。こうした計画に基づいて開業したのが東京BRTである。

2020年10月より始まったのはプレ運行(1次)。この後、東京オリンピック・パラリンピック開催後にプレ運行(2次)へ、環状2号線の本線トンネルが開通する2022年度以降には本格運行に移行する計画となっている。路線はプレ運行(1次)ではひとまず虎ノ門ヒルズ〜新橋〜晴海BRTターミナルの1系統のみだが、プレ運行(2次)では臨海副都心方面に、本格運行時には選手村方面に延伸される予定となっており、段階的に路線が拡充される計画である。将来的には東京駅へ方面に延伸するという構想もあるようだ。

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東京BRT 延伸計画

▲東京BRTの事業計画。段階的に路線を拡充させる予定である(東京BRTチラシより)
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東京BRT 虎ノ門ヒルズ停留所
2020.11.7/**

▲都心側の起点、虎ノ門ヒルズ停留所。ビジネスタワーの1階に設置されており、一部の便のみが乗入れる

「東京BRT」という名称は公募によるものとなっている。営業エリアのわりに大きく出たな・・・という気がしないでもないが、それだけこのBRTに対する期待があらわれている証左であろう。なお、本来は5月にもプレ運行を開始する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により開業が延期になっていた。

レインボーカラーが目印の東京BRT

東京BRTは、誰にとってもわかりやすく、魅力のある交通機関になることを目指すべく、デザインや案内サイン等に力が入れられているのが特徴になっている。トータルデザインの考え方が導入され、2018年11月に実施された一般からの意見募集によりレインボーカラーのストライプが採用された。このレインボーカラーのストライプは車両だけでなくバス停留所などにも展開され、ひと目見ただけで東京BRTとわかるアイコンのような役割を果たしている。

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東京BRT デザイン案

▲トータルデザインの意見募集はA〜C案の中からふさわしいものを選ぶという形式で実施され、最も応募数の多かったA案が採用された。デザインはGKインダストリアルデザインが担当している(東京BRTチラシより)
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京成バス 1007号車ほか
2020.11.7/晴海BRTターミナル

▲東京BRTの車両群。ディーゼル車3台、燃料電池バス5台、連節バス1台が導入されているが、鮮やかなレインボーカラーをまとったこれらの車両の存在感は抜群
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東京BRT 新橋停留所
2020.11.7/**

▲レインボーカラーのストライプは車両だけでなく停留所にも展開され、ひと目で東京BRTのものと分かるようになっている。写真はゆりかもめ新橋駅の直下に設置された新橋停留所
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東京BRT 案内サイン
2020.11.7/**

▲停留所に設置された案内はご覧のとおり。多くの情報が盛り込まれた案内は鉄道のそれに近い
運行は京成バスが担当

東京BRTの運行は京成バス奥戸営業所東雲車庫が担当している。新橋や豊洲、臨海副都心といった都営バスのエリアにあって、なんで京成バスが・・・? と思われるかもしれないが、これは公募により運行事業者が決定されたため。京成バスが選定された理由については、連節バス運行のノウハウや充実した教育体制を有しているほか、東京BRTの運行について堅実かつ具体的な内容の提案があったためとされる。

なお、京成バスが運行するのはプレ運行まで。本格運行時より京成バス100%子会社の東京BRTが運行を担当する予定となっている。また、営業所を晴海BRTターミナルの敷地に新設する予定となっており、将来は晴海BRTターミナルが運行の拠点になる見込みである。

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東京BRT 晴海BRTターミナル
2020.11.7/**

▲今のところの終点、晴海バスターミナルの様子。バスターミナルというより仮設の終点といった雰囲気。将来的には営業所が設置され、東京BRTの運行拠点になる予定である
東京BRTはBRTなのか?

気になるのは、東京BRTがBRTたりているかというところ。世の中には連節バスを導入しただけでBRTを自称してしまう事業者やプロジェクトが散見されるが、BRT(=Bus Rapid Transit)の本質はその名のとおり高速輸送である。そのためには、バス専用レーンやバス専用(バス優先)信号機の整備、料金収受方式の工夫による停留所での乗降時間の短縮などが求められる。東京BRTはここらへんのことをクリアしているのだろうか。

結論から言うと、東京BRTは今のところBRTとは言えない。バスは道路上を一般の交通に混ざって走るし、料金の支払方法も通常の路線バスと同じである。並行して走る都営バスをぐんぐんと追い抜いていく気持よさはあるものの、それは単に停留所の数が少ないから。その立ち位置はせいぜい急行運転をする路線バスくらいといったところである。

ただし、東京BRTがBRTじゃないのはプレ開業の状態であるためだ。京成バスと東京都都市整備局が2016年4月に策定した事業計画には、BRTの速達性・定時性を確保するための走行空間の確保や券売機などによる乗車券の事前販売を検討することが盛り込まれているので、今後の施策が期待される。東京BRTの成功はこういったことが実現できるかどうかが鍵であると思っている。日本におけるBRTのお手本となるようなものをつくってほしい。

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