KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2021.08.17

京成3500形の6両編成に異変。なんだか大変なことが起きている。

D33643.jpg

京成3500形 3508編成
2020.3.12/ユーカリが丘〜京成臼井

▲先週末に編成組み換えが行われた3500形。6両編成6本と4両編成2本が一気に組み換わるという過去に例のない組み換えとなっている。いったい何が起きているのだろうか

京成3500形において、編成組み換えが行われている。どういった内容なのか見てみよう。編成組み換えは以下の通りとなっている。

[3504-03-02-01]+18-17]
[3508-07-06-05]+26-25]
[3520-19+[3552-51-50-49]
[3524-23-22-21]
[3528-27+[3556-55-54-53]
[3536-35-34-33]
[3544-43-42-41]+46-45]
[3548-47+[3512-11-10-09]

[3504-03+54-53]+02-01]
[3508-07-06-05]
[3512-11+26-25]+10-09]
[3520-19-18-17]+50-49]
[3524-23+[3528-27+22-21]
[3536-35+[3556-55+34-33]
[3544-43-42-41]
[3548-47+[3552-51+46-45]

6両編成6本と4両編成2本を一気に編成組み換え

ご覧のとおり、6両編成6本と4両編成2本が関係する編成組み換えとなっている。組み換えは13日から15日の3日間で実施された模様だが、3500形48両(芝山鉄道除く)のうち実に44両が短期集中で一気に組み換わるというのは過去に例のない事例。3500形は2018年12月ダイヤ修正で現在の6両編成6本+4両編成4本の体制となっているが、それ以来の大きな動きになっている。

そして、今回の編成組み換えがなおのこと奇妙なのは、組み換え後の6両編成の組成である。3500形の6両編成は、通常であれば4両編成の成田方あるいは上野方に半端な2両をつなげる格好で組成されるが、今回組成された6両編成は3520編成を除いた5本の編成が、いずれも番号順の4両の中に2両を組み込んだ、いわば2+2+2という格好になっているのが特徴。2+2+2の6両編成はこれまでもなかったわけではないが、組成されるのは車両不足などの時の突発的なものであり、イレギュラーな編成とされてきた。今回はこうした6両編成が一挙に5本も組成されたのだから、なんだか大変なことが起きているというわけなのである。

一方、これだけ大がかりに編成を組み換えたにもかかわらず、3500形の6両編成6本+4両編成4本という体制には変化がない。このことからすると、今回の編成組み換えは4+2あるいは2+4の6両編成を2+2+2の6両編成にするために行われたものと考えられる。

デジタルSR無線対応に向けた準備か、それとも?

それでは、なぜこのような編成組み換えを行ったのだろうか。考えてみよう。

考えられる理由のうち最も可能性が高そうなのは、デジタルSR無線対応に向けた準備である。現在、京成では2023年3月までの予定で列車無線の更新(デジタルSR化)が進められており、4月には一部の車両においてデジタルSR無線の使用を開始した。3500形はこれまでに無線対応工事が一切行われてなかったが、2023年度以降も走るのであれば、工事を実施してSR無線に対応する必要があるものとみられる。

その際、先が短いであろう3500形において、在籍している全ての先頭車を改造するというのはいささか効率が悪い。列車無線が必要なのは先頭に出ている車両だけだからだ。つまり、6両編成で中間に組み込まれた先頭車はSR無線に対応していなくても構わないので、3500形の中でSR無線に対応させる編成を限定し、その予定がない車両を6両編成の中間に押し込んだというように見ることができる。

一方で、ただ単に廃車準備という可能性も否定できない。現在、京成で置き換えが進んでいるのは3400形と3600形であり、単純に考えればこのまま3400形と3600形の廃車が進行するものと思われる。しかし、それはあくまでも外部の人間が勝手に思っていることなので、実は3500形こそが廃車候補でした〜なんて展開があるかもしれない。

3500形が廃車となる場合、今のところ4両編成には代替となる車両がないため、6両編成の廃車が先行するものと思われる。6両編成を編成単位で廃車にしやすいよう、あらかじめ編成組み換えを行ったということも考えられよう。

◆ ◆ ◆

今回の異変が3500形にとって今後も走り続ける布石となるのか、それとも終わりの始まりとなるのか、今後の動向が注目されるところだ。

  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成3500形3520編成 営業運転終了

京成3500形に廃車が発生。3100形3155編成の導入に伴い、車両に動きが生じている。3500形3520編成が11日の(B21→)05運行をもって営業運転を離脱。いっしょに編成を組んでいた...

京成3500形3520編成 営業運転終了
京成3100形 2024年度に京成本線仕様の車両を導入か

6月30日、京成電鉄はバリアフリー法に基づく2021年度の移動等円滑化取組計画書を公表した。その中で、3100形の今後の導入計画が明らかになっている。どういった内容なのか見てみよう。京成が6月...

京成3100形 2024年度に京成本線仕様の車両を導入か
京成線・北総線 デジタルSR無線を使用開始

半世紀ぶりの大変革。4月17日、京成線と北総線において始発列車よりデジタルSR列車無線(SR無線)の使用が開始された。SR無線を使用する区間は、京成線全線(北総線と重複する区間を除く)と北総線...

京成線・北総線 デジタルSR無線を使用開始
まだまだ頑張る京成3500形更新車

まだまだ頑張る京成3500形更新車。京成では現在3100形の導入と、3600形と3400形の廃車が進められていることは車両の動きでもお伝えしているとおりである。そんな3600形や3400形を...

まだまだ頑張る京成3500形更新車
京成線 4両編成の現況

京成線の4両編成の今。2018年12月ダイヤ修正で大幅な削減が実施された京成線の4両編成。その4両編成の現在の状況を少しばかり整理しておこう。まずは2018年12月ダイヤ修正以降、4両編成が...

京成線 4両編成の現況

最新記事

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)

今年も春がやってきた。4月21日、北総鉄道が主催する「ほくそう春まつり」の開催に合わせて臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。昨年、八千代台始発として5年ぶりに運転された当列車だが、今年は...

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)
千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版

当Webサイトでは、2023年3月の「千葉シーサイドバス路線図 2023年3月1日版」と題する記事にて千葉シーサイドバスの路線図を公開していたところであるが、約1年ぶりに改訂版を発行する。千葉...

千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版
京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)
北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク

北総線開業45周年記念。北総鉄道では、3月上旬より7500形おいて「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。表題のとおり北総1期線(新鎌ヶ谷〜小室)の開業45周年を記念した...

北総7500形 「北総1期線開業45周年記念」ヘッドマーク
タイ国鉄 フアランポーン駅の現在

クルンテープ・アピワット中央駅に続いて、かつての中央駅、フワランポーン駅も訪ねてみた。2023年1月にバンコクの中央駅の地位をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったフアランポーン駅。中央駅の移転...

タイ国鉄 フアランポーン駅の現在