2021.09.29
都営5500形、全27編成の投入が完了。
東京都交通局では2017年度より新型車両5500形を導入しているところであるが、このほどそのラストナンバーとなる5527編成がお目見えしている。同編成は9月16日に製造元の総合車両製作所横浜事業所(J-TREC、金沢八景)を出場して馬込車両検修場まで回送。24日に西馬込〜浅草橋にて試運転を実施し、29日より営業運転を開始した。
これにより、都営5500形は予定されていた全27編成の投入が完了。約4年間にわたり実施されてきた5500形の導入はひとまず完結することとなった。5500形全27編成の導入経過は別記事にてまとめてあるので、そちらを参照してほしい。
さて、5500形の投入が完了したということで、都営浅草線は今後どういうふうに変わっていくだろうか。今のところ気になるのは以下の2点である。
5300形の去就はいかに
やはりまず気になるのは5300形の去就についてであろう。5500形の導入とともに数を減らしている5300形の残りはついに1編成、5320編成のみとなっている。5500形は5300形と同数の27編成が投入されたわけだから、数の上では5300形はいつでも運用離脱できる状態だ。
ただし、東京都交通局は5500形を導入している最中、通常より予備車が1本多い28編成体制で運用してきた。5500形は27本しかいないので、このまま28編成での運用が続けば5300形は生き残ることができる。
しかしそんな都合のよい話があるのか・・・と言うと、なくはないのである。現在、四直各線では列車無線のデジタル化が進められており、京急線と京成線、北総線では既にデジタル列車無線の使用を開始している。都営浅草線は依然としてIR無線を使用しているが、同線においてもいずれ前記3社に追従することとなる。
5500形においては2020年度導入分の5516編成からデジタル列車無線の準備工事済、それ以前の編成は全くの未対応となっており、デジタル無線対応のための工事が必要な状態。この工事のために予備車が余分に必要になるとすれば、5300形の引退はもう少し先のことになる可能性がある。
5500形の運用に変化はあるか
ふたつめは、5500形の投入が完了したことで、都営車の運用に変化が生じるかどうかである。具体的には、都営車のアクセス特急が設定されるかどうか。5300形は120km/hで走れないばかりにアクセス特急から外されていたが、5500形では120km/h運転対応はもちろんのことアクセス特急の行先表示や自動放送も搭載済み。登場時よりアクセス特急としての運用を想定した車両となっている。
既報のとおり、5500形は6月20日の終電後に成田スカイアクセス線内でアクセス特急用と思しき試運転を実施している。準備は万端なはずなので、今後のダイヤ改正に期待したいところ。
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