2021.12.11
京成千葉線に直通して15周年。

新京成8000形 8814編成
2021.9.20/検見川〜京成稲毛
2006年12月10日に始まった新京成電鉄の京成千葉線への直通運転は今年で15周年を迎えた。これを機に、この運転系統について近況を少しばかりまとめておきたいと思う。
変化に乏しい直通運転のダイヤ
まずはダイヤについて見ておきたいが、直通運転についてはほとんど変化がない。2006年12月に平日22往復、土休日25往復で始まった新京成の京成千葉線直通列車は、2009年2月ダイヤ修正で土休日に限り直通運転の時間帯が拡大して32往復となる。その後、2011年3月に発生した東日本大震災の影響による一時的な直通中止や減便、2012年10月ダイヤ改正で多少の時間調整があったものの、現在も平日22往復・土休日32往復のダイヤを維持している。
本来であれば平日のラッシュ時間帯にこそ直通列車が欲しいところだが、もとより新京成の日中時間帯の余力を活用した片乗入れの運行形態ということもあり、これ以上直通列車を増やすのは難しそう。京成車が新京成側に乗入れるなどの抜本的な何かがない限り、当面は現状維持が続くだろうか。
京成千葉線を彩る直通用の車両たち

新京成N800形 N838編成
2021.12.7/北習志野〜習志野

新京成8000形 8512編成
2018.1.26/三咲〜滝不動
あまり動きのないダイヤに対して、あれこれと変化していっているのが車両である。まず、ここ10年で最も大きなトピックは、8000形が乗入れを終了したこと。8000形は15年前の松戸発千葉中央行1番列車も務めた直通運転の立役者だったが、引退を前にして2020年9月に千葉線から撤退。現時点で千葉線に乗入れる車両は8800形とN800形の2形式だけとなっている。
そして、車両の見た目も大きく変化した。新京成では2014年度より新しいコーポレートカラーの導入に伴い車両の新デザイン化を実施。鮮やかなジェントルピンクをまとった新京成の車両は京成線内でもたいへん目立つ存在となっている。一方で、京成線に直通可能な車両のステータスとされたはマルーンのストライプ帯は、結果的にわずか10年ほどの短命な塗装になった。
8800形については2015年度よりリニューアル工事が進められており、これもさらなる変化を生んでいる。特に半導体素子にSiC(炭化ケイ素)を適用したVVVFインバーターは都営浅草線を始めとした四直各社局に先駆けての導入であり、8800形が京成線で初めて走ったSiC-VVVFの車両になった。新京成の車両は直通先にも新しい風を吹かせている。
今後、大きな変化として期待されるのは、やはり新型車両80000形の直通開始であろう。現在導入されている80000形2編成は今のところ列車無線の関係で京成線乗入れ非対応となっているが、いずれ京成線内でも見られるようになる。動きが少ないようで意外と多い新京成の京成千葉線直通運転、今後どのように変化していくのか楽しみだ。
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