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エトセトラ

2022.05.09

京急1000形1890番台に愛称が付く。

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京急1000形 1892編成
2021.5.28/生 麦

▲2021年5月より営業運転を開始した京急1000形1890番台。一般からの募集をもとに「Le Ciel(ル・シエル)」という愛称が付けられた
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京急1000形 1890番台「Le Ciel」ラッピング
2022.5.1/**

▲2号車と3号車海側のトイレな部分に実施された「Le Ciel」の愛称ラッピング。「空」をイメージした爽やかなデザインは京急のセンスが光る

L/C座席にトイレ付という仕様で2021年5月に導入された1000形1890番台。11月からは2021年度導入の3編成も順次加わり、計5編成となって活躍の場を拡げている。2022年3月、そんな1890番台に「Le Ciel(ル・シエル)」という愛称が付与された。「Le Ciel」はフランス語で「空」という意味。

愛称は一般から募集したものとなっている。京急によれば、予想を大きく上回る3000以上の応募があったとのこと。その中から入選作品を選び、最終的には京急グループ社員の投票により最優秀作品が愛称として決定された。そのような激戦を制して決定した愛称「Le Ciel」には、次のような思いが込められているという。

  • 伝統の海水浴特急「ラ・メール号」をオマージュ。
  • 京急と言えば「空」のイメージ。全線を通して空が見える区間が多く、クロスシートからの快適な眺望を想起させる。
  • 「Le Ciel」の頭文字を取るとL/C。
  • (日本語で)4文字なので、覚えやすく親しみやすい。
  • 高級感のある響きで、ウィング号を利用した際の優雅さをアピール。

今の京急をよく表した「空」という単語を、フランス語を多用していた一時期の京急を思い起こさせるようなノスタルジックかつおシャレな響きで表現しただけでなく、1890番台の特徴である「L/C」が言葉遊びで埋め込まれているという、実に隙のない愛称である。私も愛称募集の時に少し考えてみたものの、こんな見事なものは思いつくわけがなく、やられたという感じ。これを編み出して応募した主、タダモノではないな・・・?!

愛称の付与に合わせて、1890番台の車体に愛称をデザインしたラッピングも実施されている。ラッピングが施されたのは、編成海側、2号車品川方と3号車浦賀方にまたがった箇所。ここはトイレのおかげで窓のない部分が連続してやや持て余していたところだが、爽やかな「空」をデザインしたラッピングは外観上のアクセントになった。

なお、ラッピングを実施したのは在籍する5編成のうち4編成で、どういうわけか1893編成のみ対象から外されている。同編成についてはほかに何か企みでもあるのだろうか。

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