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エトセトラ

2022.11.12

一時代の終焉。

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京急1000形 1057編成
2022.2.22/京成高砂

▲京急でドイツ・シーメンス製の制御装置を搭載した最後の編成だった1000形1057編成。このほど機器更新のため入場し、京急におけるシーメンス製VVVFインバーターは終焉を迎えることとなった
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京急1000形 車両番号ステッカー
2022.10.16/**

▲車両番号のステッカーにはシーメンスのロゴも掲載されていた。「Powered by SIEMENS」ってカッコいいよね

11月11日、京急1000形1057編成が全般検査ならびに機器更新などのため久里浜工場に入場した。同編成は現在国産メーカーへの換装が進んでいるドイツ・シーメンス製のVVVFインバーターを搭載した最後の編成だったため、これにより京急から同社製の制御装置が消滅となる模様だ。

シーメンス製VVVFインバーターを搭載した1057編成の最後の営業運転となったのは10日の1709A快特京急久里浜行で、回送で久里浜検車区に入庫、そのまま入場となったようである。同社製のVVVFインバーターと言えば、昨年にも「歌う電車」「ドレミファインバーター」などと通称されたGTO方式の装置が盛大なさよならイベントとともに引退したが、それからわずか1年4ヶ月、IGBT-VVVFも消えることになった。

京急におけるシーメンス製IGBT-VVVFインバーターは1000形3次車で採用されたもので、2004年度からの3年間で導入した8両編成4本と4両編成8本が搭載していた。比較的少数派ではあったが、強烈なのはその個性。モーターが奏でる金切り音に近い絶叫系サウンドは国内では唯一無二のもので、「悲鳴インバーター」とも呼ばれた。日本におけるシーメンスサウンドと言えば1000形GTO-VVVF車やJR東日本E501系の「ドレミファ・・・」の印象が強いが、シーメンスらしさという点であればこちらのIGBT-VVVF車のほうが上だと思う。

機器更新については、先に出場した編成にならって一部の電動車を電装解除の上、東洋電機製VVVFインバーターに換装されるものとみられる。これにより、2100形と1000形で実施されてきた海外製制御装置などの機器更新は終了、全ての制御装置が国産のものに再統一される。イニシャルコストやメンテナンスの低減などを理由とした外国製品の積極導入の一環で採用されたシーメンス製VVVFインバーターだったが、その時代は終わりを迎えることとなった。

走行音

京急1000形デハ1056 京成立石→四ツ木

京急1000形デハ1056 日本橋→宝町

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