2023.03.04
京成3700形3788編成が新しくなって復活。

京成3700形 3788編成
2023.3.3/京成臼井〜京成佐倉
3月2日、2022年11月17日に京成高砂駅構内で発生した脱線事故の当該となり長期の運用離脱を余儀なくされていた3700形3788編成が運用に復帰した。同編成の復活にあたっては特に損傷が酷かったであろう3788-3787の復旧はならなかった模様で、3748編成の3748-3747を2代目3788-3787に改番の上で組み込み、新たな3788編成を組成。3748編成と3788編成を組み合わせた新3788編成とも言える編成が登場した。
▽事故前
3748-3747-3746-3743-3742-3741
3788-3787-3786-3785-3784-3783-3782-3781
▽事故後
3788-3787-3786-3785-3784-3783-3782-3781
-3746-3743-3742-3741
3788-3787-
※3748・3747は3788・3787にそれぞれ改番。3788のみ高砂検車区に留置。
新3788編成に組み込まれなかった3746〜3741と3788、3787の6両は、今のところ3788号車のみ高砂検車区で、その他は宗吾車両基地でそれぞれ留置中。一部の車両においては部品の取り外しも行われていることから、これら6両は廃車になる可能性が高いものとみられる(あるいは既に廃車になった可能性がある)。

京成3700形 3787号車車内
2023.3.3/**

京成3700形 3787-3786連結部
2023.3.3/**
ここで疑問となるのが、3788-3787の代替としてどうして3748-3747が差し出されたのかということであろう。周知のとおり3748編成はもと北総7818編成であり、2020年6月に発生した青砥駅での脱線事故により編成中2両が廃車、京成で6両編成として運用復帰した編成である。
3748編成は青砥事故の影響か変則的な6両編成化が祟ったのかいまいち調子が悪かった模様で、2022年11月から一切運用に入らず離脱した状態であった。3788編成が高砂での事故で損傷した一方、3748編成も何らかの処置が必要だったものと思われる。そこで、今回は調子の悪い3748編成と脱線して損傷した3788編成から使える車両を抜き出して新たに8両編成を組成するという、奇策のような方法でそれぞれの編成に起きていた問題の解決を図ったわけである。
結果的に、京成は2回の事故でまだまだ使えたであろう3700形を8両分失うという手痛い結末を迎えそうだ。目下、京成では車両計画全体に大きな影響を与えている列車無線のデジタル化への完全移行が目前に迫っている中で、今回の3700形の動きが今後どのような影響を及ぼすかのになるのか気になるところ。
3748編成と3788編成の動き
- 2020.6.12:北総7818編成、青砥駅構内で脱線事故
- 2020.8.22:7818編成、高砂検車区から印旛車両基地に回送(終電後)
- 2021.10.30:7818編成のうち6両が宗吾車両基地に回送(終電後)
- 2021.12.2:7818編成改め3748編成が6両編成として運用復帰
- 2022.11.11:3748編成、この日を最後に長期の運用離脱
- 2022.11.17:3788編成、京成高砂駅構内で脱線事故
- 2023.2.19:3788編成のうち3787〜3781が高砂検車区から宗吾車両基地に回送(終電後)
- 2023.3.2:3788編成が新3788編成として運用復帰
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