KSWeb

鉄道やバスなど、公共交通に関するディープな話題をお届けしています。

etc...

エトセトラ

2023.07.23

京成3100形は3157編成で製造終了?

D36299.jpg

京成3150形 3151編成
2021.1.26/四ツ木

▲2019年10月にデビューした3100形。2023年度導入の3157編成をもって成田スカイアクセス線仕様の編成が7本出揃うこととなった

6月30日、京成電鉄はバリアフリー法に基づく2023年度の移動等円滑化取組計画書1)を公表した。その中で、車両について今後の導入計画が明らかになっている。まずは、どういった内容なのかを以下に引用しておこう。

  • バリアフリーに対応した3100形を1編成導入(2023年度1編成)
  • バリアフリーに対応した新形式車両を導入(2024年度以降)

3100形と新形式車両の導入計画が記されている。新形式車両というのは、同社の経営計画などで導入が明らかになっている、編成車両数が変更できる仕様の3200形のことだ。計画書によれば、上記の通り、3100形1編成を2023年度に、3200形を2024年度以降にそれぞれ導入するとしている。2023年度の3100形は既に3157編成として導入済みとなっている。

計画書に記載されている内容からすると、今のところの計画としては3100形の導入は2023年度まで、2024年度から3200形の導入に移行するということのよう。すなわち、3100形は成田スカイアクセス線仕様の7編成をもって製造終了ということを示唆している。

従来のシステムを踏襲した3100形と編成車両数が変更可能な3200形では、車両の性格が大きく異なる。場合によってはこれら2種類の車両を並行して導入する可能性も考えられたが、京成としては今のところそうした考えはなさそうな雰囲気だ。成田スカイアクセス線仕様の編成が出揃った後の登場が期待されていた京成カラーの3100形は、どうやらおあずけになりそう??

新型車両3200形について、2024年度以降という具体的な導入時期に言及したものは今回は初出とみられる。仮に導入が2025年度だとすればここは2025年度以降という表記になるだろうから、2024年度にも3200形がお目見えする可能性がより一層高まってきた。来年度、3200形ははたしてどういった姿で登場するか楽しみである。

◆ ◆ ◆

ただし、移動等円滑化取組計画書に記載されている計画は、信頼性がそれほど高くないことに注意が必要となる。現実に、2021年の同計画書に記載された3100形の増備予定が翌年には計画変更という形で消えてしまったように、内容の通りにいかないことがしばしばある。

ましてや、京成は2020年6月と2022年11月に発生した2回の脱線事故でそもそもの車両計画に大きな狂いが生じている最中。これらの事故がなければ3157編成が導入された時点で3600形はVVVFインバーター制御の3668編成のみが残存、3400形は全廃という状況になっていたものと思われ、満を持して3500形置き換えのための3200形導入に移行できていたはずだった。

Y05682i.jpg

京成3400形 3448編成
2016.1.17/京成臼井〜京成佐倉

▲脱線事故の影響で現在も元気な姿を見せる3400形3448編成。いやほんとどうすんだべ

すなわち、今の京成には3688編成と3448編成をどうするの、という宿題が課せられている状態にあると言える。3688編成は6両固定、3448編成は8両固定だが、固定編成を置き換えるのであれば機能的には従来の3100形で十分なので、このあたりに3100形追加導入の可能性が残されているように思われる。

  • 京成
  • タグはありません

関連記事

京成3100形 3157編成が登場

6月中旬より、京成3100形の4次車にあたる3157編成がお目見えしている。4次車の特徴と営業運転開始までの動きをまとめておこう。京成電鉄では、2023年度の新造車として3100形3157編成を...

京成3100形 3157編成が登場
京成電鉄「2023年度 鉄道事業設備投資計画」を読む

今年も大型連休が終わり、鉄道各社から設備投資計画が発表される季節がやってきた。京成電鉄でも18日に発表があったところなので、これを読んで今後の動きを探ってみよう。2023年度における鉄道事業の...

京成電鉄「2023年度 鉄道事業設備投資計画」を読む
京成グループ 車両の動き(2022年度)

京成グループにおける2022年度の車両の動きをまとめてみよう。2022年度の京成電鉄は、車両の導入を行わず廃車のみが発生するという特異な年度になった。廃車となったのは、3400形3418編成...

京成グループ 車両の動き(2022年度)
京成電鉄 2024年度までに新型車両3200形を導入へ

7月29日、京成電鉄は2022年度からの新たな長期経営計画「Dプラン」と2022年度から2024年度の3ヶ年に適用される中期経営計画「D1プラン」を発表した。この中で、新形式車両となる3200形...

京成電鉄 2024年度までに新型車両3200形を導入へ
京成3100形 千葉・千原線を走る

京成3100形が千葉・千原線を走る。12月12日と25日、京成トラベルサービスが主催する「3100形千葉線・千原線初入線スペシャルツアー」が催行され、これに伴う団体臨時列車が京成上野→ちはら台→...

京成3100形 千葉・千原線を走る

最新記事

京成線 駅別乗降人員ランキング(2023年度)

2023年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2023年度の駅別乗降人員をランキング形式で...

京成線 駅別乗降人員ランキング(2023年度)
京成線 京成成田駅にイラスト入り駅名標が登場

京成成田駅にイラスト入りの駅名標が登場。京成線の京成成田駅にイラスト入りの駅名標がお目見えしている。登場したのは、3月末あるいは4月頭の模様。成田と言えば真言宗智山派の大本山のひとつ成田山新勝寺...

京成線 京成成田駅にイラスト入り駅名標が登場
北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)

今年も春がやってきた。4月21日、北総鉄道が主催する「ほくそう春まつり」の開催に合わせて臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。昨年、京成本線の八千代台始発として5年ぶりに運転された当列車...

北総7300形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2024年)
千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版

当Webサイトでは、2023年3月の「千葉シーサイドバス路線図 2023年3月1日版」と題する記事にて千葉シーサイドバスの路線図を公開していたところであるが、約1年ぶりに改訂版を発行する。千葉...

千葉シーサイドバス路線図 2024年4月1日版
京成グループ 車両の動き(2023年度)

京成グループにおける2023年度の車両の動きをまとめてみよう。まずは京成。ここ数年は列車無線のデジタル化に伴う予備車の存在や2度にわたる脱線事故の影響などでイレギュラーな車両の動きが続いていたが...

京成グループ 車両の動き(2023年度)