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エトセトラ

2023.10.29

祝・新京成8900形デビュー30周年。

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新京成8900形 8918編成
2023.10.17/三咲〜滝不動

▲デビューから30周年を迎えた新京成8900形。これを記念して8918編成にヘッドマークの掲出が行われている
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新京成8900形 「デビュー30周年記念」ヘッドマーク
2023.10.7/**

▲ヘッドマークは初代・2代目塗装で用いられたクリアブルーを基調に、歴代塗装の8900形のイラストが並ぶナイスなデザイン

新京成電鉄では、10月上旬より8900形にて「デビュー30周年記念」ヘッドマークの掲出を行っている。同形式が1993年9月に導入されてから30周年を記念したもので、掲出は8918編成が対象となっている。ヘッドマークは初代・2代目塗装で用いられたクリアブルーを基調に、歴代塗装の8900形のイラストが並ぶデザイン。3月末まで掲出されるとのことである。

8900形は1993年度に登場。新京成で初めてのステンレス車両として8両編成3本が製造された。当時として一般的だった1C4M2群方式のVVVFインバーターやMM'ユニットの構成を採用しつつも、ボルスタレス台車やシングルアームパンタグラフ1)、通常の通勤型車両よりも広い幅1,500mmのドア、自動放送など、新京成の先進性が存分に取り入れられた8800形に次ぐ意欲作である。前面に見られる貫通扉や左上のLED表示器など、今となっても謎のままの装備も8900形の魅力のひとつ。新京成ははたして8900形をどこで走らせるつもりだったんだろうかと思いを巡らすのも楽しい。

そんな8900形は、3編成のみの少数派。同車にとって不運だったのは、やはりその生まれた時代ということに尽きよう。沿線は既に開発が進んでいて8000形や8800形導入時のような利用者数がうなぎ登りといった状況ではなかったし、1996年4月には都心に直結する東葉高速線も開業する。8900形が3編成のみの製造にとどまったのは、こうした沿線環境のネガティブな影響が大きいと言われる。結果的に、次なる新車は2005年度に登場するN800形となり、新京成独自の車両は今のところこの8900形が最後となっている。

2014年度には新京成全体の合理化施策に伴い、6両編成化を実施。中間車2両×3が廃車になった。カラーリングが3代目の塗装となるジェントルピンクの新デザインに変更されたのもこの時期。現在、3本いずれも京成千葉線直通非対応の編成として、新京成線内のみの運用に従事する。

8900形に次なる動きがあるとすれば、車体のリニューアルだろうか。8900形では今のところVVVFインバーター装置をはじめとした一部の床下機器類や行先表示器、自動放送、車内案内表示器など個別にはそれぞれ更新が行われているものの、車体全体のリニューアルは行われておらず、車内のデザインは1990年代の車両を感じさせる導入当初のものがそのまま残る。8800形のリニューアル工事も当初予定していた9編成目に到達し、工事の対象が8900形に移行するかどうかが注目されるところだ。

  • 1)導入当初のパンタグラフは工進精工所のKP91形。現在のものとは異なる。なお、当時はシングルアームパンタグラフという言葉が一般的でなかったため、当時の資料には「Z形パンタグラフ」という表記もみられる。

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