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エトセトラ

2023.11.11

​国鉄型車両を訪ねて、初めての海外編はタイを走るキハ183系をば。

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タイ国鉄キハ183系 キハ183-219ほか
2023.10.21/Bang Sue Janction

▲JR北海道からタイ国鉄に譲渡されたキハ183系。タイでは専ら週末に運転される観光列車に使用されている。JR北海道在籍時そのままの塗装が嬉しいところ

2023年春のダイヤ改正で定期運用を終了したJR北海道のキハ183系。その一部がタイ国鉄へ譲渡され、熱帯の気候の中を走っていることは広く知られているところであろう。10月のある日、タイの首都バンコクを訪れた際にキハ183系に出会うことができたので、そのことを記したいと思う。

タイに譲渡されたキハ183系

JR北海道からタイ国鉄に譲渡されたキハ183系は17両で、いずれも2018年度までに廃車となった初期グループの車両である。新型コロナウイルスの世界的な流行によるゴタゴタなどがあって譲渡決定から約4年の空白が生じるものの、2021年になってようやくタイに渡ることとなり、室蘭港から遠路はるばる船で輸送された。

タイ到着後は同国鉄のマッカサン工場でタイ仕様への改造が実施され、2022年12月より準備が整った車両から順次営業運転を開始した。譲渡された17両のうち今のところ稼動しているのは8両で、200番台のスラントノーズを先頭にした4両編成2本が運用に入っている。

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タイ国鉄の車両となったキハ183系の最大の特徴は、やはりその見た目であろう。特に塗装はJR北海道在籍時のものがそのまま採用されている。車両番号もそのままだ。外観上の大きな変化といえばヘッドライトの移設や乗降用ステップの新設、タイ国鉄ロゴの追加といった程度。車内外の日本語表記もほとんどが消されることなく残されており、随所に日本へのリスペクトが感じられるのが嬉しいところ。前面の愛称幕部分もきちんと活用されていて、車両によっては日本の特急のものを模した表示が行われている。

そんなキハ183系のタイでの運用だが、2023年11月現在、臨時運用のみ。専ら毎週末に運転されるバンコク発着の観光列車に使用されている。観光列車は日帰りまたは1泊2日で企画されたツアーによって運転されており、行先はさまざま。ただし、観光列車はフアランポーン駅を6時50分に出発するスジで運転されるのが定番となっている模様なので、バンコク都内だけで見れば週末限定のほぼほぼ定期列車、出会うだけなら難易度は低いと言える。もちろん、ツアーに参加してキハ183系をガッツリと楽しむのもアリだ。

バンコクでキハ183系に出会う

さて、前置きが長くなってしまったが、冒頭の写真のとおり無事にキハ183系に出会うことができた。私がバンコクを訪れた週末は南本線のラチャブリーへ1泊2日の行程で走るということで、私の旅程との兼ね合いだと出会えるチャンスは1回のみ。どこでどうしようかと悩んだが、フワランポーン駅の約7km先、バンスー駅で迎撃することにした。ホテルの朝食を放棄してMRTで先回りをし、走る姿を手堅く抑えようという目論見である。

事前に得た情報では観光列車はバンスー駅に7時5分ごろ到着するということであったが、なかなか姿を現さない。ドキドキしながら待っていると、遅れること約7分、キハ183系はちゃんとやってきてくれた。特急「オホーツク」ふうのヘッドマークを掲出したキハ183系はほとんど日本を走っていた当時の姿のまま、ここが本当にバンコクなのかどうか不思議な感覚に陥るが、確かにここはバンコクである。

列車はバンスー駅にいったん停車した後、出発合図の鐘の音とともに南本線に向けて発車していった。本当は5分くらいある停車時間を利用してもう少しいろいろできたはずだったが、この日は少し遅れていたこともあってさっさと行ってしまった。ここらへんは私の日頃の行いの賜物である。おまけに天気が悪くて写真の出来もイマイチなのだが、とにかくタイの地を走るキハ183系の姿を見ることができてよかった。

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タイ国鉄キハ183系 キハ183-219ほか
2023.10.21/Bang Sue Janction

▲バンスー駅を後にするキハ183系。出発の際は駅と列車が互いに旗を振って安全を確認するのがタイ国鉄のやり方である

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